中野区の「子どもの権利」を保障する条例を推進しています

中野区では、今回、子どもの権利擁護を推進するための条例をつくることとなりました。

私も、議員の立場からこれまで全力で進めてきました。

私の議会質問は大きくは3回。ここに質問の会議録(抜粋)を掲載いたします。

質問以外にも、関連の学識者から学んだり、区の担当とのやり取りも様々行ってきました。

審議会が設立され、多くの見識ある方々の活発な意見交換が行われ、過日、審議会から区へ答申がなされました。

今後、区は、審議会の答申をもとにブラッシュアップしつつ、条例をつくります。

まさにいま、中野区に児童相談所が移管されるタイミングでこのような条例ができることは、とても大事なことであると考えています。

コロナ禍で特にしわ寄せがいっている子どもが沢山います。それらの子どもの声を聴き、尊重し、代弁できる相談支援機関の創設も急がねばなりません。

もちろん、条例制定前にも機会を捉え施策を打つことは大切です。しかしながら、子どもの権利(人権)については、継続的に守られているかどうかのチェックをしながら施策の展開を行うことです。特に「行政が」チェックされるべきと考えます。

子ども施策の憲法ともいうべき「子どもの権利条例」に貫かれる精神を行政のどの部署もどの施設のどの職員も、また、委託先の職員も、そして地域で見守る大人たちも学び、深めていけるよう、良い条例を制定していきたいと思います。

今後のスケジュール   令和3年8月下旬頃 条例の考え方(骨子)の決定

            令和3年10月   条例の考え方決定 意見交換会の実施

            令和3年12月   パブリック・コメント手続きの実施

            令和4年2月    条例案が議会に提出される

              

R3.8.5子ども権利条例委員会資料.JPGR3.8.5委員会資料2.JPG

甲田ゆり子・子どもの権利条例に関する議会質問

1. 平成26年(2014年)09月16日中野区議会本会議(第3回定例会)

 

甲田ゆり子

子どもの権利条例について伺います。

 

 国連総会で採択された子どもの権利条約を日本が批准してからことしで20年となります。子どもの権利に関する水準は向上したと言えますが、日本ではまだまだという声があります。子どもの権利に関する条例は、都内では、世田谷区、目黒区、豊島区などが制定をしています。また、川崎市においては、教育委員会が声を上げて制定をしたとのことです。

 

 先日、会派で視察した世田谷区では、平成14年に施行された子ども条例があります。平成24年に条例改正され、子どもの人権擁護委員を第三者機関と位置付けました。そして、子どもの最善の利益を保障するために「せたがやホッと子どもサポート」という夜間や土曜も対応できる相談センターが設置されました。また、発達障害の相談についても、中心拠点のほかに五つの地域ごとの相談室があるなど、条例の趣旨が施策の隅々に浸透して、重層的な子育て施策が整っていると感じました。中野区には、子どもの権利に関する条例はありませんが、この20年の間に子どもの権利を守る条例を策定するような動きはなかったのでしようか。まず伺います。

 

 昨年度の児童虐待の相談・通報件数は、過去最悪の7万3,000件になったと報道されました。児童虐待の中には、親が子どもの面前で配偶者に暴力を振るうDVも多くなっています。小・中学生などが自宅で虐待を受けたり、学校の中でいじめられていて、誰にも相談ができないときに、親でも先生でもなく必ず秘密を守ってくれるアドバイザーに相談できる権利もあるはずです。また、教育格差も問題になっています。子どもの権利を確保することは、人間尊敬の社会、支えあう社会をつくることにほかならないと考えます。特に自治体の施策においては、全ての子どもを幸せにする、権利を守るとの方向づけが重要と考えます。今後のさらなる健全な子どもの育成のためにも、子どもの権利に関する条例をつくるべきと考えますが、区の御見解を伺って、この項の質問を終わります。

 

区長答弁

 

子どもの権利に関する条例についての御質問がありました。子どもの権利条約の基本的な考え方には、生命、生存、発達への権利、子どもの意見の尊重、親等による虐待、放任、搾取からの保護があると考えております。こうした考え方については、基本構想をはじめ、新しい中野をつくる10か年計画、また、中野区次世代育成支援行動計画などに十分盛り込まれていると考えているところであります。現時点では、そうしたことから、新たな条例の制定といったようなことについては考えておりません。

 

 

その後・・・

 

●平成28年(2016年) 改正児童福祉法において、子どもが権利の主体であることが規定され、子どもの権利、子どもの意見尊重との文言が規定される

 

●平成30年(2018年)の児童福祉法の改正では、児童の権利擁護、体罰禁止が法定化される

 

 

2. 令和元年(2019年)06月28日中野区議会本会議(第2回定例会)

 

甲田ゆり子

次に、2番、子育て支援について。

 

 (1)子どもの権利 条例について、伺います。

 

 30年前に国連で採択され、日本が批准しており、ことしで25年を迎えた子どもの権利 条約は、18歳未満の子どもも一人の人間としての人権を認めることをうたっています。区長は、子どもの権利 条例を制定することを公約として掲げられましたが、いつまでにどのようなことを根幹とした条例をつくるお考えかは具体的には語られていないように思います。子どもの権利条約締結以降、子どもの最善の利益とは何かが論じられてきました。また、平成28年の改正児童福祉法には、子どもの権利、子どもの意見尊重との文言が規定されました。児童社会福祉学者の網野武博氏は、生命が守られる、保護される等の受身の存在としての権利はオーソドックスに極めて重要であるが、もう一つ常に考慮されなければならないのは主体的な自由な願い、意見等を述べ、行使する権利であり、それはメジャーが往々にして軽視しがちな観点だが重要なものであるという趣旨の研究論文を記されています。区として条例をつくるに当たっては、オーソドックスな権利よりも軽視されがちな子どもの意見尊重を念頭に置き、制定すべきと考えます。意見を述べる権利が一番剥奪されているのはどの子どもなのか。それは、児童養護施設等に措置された社会的養護の子どもたち、またそれに準ずる虐待を受けている子どもたちであると考えます。社会福祉学者の栄留美里氏は、全国里親だよりの巻頭エッセイに、養護施設の子どもたちに聞けば、一方的に決めるのではなく、子どもの意見も聞いた上でともに考えてほしいというのが共通する声であるとつづっています。さらに新しい社会的養育ビジョンや都道府県の社会的養育推進計画にも意見聴取・アドボカシーということが実質一番上に掲げられていること、子どもの権利擁護を地域社会で考え、子どもたちとともにつくっていく姿勢が望まれていると語っています。いよいよ2年後の児童相談所設置運営に当たって、子どもの権利を守り切るため、権利擁護や意見表明権を浮き彫りにした条例を制定することが望ましいと考えますが、区の見解を伺います。

 

区長答弁

 

 子どもの権利条例についてでございます。子どもの権利が守られ、子どもが意見を表明できる地域社会であることは、将来を担う子どもたちが健やかに成長するために欠かすことのできない重要な要素であると考えております。こうした地域社会を実現するためには、保護者だけではなく、行政、区民、地域団体、事業者、学校など、子どもを取り巻くさまざまな関係者が協力し合いながらまち全体で子どもの育ちを支えていくことが重要となります。このため、[1子どもの権利条例については、子育て先進区としての目標や理念を広く共有し、子どもの育ちを支えていくための指針とするとともに、区が児童相談所、一時保護所を含む(仮称)総合子どもセンターを設置することを契機として、子どもの権利擁護・意見表明という視点からも実効性のある条例となるよう検討を進めてまいります。

 

 

 

3. 令和2年09月10日中野区議会本会議(第3回定例会)

 

甲田ゆり子

子どもの権利条例について伺います。

 

 区は、過日の子ども文教委員会で子どもの権利条例の審議会をつくることについて報告をされました。子どもの権利条約が批准されてもなお体罰や虐待による子どもへの権利剥奪事件は後を絶ちません。そこで、児童福祉法では2016年の一部改正で子どもが権利の主体であることが規定をされ、2019年の改正では、児童の権利擁護、体罰禁止が法定化をされましたが、まだまだ浸透していません。このことから、私は、全自治体が子どもの権利条例を制定し、それに基づいた計画、施策を施行していくべきであると考えています。

 

 私は、保護者や教育関係者を含む全ての大人が子どもの権利を奪う事件を絶対に生じさせないための子どものセーフティネットをつくり、具体的な取組ができるよう早急に検討しなければならないと考えます。さらに言えば、虐待から子どもの命だけを救っても、児童保護施設等の中で子どもの権利が奪われている現状や家庭内でのネグレクト、両親のDVや教育虐待、しつけと区別がつきにくい体罰などがあり、これらの角度からの議論、課題の整理が必要です。

 

 そこで、中野区の条例制定の意義についてポイントは何か、伺います。

 

 また、条例制定の目的は既に明らかでありますが、期待される効果と区としての目標は何か、伺います。

 

 母子手帳には今年度から児童憲章とともに子どもの権利条約が併記をされました。よいことだと思いますが、このページを自ら見る人が極めて少ないと考えます。基本理念について少しでも知ってもらえるよう、例えば両親学級など何らかの機会を捉え、妊産婦、また父親等に対してこのページを活用して周知する機会を設けてはいかがでしょうか、区の見解を伺います。

 

 

区長答弁

 

子どもの権利擁護に係る条例制定の意義についてでございます。虐待や貧困、いじめなど、子どもの権利が脅かされている状況が継続していると認識をしております。区民に最も身近な基礎自治体として子どもの権利を守るという理念を地域全体で共有し、浸透させることが区の責務であると考えております。これを進めていくことが条例の意義であると考えております。条例を制定するとともに、様々な困難を抱えている子どもたちへの支援などを引き続き充実させてまいりたいと考えております。

 

 次に、期待される効果と区としての目標についてでございます。条例に基づき子どもの権利を守るという理念を地域全体で共有し、浸透させていくことで、児童虐待や貧困、いじめ等の人権侵害の防止につながると考えております。条例の中で区民共通の理念を定め、それぞれの生活、活動の中に子どもの権利の視点が取り入れられることにより、全ての子どもが生き生きと成長していける中野のまちを実現したいと考えております。

 

 次に、子どもの権利条約の周知についてでございます。条約の考え方につきましては、これから検討を進めていく本区の条例のもとになるものであるため、この条約の周知をすることも重要であると考えております。妊娠届やかんがるー面接、両親学級などの機会を捉えて母子手帳のページの説明を行うなど、効果的な手法を検討してまいります。

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