区政報告

令和元年第4回定例会 一般質問に立ちました

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1、防災対策について 

はじめに、高齢者等への情報発信の改善について 伺います。

 今回の台風では、特に高齢者等への情報伝達手段について改めて課題が浮き彫りになりました。私の地元の区民活動センターでは、お昼の時点で自主避難されていた3名は全員20歳代の方だったそうです。若い人がしっかりと情報をキャッチしていた一方で高齢者の多くは、区からの情報を得られていませんでした。J:COMの放送や区の広報車で知ったと言っている方もいましたが、J;COMを契約していない方は数多くおり、広報車や防災行政無線のスピーカー音が聞こえない場合に対する不安が募った、という声がありました。

 ①  区は、防災会の代表各2名に対し、緊急情報を電話で伝達する、5coVoiceという自動音声配信システムを導入おり、対象者の拡大を検討していると聞いています。私は、昨年の一般質問でも5coVoiceシステムの対象者拡大について取り上げましたが、改めて現在の登録者と運用状況を伺います。

 人伝えには限界があると感じます。ホームページやSNSを自ら見ることができない高齢者や障害者に対し、直接的に情報発信を行える何らかの手段が必要です。

 我が会派では、ポケベル周波280メガヘルツを使った文字情報を含む「防災ラジオ」を配布することも有効であると考え提案してまいりましたが、その都度「研究する」との答弁でした。

 ②  今年、総務省がまとめた「災害情報伝達手段の整備等に関する手引き」においても、ポケベル周波を使った通信手段については、気密性の高い住宅においても電波を届けやすいため、都市部における有効な災害情報伝達手段 などとして紹介されており、現在、23区でも江東区・豊島区など5区が導入しているとのことです。申請した方への有償貸与でも良いと考えます。先行して導入している他自治体の経費など研究をされた結果と検討状況はいかがでしょうか。伺います。

 ③  また、防災ラジオに切り替える前に、5coVoiceシステムの対象者拡大で登録者を増やすことが可能なのであれば、まずは視覚障がい者に加え、高齢者等の希望者に対して登録を促し、希望者が多くなった場合の拡充策についても検討しておくべきと考えますがいかがでしょうか。伺います。

  

④  いずれにしても、スマホやパソコンなどを使えない高齢者等へ情報伝達手段を真剣に考えてほしいとの区民の声が届いています。

いまこそ区は責任をもって一人も残らず情報伝達できる何らかのツールを用意すべきと考えますが、この点についての区長の見解をお聞かせください。

  

次に、災害弱者の避難について伺います。

 先日、地域の複数の方から福祉避難所について聞かれました。福祉避難所の開設時期や場所・箇所については、二次避難所として地域防災計画の中に明示されておりますが、一般の区民には全くと言っていいほど伝わっていません。

 ⑤  そこで、改めて福祉避難所の定義と中野区の福祉避難所の現状を伺います。

 福祉避難所は、災害の規模によっては殆どの災害弱者は頼ることのできない希少な場所であり、すべての一時避難所においてインクルーシブな避難所とすることが求められます。

 2016年4月の熊本地震の折、熊本学園大学では、建物の一部を障がいのある方のための避難所として開放しました。ここは避難所の指定は無く、事前の備えも乏しかったものの、福祉を教える大学であったこともあり、障害者差別解消法などを大前提に、どんな人も受け入れる避難所として45日間、被災者に寄り添った避難所として運営されました。運営の方針は、「管理はしない、配慮する」としたそうです。管理をしようとすればルールを作ることになり、それを守るためにかえってエネルギーと時間が必要になるため一切規制やルールをつくらず、そこにいる学生やボランティアの人たちがその場その場で考えて行動したことで、様々な個々に合わせた仕事、配慮が自然に生まれ、皆が協力し合った体制ができたというのです。そうした中、この避難所は、多くの全国からの支援や官民連携を経て、発災直後急きょ開設した一時的な福祉避難所にもかかわらず、最後の一人の行先が決まるまでの支援を完結しました。このことから、全国の避難所体制に対し福祉的配慮面での将来課題を提起しています。

 

⑥  こうした、インクルーシブな避難所運営の経験や取り組みについて、中野区としても、避難所運営に係わる方々を中心に勉強する機会を持ち、すべての避難所が災害弱者を受入れ可能な体制をつくるために学んでおくことが必要と考えますがいかがでしょうか。伺います。

 

⑦  また、障害者や母子を受け入れる際は、避難ルームと言われる屋内用テントを避難所にいくつか準備しておくべきと考えます。日赤奉仕団では今年、各分団から各地区町連に、こういったテントが配布されたと聞いていますが、授乳や着替え、また障害者の方たちを優先に利用することができるよう、区としても各避難所にいくつか準備すべきと考えます。また、町会連合会・地域防災会とも使いみちを協議しておくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 

次に母子避難所について伺います。

⑧  産褥期の妊婦や母子は、特別な配慮が必要です。現在、産前産後の母子に特化した福祉避難所はありません。これまでも我が会派として要望してきたことですが、区として早期にまず一か所でも母子避難所を新設し、助産師会などに協力を得て開設手順を検討すべきと考えます。また、そのなかで、妊婦と母子のためのマニュアル作成も検討してはと考えますが、いかがでしょうか。

 

⑨  初産婦の場合は家族や本人ですら、配慮の仕方が分からない場合もあります。避難所における配慮の仕方や、本人・家族の事前の備えなどを記載した妊婦と母子のための防災ハンドブックも作るべきと考えますが、いかがでしょうか。併せて伺います。

 

この項の最後に、都立中野工業高校の建替えと野方1から3丁目の避難所について伺います。

 

⑩  都立中野工業高校の改築事業及び妙正寺側の河川改修に関する説明会が8月に開催され参加しました。

高校の建て替え工事は令和10年度まで、妙正寺川整備事業は令和13年度までかかる予定とのことですが、その間における避難所について、周辺地域から不安の声が聞かれます。この地域は、水害・震災の両面で、区内屈指の災害に弱い地域と考えます。中野工業高校建て替え時において、避難所はどのようになるのでしょうか。地域防災会などに丁寧な説明をすべきと考えますが見解を伺います。

 

⑪  説明会では、高校建て替え後、現在の実習棟の跡地については東京都としては今後使用しない予定と聞きました。この地域は木造密集地域であることから、区としてこの土地を購入し、公園にしてほしいとの声も出たところです。ぜひ防災に資する公園や道路とすべきと考えますが、区としての将来的な展望を伺い、この項の質問を終わります。

  

2、児童虐待防止について  

一つめに、妊娠・出産・子育てトータルケア事業について伺います。

 「子育て先進区」であるならば、一番困難な所に光を当てる先進的な施策、すなわち児童虐待撲滅のための先進的な取り組みを行うことは最重要と考えます。

そのことからこれまでも、児童虐待が一番多いとされる産後直後の母親を支える事業の充実を求めてまいりました。

 

⑫  核家族が多く、孤立しがちな現代においては、誰もが産後うつや児童虐待に陥る可能性があることから、中野区の産後ケアについては、心配があると言った人は誰でも受けられるという制度設計になっています。他区ではまだまだ要支援・ハイリスク者に限定した施策になっており、この点が近隣区からもうらやまれています。さらに、家庭に入って母子をケアする専門家の派遣事業があるということも虐待の芽を摘む最大の強みです。こうした、他自治体に誇れる先進的な制度が中野区の産後ケアと考えますが、

そのことを酒井区長自身がどのように認識されているのか、またこの事業の拡充についてどう考えられているのかお考えをお示しください。

 

トータルケア事業における、多胎児の支援について伺います。

多胎児家庭では、虐待死の発生頻度が単胎児の家庭に比べ、4倍にも上ると言われています。昨年1月の愛知県豊田市での三つ子の次男虐待死事件では、市の検証委員会が「多胎児支援の重要性が認識されていなかった」と総括しました。事件後、市は多胎児家庭には月1回保健師が訪問する体制を敷き対応を強化したそうです。

これまで我が会派は、産後ケアの多胎児、未熟児、障害児の支援を拡充するよう提案し、時間延長などの拡充もされてきたところですが、多胎児についてはまだまだ支援が必要です。

⑬産後ケアを受ける際の移動に係る支援をするなど、多胎児支援の拡充をすべきと考えますが見解を伺います。

⑭また、産後ケア事業は、まだまだ必要なところに届いていないという声が聞かれます。これまでも面接時の説明の強化を求め、期待しているところですが、産後ケア利用者アンケートは継続的に行っているのでしょうか。継続的に利用者の声を聴き、それを分かりやすく公表すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 

次に、児童相談所設置準備について伺います。

令和3年度からの児童相談所設置まであと1年4ヶ月となりました。

⑮現状、職員の育成・研修の状況はどうなっているのでしょうか。職員が研修や視察で最新の知見を学ぶことが非常に大事と考えます。毎年行われている虐待防止学会大会等への参加や先進自治体の視察なども積極的に行うべきです。こうした職員の研修に一層力を入れるべきと思いますが見解を伺います。

 

この項の最後に、児童虐待の中で近年増えている両親の面前DVなどの被害に対する対応について伺います。

夫による妻へのDVにより、子どもが虐待され、妻が自立したくても経済的な理由等で結局は夫と生活し、結果、深刻な事件に発展するケースがあります。

母子を分離しない場合にはシェルターへの措置もありますが、施設という場所から普通の生活へ戻った際に失敗し、また同じような状態を繰り返すこともあります。

先般、長崎県「こども・女性・障害者支援センター」を視察しました。ここでは、県の児相がNPO法人に委託して、一時保護所等を退所した被害者に県が提供するステップハウスなど住まいの確保や職探し、子どもの心理的ケアなど、自立支援を行っています。

母親の自立支援を行いながら、母子ともに地域の中で住み続けられる切れ目ない支援のメニューや再発防止の施策を整備しておくことは重要と考えますが、DV被害の母子に対する中野区の自立支援の現状と、今後の施策を伺い、この項の質問を終わります。

  

3、地域包括ケアシステムについて  

はじめに、在宅介護における隙間の支援について伺います。

 地域包括ケアを進めるにあたり、家族が離職せずに在宅介護を続けるにはサービスの隙間を埋める支援を充実させなければなりません。そこで、3つの角度から伺います。

まず、1つ目に、住宅の改修や福祉用具についてです。

現状、がんや難病に罹患していて住宅に手すりをつける必要があっても、65歳未満で重篤でない場合は、介護認定が受けらず、自費で改修、購入せざるを得ません。

渋谷区では、年齢や病気の条件なしで住まいの改修工事について助成制度があります。

また、賃貸住宅は改修ができず困ることもありますが、福祉用具には賃貸住宅でも使用可能な突っ張り式の手すりがあり、こうしたものを活用して一定の支援ができると考えます。さらに、シルバーカーや車いすなど、歩行補助のための福祉用具について、病状回復・維持のために介護や障害の認定にかかわらずレンタルできるサービスを拡充すべきです。

⑰このような、在宅介護のための住まいの環境整備について、区は具体的な考えを示し、介護保険 法外の制度も構築すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。

 

 2つ目に、介護保険制度の同一日の重複利用についてです。現行の制度では同一日にショートステイとリハビリなどの保険サービスを重複して利用することができません。例えばショートステイでは、デイサービスで行うような催しやリハビリなどはほとんど展開されていません。家族のレスパイトケアのためにはショートステイ事業は重要ですが、本人にとっては自由が奪われるだけの退屈な時間となり、リハビリがないために筋力が著しく低下して戻ってきます。また、ショートステイから帰った日にリハビリサービス等を利用することはできないため、リハビリ空白期間がさらに長くなってしまい、家族にとってその後の介護に負担が生じることさえあります。

 ⑱家族のレスパイトと本人の楽しみ・体力維持を両立できる仕組みを早急に検討すべきと考えますが見解をお伺います。

 

3つ目に、理美容サービスについて伺います。

介護状態の高齢者にとって理美容は重要なケアであると考えます。身なりを綺麗にすることで、たとえ認知症を患っている人であっても心が前向きになり、その効果は絶大です。今後の高齢化により需要も大きく伸びていくものと思われます。

現在、中野区では独自事業として、環境衛生組合との協定により、組合員である理美容院の訪問サービスについて、出張・サービス費用4,500円のうち3,000円を区が負担し、利用者が1,500円を負担することで要介護3以上の方への助成制度として実施しています。

この訪問理美容制度については各区によってさまざまです。杉並区では、要介護1以上の外出困難な方を対象として、訪問出張費3,000円のうち、利用者は所得に応じて無料から640円負担とし、残りを区が負担。施術代金は利用者が負担ですが、その店舗によって施術代金が異なっても良いということと、協定組合と加盟店舗が多いため、毎年、年間800から900件の利用がされているそうです。

 ⑲中野区では介護保険特別会計の特別給付費から予算取りをしていますが、本制度の実績はどのくらいでしょうか。

⑳在宅ケアの重要なサービスとして、さらに利用しやすい制度への改善を検討してはいかがでしょうか。また、訪問型だけでなく、車いすなどでもサービスを受けられるバリアフリーの店舗が増えることも必要です。現在は選択肢が少なく、苦労されている方も多いと思います。要介護者対応型の理美容院を増やすための支援を創設することも重要と考えますがいかがでしょうか。伺います。

 

①  以上、代表的な3点にわたりお聞きしましたが、このほかにも課題があり、在宅で看取りまで介護をする体制にはまだまだ制度の隙間があります。このような視点からも区の施策を検討すべきと考えますが、ご見解を伺います。

次に、障害者の地域包括ケアシステムについて伺います。

障害者の支援のために、これまで区は、4つのすこやか福祉センターの中にひとつずつの障害者相談支援事業所を置いてきました。

 第3回定例会において、将来的にすこやか福祉センターを5か所にとの方針が示されましたが、障害者相談支援事業所については、2021年に地球温暖化オフィスの施設跡に1か所、2023年度開設予定の新たな鍋横区民活動センターの同施設内に1か所増やすという計画が出されています。

②  そうなると、都合6カ所の障害者相談支援事業所が設置されるということになりますが、いくつまで増やす予定なのでしょうか。将来的に、地域包括支援センターと併設して同数にしようとされているのでしょうか。

 現在ですら、専門人材の確保が難しく委託事業を請負う法人が少ない障害者の事業所について、しっかりとした相談支援を行うためには、窓口業務を含めた現在のような事業所について数だけ増やすよりも、まずは基幹相談支援センターの機能強化が優先すべきと考えます。

 現状、障害福祉課が担っている基幹相談支援センターは、専門人材が特定の職員だけとなっており、後継者問題が課題となっていると感じます。

 ③  地域の資源ともいえる民間の障害福祉法人を最大限活用しつつ基幹相談支援センターが国の法改正などに対応しながら委託事業者に指示・助言を行い、総合的なかじ取りを行なうことで、かえってサービスの質を高めることができるのではないでしょうか。財政的観点からも効率的な仕組みを検討すべきではないでしょうか。見解を伺います。

 

この項の最後に、子どもの地域包括ケアについて伺います。

 10月7日の子ども文教委員会では、概要、高齢者向けの取組の検証を踏まえつつ、子どもと子育て家庭を対象とした地域包括ケアシステムを構築すること、また、新たな児童館は、職員によるアウトリーチ活動の拠点とすること、そして、中学校区ごとに、地域での子育て支援活動の拠点として新たな児童館を設置する。との考え方が報告されました。

 

④  児童館の職員がアウトリーチにより見守りを行い、支援が必要な人を発見し、サービスにつなげていく、ということですが、これまでのすこやか福祉センターの地域子育て支援担当との棲み分けや連携はどのようになるのでしょうか。併せて、児童館のアウトリーチは何を目指すのか、について伺います。

 

子どもの包括ケアは、高齢者等のそれと根本的に違い、個人のプランを立てるケアマネや支援員などがいません。

年齢や障害の有無などに応じ支援機関がありますが、それぞれがどんなサービスをしているのかが見える化され、つながりあっていくことが重要と考えます。そのためのコーディネーターは誰なのか、ということがいまだ見えていません。

それが児童館職員によるアウトリーチとなるのでしょうか。そうであれば、新たな児童館が設置されるまで、子どもの地域包括ケアは進むのかどうか、疑問になりました。

地域を知り、地域資源を育て、不足する隙間の施策を提案もできる力を持つ職員が最前線にいることで、こどもの地域包括ケアが進むと考えます。

 

⑤  すべての子どもが家庭で地域で、すこやかな成長ができるよう、孤立を防いでいくことが重要です。改めて、子どもの地域包括ケアシステムはいつまでにどのように構築される考えなのか、伺ってこの項の質問を終わります。

 

4番目に、持続可能な開発のための教育(ESD)について 伺います。 

AIの進化などにより、いまの子どもたちが大人になる頃には今ある職業の半分がなくなるかもしれないという変化の速い時代にあって、昔と違い、一方通行の、読み書き知識を得るためだけの教育ではなく、どうしたら社会課題を解決できるのかという「考える力」や人に伝える「表現力」などが教育の中でも重要視される時代となりました。

そしていま、持続可能な世界をつくるための教育であるESDに注目と期待が寄せられています。

私は、ESDの先進的な実践校である江東区立八名川小学校の手島利夫元校長が出版した、「学校発・ESDの学び」という本を読みました。

 ⑥  ESDは、世界共通の持続可能な開発目標であるSDGsの創り手、担い手を育てる教育とも言われていますが、このESDとは具体的にどんな教育なのでしょうか。伺います。

 ⑦  また、中野区では初めて中野本郷小学校が今年度から2年間、研究校として取り組んでいると聞きました。今後、中野本郷小学校での成果を広く周知すべきと考えますが、現在の取り組み状況についてお伺いいたします。

⑧  平成29年から改訂となっている新・学習指導要領には、新たに「持続可能な社会の作り手を育成する」ということが理念として盛り込まれたと聞いていますが、まずは教員側の取り組みが重要と考えます。例えば分野の違う授業をつなげるのに効果的と言われるESDカレンダーというツールがあるとも聞いていますが、効果的なツールを活用し、先進事例にも学びながら、SDGsにつながっている課題や成果を見える化して取り組みを進めてはいかがでしょうか。

 

今の子どもたちに、私たちの地球を持続可能にする平和な社会を築いてもらうために、このESD教育を通し、教職員が一体となって人材育成に取り組んでいただくことを期待し、私のすべての質問を終わります。