区政報告

⑯平成31年第1回定例会 予算特別委員会総括質疑 (2019.2.26)

平成31年度(令和元年度)予算 総括質疑  2019年2月21日

〇甲田委員 平成31年予算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場で総括質疑をさせていただきます。

 質問は通告のとおりで、その他はありません。

 最初に、平成31年予算案について、(1)子育て支援について伺います。

 まず、今回の予算案において、子ども教育費に対する歳出予算は約537億円と、前年の約451億円に対して約86億円の増額となりました。このような子育て支援の前進の方向性については大いに賛同するところもありますが、その主な要因としては、学校体育館の冷房化などの学校施設の維持管理補修や施設整備及び学校再編に伴う学校施設の整備保全などで90億円近くふえています。

 また、細かく見ていくと、新規事業が多く、当然のことながら、目標に向かって筋の通った施策展開をしていただくことが大切です。ただ単に、こんなにたくさんのメニューがそろっているから子育て世代に選ばれる区に近づいたなどということであってはならず、特に福祉サービスの施策においては、各関係部署並びに携わる職員が目指すべき目標や効果の検証についてしっかりと共有をして、効果を発揮していただくよう進めていただかなければならないと思っています。その意味で、メニューが目立つことよりも中身が大事なのであり、どのような内容の施策なのか、ここでは4点に絞って確認をさせていただきたいと思います。

 1点目に、妊娠・出産・子育てトータルケア事業について、2点目に、児童相談所設置に向けた準備について、3点目に、子ども・子育て家庭への実態調査について、4点目に、SNSを活用した相談・支援体制について伺います。

 まず、妊娠・出産・子育てトータルケア事業についてですが、12月に出されました平成31年度予算で検討中の主な取り組み案についての中で、子育て先進区に向けた取り組みの1番に記載されていました新規事業である産前産後家事支援事業について伺います。

 この事業の目的は何ですか。また、対象者、内容の詳細を伺います。

 

〇伊東地域支えあい推進室副参事(中部すこやか福祉センター地域ケア担当) 産前産後の家事支援事業の目的、対象者、事業内容等でございますが、妊娠中または産後におきまして、家族等からの援助が受けられず、かつ体調不良等のために日常の家事を行うことができない対象者に対しまして、家事支援者を派遣しまして、家事、育児の支援を行うことによりまして、妊産婦の健康回復と子育てを支援することを目的とするものでございます。

 家事支援の内容でございますが、食事の準備、後片づけ、衣類の洗濯、部屋の掃除、生活必需品の買い物、健診等の付き添い、乳児の兄弟の世話や保育園等の送迎などでございます。

 利用期間は産前及び産後6カ月でございます。

〇甲田委員 次に、この事業はどのような事業者が実施するのでしょうか。また、利用時間の上限と利用者の負担額はどうなっておりますか。

 

〇伊東地域支えあい推進室副参事(中部すこやか福祉センター地域ケア担当) この新規事業でございますが、助産師、保健師、看護師といった専門職ですとか、あと育児に関する知識を有し、妊産婦の支援に関する講座や研修を受講した者を家事支援者として配置することができる事業者に委託をして実施するものでございます。

 利用は、1回につき1時間以上としまして、妊産婦1人当たり34時間を限度といたします。

 なお、多胎児ですとか、兄弟のいる場合は時間数を加算いたします。

 利用者の負担額でございますが、1時間当たり1,000円を予定してございます。なお、早朝夜間の加算がございます。住民税非課税世帯等につきましては、利用者負担は免除といたします。

〇甲田委員 わかりました。この事業の委託経費として576万円余の予算がついておりますが、利用人数と利用時間はどのように見込まれているのでしょうか。また、財源はどのようになっていますか。

 

〇伊東地域支えあい推進室副参事(中部すこやか福祉センター地域ケア担当) 利用する妊産婦の人数でございますが、おおむね130から140名程度を見込んでございます。そのうち、多胎児出産は数人程度。上の子がいる産婦は50人程度を想定してございます。

 財源でございますが、利用者負担金のほか、養育支援訪問事業の補助金を活用いたします。補助金の補助率は、国と都がそれぞれ3分の1ずつでございます。

〇甲田委員 国と東京都で3分の2の補助が区としては見込めるということですね。それであれば使わない手はないのかなと思います。

 ただ、気をつけていただきたいのは、この事業は全くの新規ではなくて、養育支援ヘルパーという形で、これまでも要支援の家庭に対する支援としてメニューはあったものであります。しかし、なかなか継続的に使われなかったため、かなり削って、産後ケア事業のほうへ移行した経緯があったかと思います。

 その産後ケア事業には、ケア支援者派遣という事業があります。こちらはより産褥期(さんじょくき)、産後の専門的な支援者が家庭に入り、母子のサポートをするものですが、これを含めた産後ケア事業は、財源として、平成29年度まで都から出ていた補助が平成30年度にはかなり削られてしまいました。これは平成29年度と平成30年度の歳入説明に記載されていますので、内訳を申し上げますと、利用者支援事業が3分の1から6分の1に、産後ケア事業が10分の10から2分の1に、産前産後サポート事業が10分の10から2分の1に、これだけで1,500万円近く削られております。

 昨年の予算審議の際、私は厚生分科会においてこのことを確認し、いかに都の補助が減ったとしても、産後ケア事業のニーズは確実にふえているため、一般財源を入れてでも工夫をして継続をしていただければ、拡充をしていただきたいと申し上げました。

 また、家事支援については、産後ケアのケア支援者派遣事業の中でも必要性を再三訴えてきました。家事をしながら子育てのアドバイスをしてくれる専門家が求められており、そういう存在がいることで、産後うつの防止になると言われているからであります。

 中野区の子育てトータルケア事業のすばらしいところは、予防という観点で、対象者の範囲が広いことであります。希望すれば誰でも受けられるということが大変に喜ばれております。

 一方、今回の家事支援事業の場合、対象者については希望制ではなく、区が援助を受けられていなく、体調不良と一定の判断を下した方のみサービスを受けられる、要するに手挙げ式ではなく、要支援、ハイリスクのための支援ということで、利用者が使いたいと思うだけでは使えないものであります。すなわち、産後ケア事業とは入り口が違うということです。

 そこで、伺いますが、家事支援事業を受けるためには、どの時点でどのようにそれを見きわめていただくのでしょうか。

 

〇伊東地域支えあい推進室副参事(中部すこやか福祉センター地域ケア担当) この事業でございますが、まず妊娠20週以降に実施をしておりますかんがるー面接、この面接におきまして、利用要件の1つであります家族等からの支援が受けられるかどうか、この確認を行います。支援が受けられる状況にないと判断した場合に、今後、その体調不良となったときに利用するためのまず仮登録を行っていただきます。この仮登録をした方は、体調不良によって、家事支援ができなくなった場合に利用申請をしていただくことになります。

 なお、仮登録された方が、例えば出産して一定の期間を過ぎても利用申請が区の方にない場合、この場合は区が仮登録者に電話等で確認をしまして、日常の家事はしっかりできているかどうか、体調不良により家事ができなくなってはいないか、そういったことを確認するなど、確実にフォローを行っていく考えでございます。

〇甲田委員 仮登録をしておいて、体調不良かどうかを確認するということで、確認するという作業は本当に大変だと思いますけれども、そこをやるんだということですから、ぜひ確実に、また柔軟に対応していただければと思います。

 仮登録をして、体調不良を確定しなければならないということですから、利用者にとって、産後ケアのケア支援者派遣のほうは希望すれば使えるもの、家事支援事業については、区のアセスメントがあった上で支援するものということで、この二つはすみ分けされた別事業という位置付けと考えます。

 ただ、どちらもトータルケア事業として後退のないように取り組んでいただければと思います。

 次に、今回の予算では、新たに産後ケア事業に兄弟の預かり、一時保育も追加をされました。せっかく産後ケアのサービスがあっても、上の子がいると、その子を預ける先がなくてサービスを受けられないという、区民からのお声を何人からもお聞きしましたので、要望させていただきましたが、この事業はどのような仕組み、支援になりますか。

 

〇伊東地域支えあい推進室副参事(中部すこやか福祉センター地域ケア担当) この産後ケア事業のデイケアにつきましては、2カ所のすこやか福祉センター及び5カ所の助産院ですとか病院で実施してございます。このうち、来年度は2カ所のすこやか福祉センターにおきまして、このデイケアで兄弟の預かり、一時保育を行うというものでございます。

〇甲田委員 2カ所のすこやか福祉センターで行うデイケアのみということで、まだ十分とは言えませんが、まずは一歩前進で、実施に向けて取り組まれたことを評価したいと思います。

 今後、全サービスにおいて公平に上の子の預かりができるよう仕組みを検討していただき、一歩ずつでも前進していただくことを期待いたします。

 トータルケア事業の源となるかんがるープラン面接についてお伺いします。

 プラン作成の面接は、現状、全体の何%の方が受けていますでしょうか。平成27年の10月から始まった事業ですので、平成28年、平成29年度についてお答えください。

 

〇伊東地域支えあい推進室副参事(中部すこやか福祉センター地域ケア担当) まず、平成28年度でございますが、約70%、平成29年度は約73%でございます。

〇甲田委員 2割以上の方がまだ受けられていないということで、一番大事なのは、かんがるー面接に来られなかった、来なかった人たちであり、パーセントだけでは実態はつかめません。大事なのは、面接に来なかった本人がどうなっているのか、転入転出の把握も必要だろうと思います。それについては、そういった方々については、こんにちは赤ちゃん訪問などを通じて、把握、支援は行われているのでしょうか。

 

〇伊東地域支えあい推進室副参事(中部すこやか福祉センター地域ケア担当) こんにちは赤ちゃん訪問でございますが、出産後、おおむね1カ月から2カ月の間の時期に助産師ですとか看護師などの専門職が御自宅を訪問しまして、赤ちゃんの発育状況ですとか健康状態、そしてお母さんの健康や子育ての相談等に応じてございまして、このかんがるー面接を実施しなかった方につきましても、出産後のフォローを行ってございます。

 なお、里帰りなどでこの期間中に訪問ができなかった場合につきましては、3、4カ月児を対象とした乳児健康診査、こちらにおきまして、赤ちゃんやお母さんの状況を確認してございます。

 乳児健康診査を受診されなかった方には、再度受診を勧奨いたしますが、それでも受診されない方もいらっしゃいますので、そういった場合には区の保健師が家庭訪問を行うなどしまして、確実にフォローを行っているところでございます。

〇甲田委員 確実にフォローしていただきたいと思います。その上で、やはりかんがるープラン面接が本当に大切です。この面談で、特に産後ケアの詳しい説明がなかったと言われる方がよくおります。御担当にお聞きすると、しっかり説明しているはずだと言うのですが、どうも食い違っています。妊娠20週程度で面談をしているということや、出産前と後とでは意識が違って、説明されていてもよくわかっていないということもあります。現状把握に努め、わかりやすい媒体を考えていただき、産後になってからも、必要な方にきちんと支援が行き届くよう、さらなる改善が必要と思われます。

 産後ケア事業も家事支援事業も、産後うつや虐待の芽を摘むという意味では大事な事業となると思います。現代の環境は、誰もが産後うつや育児ノイローゼになる可能性があります。区としては、これらの事業は産後うつや児童虐待防止のために推進しているのだということを肝に銘じて推進をしていただきたいと思いますが、見解を伺います。

 

〇伊東地域支えあい推進室副参事(中部すこやか福祉センター地域ケア担当) 妊娠・出産・子育てトータルケアの目的は、妊婦とその御家族が安心して赤ちゃんを迎えられるよう、そして安心して子育てができるよう、さまざまな取り組みを行うことによりまして、子育ての孤立感や不安感の解消を図り、産後うつや児童虐待予防することを目的としているものでございます。したがいまして、今後とも産前サポート事業、産後ケア事業、そして来年度から実施をいたします産前産後家事支援事業を含めたトータルケア事業全体にしっかり取り組んでいき、誰もが安心して出産や子育てを行うことができる環境を整えていきたいと考えてございます。

〇甲田委員 手厚い支援のある6カ月間、こういったサービスを受けたとしても、その後に支援が切れてしまい、孤独でうつ状態になる方もおります。切れ目のない支援ということを本気で意識したときに、制度で救えた人、または制度で救えなかった人の事例をしっかりと研究をし、共有をしていただきたいことをお願いし、次の項に移ります。

 次に、児童相談所設置に向けた準備について伺います。

 目黒区の事件や野田市の事件は本当に痛ましく、これをきっかけにさまざまな議論が進んでおりますが、虐待相談件数は近年、異常なほどのふえ方で右肩上がりであり、こういった事件は氷山の一角と言っても過言ではないと考えています。こういった事例を未然に防ぐためには、ますます先ほど質疑をしました妊娠期からの切れ目のない支援が重要であることを感じますが、その制度のすき間に落ちる人をすぐにゼロにするには難しい状況でもあり、一人ひとりの区民の意識の向上、関係機関との連携、人材育成も進めていかなければなりません。

 ここでは、いよいよ2年後に迫る児童相談所の設置に向けて、児童福祉士等の人材育成のための来年度の取り組みをお聞きしたいと思います。

 他自治体への人材派遣を予定されているということですが、その現状と予定をお聞かせください。

 

〇神谷子ども教育部、教育委員会事務局副参事(児童相談所設置準備担当) 2019年度の他自治体への派遣につきましては、児童福祉士5名、児童心理士3名、一時保護所3名、管理職1名の計12名で、派遣先といたしましては、東京都及び他都市も含めて予定しているところでございます。

〇甲田委員 12名派遣をして人材育成をしていくということであります。一時保護所の設置詳細も決まり、過日委員会での報告もありました。虐待予防の観点から、私は、随分以前より里親さんを中心として子育て支援の担い手をふやす取り組みに力を入れるべきと何度も訴えてまいりました。その結果、里親さんとの協力家庭による子どもショートステイ事業も今年度からですか、始まり、来年度も引き続きしっかり進めると区長の所信表明にもありました。

 この協力家庭の子どもショートステイの現状と、今後、協力家庭をどのようにふやし、周知を行っていくのか、お聞かせください。

〇古川子ども家庭支援センター所長 本年度より新設した協力家庭による子どもショートステイは、子どもを安心して預けることができる環境の拡充とともに、宿泊を伴う子どもの預かり経験を通して、協力家庭から里親になるといったステップアップに向けた環境整備としても位置付けている事業でございます。昨年10月から事業を開始いたしまして、登録家庭数は、申請予定も含めまして今5家庭程度でございますが、現段階では、実際の利用はない状態でございます。

 これまでも区報やホームページでの一般的なPRに加えまして、里親やファミリーサポート協力会員等子育て支援に関する方々を対象に募集の案内を行っているところでございますけれども、今後はすこやか福祉センター等、より身近な単位できめ細かい周知を進めるとともに、利用要件の整理を行うなど、事業の活用に向けて努めてまいりたいと考えてございます。

〇甲田委員 区報にも載りまして、こういった事業があるということはすばらしいと言っている区民の方もおられました。まずは、実際に利用したというマッチング事例をつくっていただくことが大事だと思います。柔軟な対応と努力でしっかりと進めていただきたいと要望して、次の項に移ります。

 次に、子ども・子育て家庭への実態調査について伺います。

 この今回の調査には2,900万円余という、かなり大きな予算がついておりますが、調査の対象者の詳細と、何のためにやる調査なのか、目的をお聞かせください。

 

○高橋子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 今回の実施する調査の対象でございますが、0歳から14歳の子どもの保護者並びに小学校4年生から中学校3年生の児童・生徒を対象としてございます。各年齢に対して1,250件、合計2万6,250件の調査発送を予定してございます。

 目的でございますが、子どもと子育て家庭の貧困を含む生活実態を適切に把握しまして、より効果的な子育て支援策を推進することを目的としてございます。

〇甲田委員 2万6,250件ということで、これに2,900万円余という――郵送費というものもちょっと計算してみたんですが、多分1,000万円にもならないと思いますので、かなり高額な調査予算だと思っています。

 私は、以前から質問の中で、子どもの貧困やひとり親家庭に対する施策を見える化し、子育て支援の担い手の方々へ共有とコーディネートできる人をしっかりと配置していくべきと訴えてきました。中野の子どもを中野のみんなで育て、誰一人取り残さないための子ども版の地域包括ケアシステムを構築していくことが大切であります。

 東京都で行った貧困実態調査もありますので、貧困率の実態は、おおよそつかめていると思います。なので、調査をするのであれば、もう一歩深く、ぜひ貧困の連鎖を断ち切る施策、児童虐待の未然防止に資する施策になるよう、そういったことに主眼を置いた調査にしてもらいたいと考えますが、いかがでしょうか。

 

○高橋子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 区で実施する実態調査でございますが、5年ごとに継続して実施することを予定してございます。そのことによりまして、区としては経年の変化も把握しまして、実施している事業の効果検証、またその効果検証に基づく施策の整理改善、新たなニーズに対応するための対策を検討するための基礎資料として活用していきたいと考えてございます。

 貧困の連鎖、虐待の未然防止ということにつきましては、傾向をつかむこと、今回の調査でしていきたいと思いますが、アンケート調査、無記名ということの設計でございますので、今回の調査だけで直接の状況把握までは難しいというふうに考えてございます。

〇甲田委員 そうですね、アンケートのたくさんの設問にしっかりと答えることができるという人は、健常な人である場合が多く、アンケートが回収できる人よりも、できない人のほうが心配であるなと考えます。子どもや保護者へのアンケートだけではなく、支援者へのアンケートも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 

○高橋子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) アンケート形式の生活実態調査の実施にあわせまして、子育て支援にかかわる活動団体や相談支援機関などに対する聞き取りによる実態把握も行いまして、施策検討のための基礎資料としていきたいと考えてございます。

〇甲田委員 高齢者の調査では、介護のケアマネに回答を求めるということもあるように、困難度の高い人に寄り添っている人、支援の必要な家庭において実態を知る支援者への調査こそ、実態が見えてくるものと思いますので、しっかりと進めていただきたいと思います。

 次に、SNSを活用した相談・支援体制について伺います。

 今回、子ども教育費の中でSNSアプリを活用した相談・支援を行うとしています。SNSの相談体制については、我が会派から何度も要望させていただいたものであり、この施策については歓迎したいと思います。

 平成29年の総務省の調べによると、10代の若者の1日のインターネット利用時間の中でウェブが17分、メールが17.8分、SNSが54分とSNSが断トツに多くなっています。20代のコミュニケーション時間も、やはりSNSが断トツで、電話での音声通話はほとんどない状況です。

 長野県のLINEによる相談事業の開始を受け、東京都でも昨年試行的にLINE相談が始まりました。改めて伺いますが、これまで中野区では、小・中学校の教育相談や児童・生徒を対象とした電話相談、子ども110当番を行ってきましたが、その課題は何だったのでしょうか。

〇宮崎教育委員会事務局指導室長 児童・生徒の中には、直接面談をしたり電話で話したりすることに抵抗のある子どももいます。また、電話相談の時間でございますが、平日の9時から17時までに限られており、留守番電話による都の相談機関へのあっせんはあるものの、夜間や休日に十分対応できていない面もございました。

〇甲田委員 そういった課題を見て、教育委員会では、来年度に向けてSNSを活用した相談・支援体制を構築しようとしているとのことですが、この概要はどのようなものでしょうか、伺います。

〇宮崎教育委員会事務局指導室長 区立中学校生を対象に、平日の17時から22時まで、SNSのアプリを活用した相談窓口の開設を計画しているところでございます。

〇甲田委員 そのSNSを活用した相談・支援はどのような目的や効果を狙って始めるのでしょうか、伺います。

〇宮崎教育委員会事務局指導室長 さまざまな状況にある児童・生徒が多様な相談窓口、手段から自分の状況に合ったものを選べるようにし、個々の問題解決につなげていくことが目的でございます。特に、今回のSNSを活用した相談では、直接面談したり電話で話したりすることに抵抗のある生徒でも、気軽に相談できることや、夜間でも相談できる環境を整えることを目指しております。

〇甲田委員 今までカバーできなかった夜間の5時間ということで、これ金額的にはお安いのかなと思いますが、緊急性のあるものから話し相手といったものまで、さまざまに対応しなければならず、それが深刻なものであれば、きちんとキャッチをして、適切に対応しなければなりません。状況に合わせて対応がしっかりと行えるような体制確保にも努めつつ、効果があらわれる取り組みをぜひお願いしたいと思います。この項の質問を終わります。

 

次に、(2)木造住宅密集地域の不燃化、耐震化について伺います。

 木造住宅密集地域の中でも、特に旧耐震基準の住宅棟数が多く、危険度の高い大和町、弥生町、野方、上高田、南台、新井などの地域において、早期に改善が図られることを念願しておりますが、区はこれまで原則建て替えを促進し、地域の不燃化による耐震化を進めてきました。

 昨年、第4回定例会の一般質問で、方向性をさまざま確認させていただきましたが、このような狭隘道路の多い地域においては、防災上重要な道路のネットワークを確保するために、建て替えの促進が優先されることは重要です。しかしながら、この一般質問の答弁で、建て替えが困難な場合は、建築物の倒壊による道路閉塞を防ぎ、円滑な避難や消火・救援活動の空間確保を図り、人的被害の軽減、市街地火災の延焼拡大を防止する観点から、住宅の耐震改修に対する支援も検討していきたいと答弁されました。

 一方、国や東京都の補助制度を最大限活用し、例えば生活道路拡幅整備事業とブロック塀除却事業、家具転倒防止器具の取りつけなどの具体的な支援をパッケージ化し、耐震化への総合的な取り組みをするとの答弁もあったところです。これまでは、これらの木密地域における建て替え助成は40万円とスズメの涙ほどでした。それでも、23区ではほかにない助成金だったようですが、改めて確認をさせていただきます。

 木密地域内における建て替え状況の実績と、それを踏まえての課題は何だったのか、伺います。

 

〇小山内都市基盤部副参事(建築担当) 過去5年の範囲で整備地域内の建て替え動向について調査したところ、該当する旧耐震住宅のおおむね11%から19%が建て替えられているということがわかっております。例えば、高い地域では、上高田一丁目から三丁目の区域、こちらが約19%、低いところでも新井一丁目から四丁目の約11%であります。また、大和町については16%の、この5年間の実績となっているところでございます。

 また、一般耐震診断を受けて実際に建て替えに至る建物の数よりも、相続による売却や、老朽化による建て替えの傾向のほうが強いということも、実態として把握しているところでございます。また、耐震診断を受けた建物の所有者の多くは高齢世帯の方も多く、整備地域内での建て替えはコスト高になるということが負担になるということを感じていらっしゃる方も多いのではないかというふうに考えているところでございます。

〇甲田委員 先日、2月6日の建設委員会で、耐震化促進に向けた取り組みについて報告をされ、今後、新たな住宅耐震化促進事業を構築し、東京都の助成制度を活用する上で基本的指針となる計画を策定し、アクションプログラムを都知事に通達、承認され次第、要綱を一部改定し、新年度事業が開始されるとしています。

 このアクションプログラム案によれば、緊急耐震重点区域内において、木造住宅の建て替え助成金額を引き上げ、さらに除却費用の支援、非木造住宅の対象拡大と除却または建て替え助成費用の選択性及び補強設計、補強工事費用の助成が盛り込まれています。さらに、ブロック塀の除却支援及び家具転倒防止器具の取りつけ事業の拡充、緊急輸送道路沿道建築物に対する建築主の制限要件の撤廃、普及啓発活動を実施予定となっております。

 そこで、今回の予算案を見ると、耐震化促進の拡充事業として、木造住宅建て替え除却助成(整備地域)として2,400万円、非木造住宅耐震診断除却助成に3,250万円が計上されておりますが、今回拡充事業の概要はどのように考えているのでしょうか。

 

〇小山内都市基盤部副参事(建築担当) 今回の拡充は、不燃化促進事業や不燃化特区の指定区域外の整備地域内と防火地域に対するものでございます。これまでは40万円の建て替えのみを助成としてきましたが、メニューに除却支援事業を加え、どちらかを選択できることとしたものでございます。

 建て替え助成の基準につきましては、防火地域内の場合は基準算定額の6分の5、かつ400万円以内、防火地域外の整備地域内については基準算定額の3分の2、かつ250万円以内で設定しております。

 なお、除却支援事業についても同等の基準で考えているところでございます。

〇甲田委員 大幅な拡充ということで、これは評価したいと思いますが、例えば建て替えの上限いっぱいの助成を申請するとするならば、この予算では10棟にも満たないということになりまして、少な過ぎる感もありますが、周知などに努め、しっかりと推進をお願いしたいと思います。

 この周知、普及啓発の方法についてはどのように考えていますでしょうか。

 

〇小山内都市基盤部副参事(建築担当) 御指摘のとおり、平成31年度は初年度ということもあり、これまでの実績を踏まえた予算規模となっておりますが、区内全域への普及啓発の取り組みが今後東京都の補助金活用の条件になっていることから、制度の拡充や新たな制度設計の進捗状況についてホームページに公開するとともに、区報の臨時特集号などでの広報を予定しているところでございます。

 9月には、区内の事業者団体である耐震協議会による耐震フォーラムの実施を予定し、それに合わせた形で区内全戸配布のチラシを再度投函する予定でございます。

〇甲田委員 チラシをつくるということですけれども、例えば杉並区では、地震災害の際に必要なことや備えについて、とても見やすくわかりやすいパンフレットをつくっております。その中に家具の固定に関することや、耐震診断や改修などについての助成金申請などをイラスト入りでつくっておりまして、高齢者などでもわかりやすいものだなと思いました。どうせつくるのなら、そういったものを参考にして作成をお願いしたいと思います。

 そしてまた確認ですが、来年度については、住宅の耐震改修に対する支援は見送られたということでよろしいのでしょうか。

 

〇小山内都市基盤部副参事(建築担当) 整備地域内の耐震化事業につきましては、原則建て替えとしているというところで考えております。しかしながら、事情に応じて、なかなか建て替えが進められないというような事情がある方もいるということは把握しております。そのため、事情に応じて耐震補強が可能な方法を検討していくことも必要ではないかというふうに考えております。そして、整備地域外に対する助成事業も、今後、東京都の方向転換によって助成事業も同時に実施できるようになっていることから、中野区全域を同時に実施できるようにしたいということで、平成32年度を目標に制度の構築を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

〇甲田委員 我が会派は、地域特性を踏まえた上で、不燃化、建て替えなどを効果的に進めていく必要があると訴えてまいりました。地域によって、整備地域とか防火地域となっていないところ、支援がないところについての耐震改修は促進できるよう検討を進めていただければと思っております。

 昨年の質問に対する答弁では、生活道路拡幅整備事業とブロック塀除却事業、家具転倒防止器具の取りつけなどの具体的な支援をパッケージ化し、区民が利用しやすい制度に見直し、積極的な支援策を検討してまいりますともお答えがありましたが、検討状況はいかがでしょうか。今後の課題とあわせてお答えください。

 

〇小山内都市基盤部副参事(建築担当) 平成31年度につきまして、中野区全域を対象とするブロック塀調査を行い、ブロック塀等の改修促進策につながる資料を作成する予定でございます。

 また、住宅の耐震改修、感震ブレーカーの設置、家具転倒防止器具の取りつけなどの助成は、パッケージ化により一層の効果があると考えられることから、平成32年度実施に向けた準備を行っていく予定でございます。

 ただ、先行して、平成31年度はブロック塀の除却支援事業と家具転倒防止器具の費用を上限を設けた形で実施する予定でございます。

〇甲田委員 ありがとうございます。将来に向けてですけれども、建て替えが難しい、狭い水路などに接道している住宅の建て替え促進については課題が多くありますが、意向調査をしていくなどして建て替えが進むような方策もさらに検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

〇小山内都市基盤部副参事(建築担当) 中野区内には、無接道敷地による建て替えが困難な敷地が相当数あると認識しております。そこで、来年度に実施するブロック塀調査の際、敷地と道路の関係についても調べることで、実態をきちっと把握をし、今後の対応を検討していきたいというふうに考えております。

〇甲田委員 ありがとうございました。ぜひしっかりとよろしくお願いいたします。

 次の項に移ります。

 

次に、2番、障がい者の施策について、この項では1点、医療的ケアのための非常用電源設備について伺います。

 東日本大震災や昨年の北海道胆振東部地震などの経験から、自家発電機を備えておくことの重要性が改めて浮き彫りとなっています。医療ケアを受けている方の人工呼吸器などの非常用の電源設備については高価なものであり、支援の必要性の声も高まり、国や都の支援も拡充されてきております。中野区としてもしっかりと対応をお願いしたいと思い、質問をさせていただきます。

 最初に、確認ですが、在宅で医療ケアが必要な方、難病、身体障がい、重度心身障がい児は区内に何人いますでしょうか。そのうち、24時間人工呼吸器が必要で、個別支援計画をつくっている方は何人いますか、お答えください。

 

〇大場地域支えあい推進室副参事(鷺宮すこやか福祉センター地域ケア担当) すこやか福祉センターが把握しております在宅人工呼吸器使用者、使用者数は36名でございます。内訳といたしましては、難病患者の方が20名、身体障害者の方が9名、重度心身障害児の方が7名でございます。

 そのうち24時間人工呼吸器が必要で、中野区在宅人工呼吸器使用者災害時個別支援計画を作成している方につきましては15名でございます。内訳といたしましては、難病患者の方が9名、身体障害者の方が4名、重度心身障害児の方が2名でございます。

〇甲田委員 区では、医療的ケアの必要な患者の方のための災害時発電機の支援はどうなっておりますか。

 

〇大場地域支えあい推進室副参事(鷺宮すこやか福祉センター地域ケア担当) 各すこやか福祉センターにおきまして、全体で11台の災害時発電機を充電ステーションとして配備してございます。東京都の在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の補助金を活用いたしまして、平成26年度に8台、平成27年度に3台を購入いたしました。

 在宅人工呼吸器使用者個別支援計画の作成時に交付する作成者カードを持った本人、家族、関係者が災害時にそのカードを提示いたしまして、すこやか福祉センターにて発電を行うものでございます。

〇甲田委員 今回、質問して初めて知りましたけれども、各すこやか福祉センターにこういった発電機が備えられていて、個別支援計画をつくっている方は、カードを出すとそれを使えるということですので、これはしっかりと情報共有をしていただきたいと思います。

 難病患者の中で医療機関を通じた貸し出しは、都の助成制度がありますが、これを使用している方が何人いるか、把握されていますでしょうか。

 

〇大場地域支えあい推進室副参事(鷺宮すこやか福祉センター地域ケア担当) 都内に居住する在宅難病患者に対する人工呼吸療法を実施する医療機関に対しまして、在宅難病患者に無償で貸与する発電機の購入に要する経費につき、都の助成制度といたしまして、在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業補助金というのがございます。難病患者の方20名のうち、発電機を所持されている方は7名でありまして、うち補助金を活用して発電機を所持されている方は6名でございます。

〇甲田委員 それでは、区が設置をした障がい者施設、それから障がい児の施設には、非常用電源は常備してあるのでしょうか、伺います。

 

○菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者の施設につきましては、医療的ケアの必要な方が通所しております施設や、2次避難所の障害者対象施設のうち、18歳以上の障害がある方が通所する全ての施設で自家発電機など設置してございます。

 

〇中村子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども特別支援担当) 区立の障害児通所支援施設4施設につきましては、現在のところ発電機等の非常用電源設備を設置してございません。

〇甲田委員 障がい者の施設には全部ありますけれども、民間の事業者がこれを設置してくださっているのだと思いますけれども、区の設置した障がい児の施設にはないということで、先ほども申し上げました東京都の難病患者のための助成制度、これは医療機関を通じて自家発電機を貸し出す制度ということでありまして、在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業というものでありますけれども、この補助対象は医療機関ということですけれども、1月16日付けの朝日新聞で、八王子市では、この都の助成だと思うんですけれども、助成金を使って本人に給付したとの新聞記事があります。この詳細について、おわかりであれば教えてください。

 

〇大場地域支えあい推進室副参事(鷺宮すこやか福祉センター地域ケア担当) 八王子市は、在宅人工呼吸器使用者に対しまして、東京都の医療保健政策区市町村包括補助事業の補助金を利用して自家発電機を購入しております。対象者に給付する事業を今年度より開始いたしました。補助につきましては、東京都が2分の1を負担するものでございます。対象者につきましては、在宅で24時間人工呼吸器を使用している方で、かつ八王子市の在宅人工呼吸器使用者災害時個別支援計画を作成している方となっております。八王子市が購入し、個別に対象者に給付された自家発電機のメンテナンスにかかる費用につきましては、自己負担となっております。

〇甲田委員 八王子市の場合は、地域面積が広大で、自宅から公共施設に行くまで遠いということもあって、このような施策が必要なのだと思います。中野区の場合も、すこやか福祉センターは近いとは言いましても、今後、希望する該当患者の自宅や、障がい児の施設に自家発電機を備える仕組みというものはできないものでしょうか、伺います。

 

〇中村子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども特別支援担当) 活用できる東京都の補助金について情報収集しつつ、関係部署と連携しながら対応を検討してまいりたいと存じます。

〇甲田委員 ぜひ活用できる補助金等を検討していただき、障がいのある方、難病を抱えている方にとって、非常時に1人も残らず安心だと思っていただける状態になるよう検討していただければと思います。

 以上で私の全ての総括質疑を終了いたします。ありがとうございました。