中野区議会議員 甲 田 ゆり子

 

 1 中野区版「歩きたくなる道」構想の提案について

 

 2 区民による植樹運動について

 

 3 地域の見守り・支えあいについて

 

  (1)町会・自治会について

 

  (2)企業との協働・連携について

 

  (3)職員のアウトリーチについて

 

  (4)お買い物ポイントについて

 

 4 子育て支援について

 

  (1)保育園待機児童対策について

 

  (2)子どもの事故防止について

 

  (3)3人乗り自転車について

 

  (4)特別な配慮を必要とする子どもたちへの施策について

 

 5 その他

 

 

 

○議長(大内しんご) 次に、甲田ゆり子議員。

 

                 〔甲田ゆり子議員登壇〕

 

○4番(甲田ゆり子) 第3回定例会に当たり、公明党の立場から質問をいたします。

 

 私は、この4月に初当選をし、今回が初めての一般質問です。これまで地域の皆様より寄せていただいた貴重な御意見をもとに質問をさせていただきます。区長・理事者の皆様におかれましては、前向きで明快な御答弁をよろしくお願いいたします。

 

 質問は、通告順に行います。

 

1.最初に、中野区版「歩きたくなる道」構想について伺います。

 

 昨今、歩くことがブームになっており、まちに出るとウオーキングをしている方がよく目につきます。ウオーキングが好きな人は日本ウオーキング協会の歩きたくなる道500選をよくご存じかと思います。昭和58年に東京都が制定をした「歴史と文化の散歩道」がありますが、中野区の道はほとんど紹介されていなく、大変残念です。区が姉妹都市締結をした韓国ソウル特別区陽川区にも「歩きたい道」があると伺っています。自分たちの住むまちで歩きながら歴史と風情を感じられたら、とても住みやすいまちとなると思います。

 

 そこで私は、中野区版「歩きたくなる道」の構想を提案したいと思います。人々が憩い、散策を楽しめるような道、私はそれを緑の多いグリーンロードと考えます。中野区の緑の基本計画には、緑の軸をつくる、暮らしの中に息づく緑をつくる等の方針がうたわれております。このような計画をさらに推進していくために、区民の目にしっかりと見える形にするとともに、わかりやすいネーミングをして緑のネットワークをつくることは、まちの活性化に必ずつながっていくことと思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

 

 さらに、このような「歩きたくなる道」を区内のそれぞれの地域で選定をして、仮称「歩きたくなる道中野区十選」としてはいかがでしょうか。例えば水辺とせせらぎの道、商店街のにぎわいの道、いにしえの歴史が漂う道、庶民が憩う道などと、地域の特色を生かして名づけてもよいと思います。私の住む地域は歴史と花の名所、哲学堂公園から続く有名な中野通りの桜並木があります。一方、平和の森公園という大変貴重な公園もあります。これらの名所をつなぐ道は、今後西武新宿線の地下化に伴い踏切がなくなります。同時に鉄道の線路がなくなりますので、その線路跡の道を緑豊かな散歩道にとの要望が多くの区民から寄せられております。防災公園でもある平和の森公園へつながるグリーンロードは、平和につながる花と緑の道として、歩きたくなる道の代表格に選定していくべきと考えます。本当に安全で気持ちのいい「歩きたくなる道」をつくれば、中野区をアピールすることにも役立つのではないのでしょうか。そのためのこの構想を提案いたしますが、区長の御見解をお伺いいたします。

 

2.次に、区民による植樹運動についてお伺いします。

 

 東日本大震災の教訓として、多くの学識者が鉄骨やコンクリートで自然災害を封じ込めたつもりが、むしろ堤防の決壊や建築物の倒壊などにより、かえって深刻な被害に遭う危険があると警鐘を鳴らしています。中野区は日本一の人口密集区であり、火災の被害想定は深刻です。防火林を増やしたいとの思いは多くの区民が考えているところだと思います。豊島区では3年前から豊島再生プロジェクトを実施しており、日本一の高密都市であるにもかかわらず、区民による植樹で現在着々と木を植え、緑を増やすという画期的な運動を展開しています。その原点は、1,700カ所、4,000万本の木を植えたとして有名であり、数々の賞を受賞している横浜国立大学名誉教授の宮脇昭氏の指導によるものです。私も宮脇教授の著書を読み、先日講演会にも参加し、これは本当に大事なことであると感じました。植物の生態を知り尽くしている教授は、一貫して3本の植樹から森は生まれる。森は私たちの命を守るものである。本物は、厳しい環境に耐えて長持ちする。本来の森は、火事の延焼を防ぎ、地震・火災にも強い。人口が集中した都市部で今こそ1人ひとりの手で森づくりを、と熱く訴えています。土地本来の木は根が真っすぐに伸び、台風にも耐えることができるとも言われました。

 

 豊島区はこの目的と意義を明確にして、区立公園をはじめ区の施設などに植樹を行ってきました。みんなで植樹をすることにより、何とも言えない充実感とともに、一緒に木を植えたという、仲間という連帯感が生まれたことは、予想外の成果だったそうです。

 

 今、東日本大震災の津波被災地でも、悲しみを乗り越えながら、学生などの手によって将来の人々のためにと、宮脇方式による植樹が始まっています。中野区緑の基本計画にも「緑をともにつくる」とあります。震災時の防災の意識が高まっている今だからこそ、区民による植樹で緑を増やすことの機運を高めてはいかがでしょうか。狭い場所でもできるところから始めていくべきではないでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。

 

 具体的な場所としては、まずは防災公園である平和の森公園から始めてはいかがでしょうか。当公園はまだまだ木を植えられるスペースはたくさんあります。真ん中にある大きな草地広場の下は、下水処理施設となっており、木は植えられないとのことですが、草地広場の外周にはベンチなどがあるにもかかわらず、木陰が少ないという利用者の声も聞いています。ぜひそのような場所にも植樹をしてはいかがでしょうか。また、これからできる中央・南部防災公園も、候補の一つとなり得ると思いますがいかがでしょうか。伺ってこの項目の質問を終わります。

 

3.次に、地域の見守り、支えあいについて伺います。地域の見守り、支えあいは、大変大事な事業で、何としても成功させなければならないと思っています。このような観点から何点か伺います。

 

 (1)まず初めに、町会・自治会の支援について伺います。今回、区は支えあいの大きな取り組みとして、町会などに個人情報を提供して見守り支援を依頼していますが、今、多くの町会が高齢化の中で活動への参加者が少ない状況にあります。見守りをお願いするのであれば、区として積極的に町会・自治会の加入世帯を増やす支援、後押しをすべきではないでしょうか。昨年区が実施した町会・自治会へのアンケート調査によれば、町会・自治会の未加入世帯が非常に多く、加入促進に向け、転入者への町会・自治会の周知と連絡先の提供を行政に期待するという回答結果が多くありました。このアンケート結果を受けて、具体的にどのように取り組んでいるのかお聞かせください。

 

 私自身、中野区内で何度か転居の経験がありますが、特に案内がされないため、地元の町会の情報を知ることができませんでした。私は、特に転入をしてきた区民に歓迎の意味を込めて「ようこそ中野へ!支えあいネットワーク推進中の中野区です」などのネーミングのパンフレットをつくり、手渡すようにしたら実にわかりやすいと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 

 その際、既に立ち上がった区民活動センターの概要と町会の連絡先一覧を載せて、地域に早く溶け込めるよう案内をすべきだと思います。

 

 さらに、区民活動センター単位にホームページを立ち上げ、そのURLを案内に明記し、区民の支えあいの意識を高めてはいかがでしょうか、御見解を伺います。

 

 (2)次に、企業との協働・連携について伺います。

 

 現在支えあいに協力していただいている区内事業者は、「元気でねっと」時代から続く170事業者だそうですが、現状は区への連絡体制等機能していないと思われます。最近、多くの企業でCSRいわゆる企業の社会的責任の意識を高めるため、社会貢献運動が進んでいます。企業のイメージアップにもつながるため、積極的にボランティア活動も推進しています。私の勤めていた生命保険会社でも、地域の子どもの見守り運動をしていました。また、ボランティア休暇などを推奨する企業もあります。そういった企業にももっと目を向け、企業の特色を生かしてどんな貢献をしていただけるか、積極的にアンケートを取るなどして、丁寧に具体的な御協力を仰いでいくべきだと考えますがいかがでしょうか、伺います。

 

 また、支援の輪を広げるために、既に協力してくださっている商店・団体等も含め、今後新たに協力企業・事業所に対して評価検証する制度を設けてはいかがでしょうか。その際、ホームページで紹介するとともに、認定ワッペンを交付するなどしてはいかがでしょうか。このことにより、支えあいのネットワークが広がっていくと思いますが、区のお考えをお聞かせください。

 

 (3)次に、職員のアウトリーチについてお伺いします。

 

 この7月より15の区民活動センターに2人ずつ駐在している職員は、支えあい推進担当者として地域に出て仕事を行っていると伺っております。しかし区民には、まだこれらの方の存在があまり認知されていないのが現状です。私は先日、北九州市の「いのちをつなぐネットワーク事業」について視察してまいりました。3年前から始まったこの事業の成果として、民生委員等が活動しやすくなったと答えています。成果が出ている秘訣は、各地域の担当係長が積極的にまちに出て行き、町会等の会合に参加をしたり、さまざまな相談を受け、市のサービスのつなぎ役となって地域での見守り活動を支援しているとのことでした。中野区にも合計30名の担当職員がいるのであれば、さらに積極的にまちへ出て、地域の方々との連携を図り、区のサービスを直接ワンストップで提供していくことが重要であると思います。今回、区が行った福祉等に関する意向調査などの結果を見ると、高齢者や障害者の方々の悲鳴が聞こえるようで胸が痛みました。どこに相談したらよいかわからない、縦割りの仕組みで聞いたことにしか答えてくれない冷たさがあるという意見が多く目につきました。その声にこたえ、何でも気軽に相談できる人になり得るのが、支えあい推進担当者ではないかと思いますが、区のお考えを伺います。

 

 私は、担当者が地域に認知されることが必要だと思います。そのためには、支えあい推進担当というわかりにくい名称ではなくて、支えあい相談リーダーなどという相談しやすい名前をつけ、さらにその名前を大きく書いた専用ユニフォームや腕章などを着用して、地域の方に認知されるようにすることが必要ではないでしょうか、伺います。

 

 さらに、区内の支えあいリーダー同士の定期的なネットワーク会議を設けてはいかがでしょうか。そして地域ごとに支えあいリーダーが中心となって、我が地域の支えあいに役立つ人材や資産などをまとめたマップをつくり、区のホームページに載せるなどの情報発信もしてはいかがでしょうか。また、区民の方も参加して、例えば中野ゼロホールなどで取り組み成果発表大会を行っていけば、地域相互に刺激し合い地域の活性化につながるのではないでしょうか。そして、区民にもさらに認知されていく一つとなると思いますが、区長の見解をお伺いします。

 

 (4)次に、お買い物ポイントについてお伺いします。

 

 中野区3ポイント制度は、一般紙にも掲載され、他の自治体からも注目されております。支えあいを出発点として3ポイントを活用、定着化させることには賛成です。しかしながら、特にお買い物ポイントについては、商店街がポイントを発行しなければならないため、一番の関係機関である商店街連合会の協力抜きには進められないものと考えます。この事業は10月には決定をして、来春よりスタートと計画されていますが、現時点で検討結果があいまいで、区商連の皆様から区の進め方に対して危惧する声が少なからず上がっています。検討に当たっては、商店街が元気になる仕組みが必要です。また、各商店街単位で既に行っているところもあるポイント制度との調整は十分に行ってから実施すべきと考えます。その意味から、スタート時期も含め、検討が必要と考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

 

 また、継続できなければ意味がないものになってしまいますので、開始に当たってはまずは高齢者や主婦の方々が楽しみながら貯めていけるような、単純でわかりやすいものとしていただきたいと思いますが、この点もあわせてお考えを伺います。

 

4.次に、子育て支援策について伺います。

 

 少子化社会の中にあって、大切な子どもを事故から守り、すこやかに育てる環境をつくるため、地域の子育て中のおかあさんたちから寄せられた声をもとに、何点か質問させていただきます。

 

 (1)初めに、保育園の待機児解消対策について伺います。

 

 区は昨年10月に策定した今後の保育事業への対応方針の中で、保育需要に対する定員増計画として、26年度までの各年における4月時点での待機児童数ゼロを維持すると標榜しています。この1年間で227人増やすことができたとはいえ、さらに需要が多く、結果としては今年の4月時点の待機児は、昨年4月時点とほぼ同じ135人となっています。特に3歳未満児の需要が多く、今年4月時点で117名の3歳未満の待機児がいます。私はまだまだ区の待機児ゼロへの取り組み意欲が消極的であると感じます。私は、3歳未満の待機児対策の切り札の一つが家庭福祉員、いわゆる保育ママであると思っています。そこで、保育ママによる待機児半減につながる提案をいたします。

 

 中野区の保育ママは、現在10名しかおりませんが、江戸川区では200名以上の保育ママがいます。保育ママが遅々として増えないのは、仕組みが自宅提供型の保育となっているため、それぞれの住宅事情で、場所の確保が困難であるばかりでなく、保育ママが体調が悪くても休むこともできず、責任と負担が重過ぎることが主な原因ではないかと思います。複数人が共同して子どもを預かるグループ保育ができれば、保育ママの負担も大きく軽減されると思います。

 

 また、その際に空いている区民住宅や公務員住宅などを活用して、保育の場の確保を進めるべきです。都内のある区では、今年4月より区民住宅を使用してのNPO法人が管理運営する施設提供型のグループ保育事業を開設しています。1人の保育ママは平均3人の子どもを保育していますので、まず10名の保育ママを増やせば30名の待機児解消につながり、さらに20名に増やせば60人の解消につながり、今の待機児を半減することが可能です。先に述べた区の対応方針の中の整備方針にも、「複数の家庭福祉員が一つの場所において保育を行う仕組みを新たに検討する」と明示されています。しかし、実際には全く進められていません。ぜひ早急に思い切った支援の制度も考えながら、グループ保育事業の大幅な推進に取り組むべきではないでしょうか。その際、区内の保育ママ同士が連携をして助け合えるようなネットワークの仕組みづくりをすべきと考えますがいかがでしょうか、あわせて区長の見解を伺います。

 

 (2)次に、子どもの事故防止対策について伺います。

 

 1歳から14歳までの子どもの死亡原因の一番は不慮の事故によるもので、年間数百人の子どもが事故死をしています。ある自治体では、事故防止センターを保健所の中につくり、乳幼児健診の際に関心を持って見学してもらえるよう、モデルルーム風に展示をしています。そこでは、子どもの見える範囲に焦点を当て、子どもの目から見える視界がどれほど狭いかということを大人が理解するための幼児視界体験めがね、通称チャイルドビジョンを置いています。これがチャイルドビジョンです。これで見ると、大人が幼児の視界を体験することができます。中野区でも、すこやか福祉センター、子ども家庭支援センターなどに置いて、保護者の目に入るような目立つ展示コーナーを設置するなど取り組みをすべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 

 さらにこのめがねは、このような1枚の厚紙で簡単につくることができるようになっておりまして、ホームページにもアップすることができます。中野区のホームページにも最近子どもの事故防止チェックリストが掲載をされましたが、そのチェックリストとともにこの視界体験めがねも掲載し、プリントアウトして簡単に家庭でもつくれるようにしてはいかがでしょうか、伺います。

 

 また、子どもの救急というチェックリスト方式のマニュアルもあり、幾つかの自治体でホームページに載せています。子どもは突然体調が急変することがよくあります。その際どう対処したらよいのか、すぐ調べることができるよう、あわせてホームページのトップに目立つように載せるべきだと思いますがいかがでしょうか、伺います。

 

 (3)次に、3人乗り自転車等について伺います。

 

 まず、3人乗り自転車のレンタルです。この件については、我が会派から以前にも質問し、その答弁として、区民の移動手段についてはさまざまな手段があり、3人乗り自転車だけ助成の対象とするということについては適当と考えていない旨の回答をいただいたことは承知しておりますが、中野区で子育てをしている主婦にとって、自転車は生活になくてはならないものです。私は、2人以上の幼児のいる世帯の多くの方より、3人乗り自転車を区でレンタルしてほしいという声を聞いてまいりました。2人の小さい子どもを連れて買い物に行くのは、本当に大変です。しかしご承知のように今、3人乗り自転車は非常に高価です。若い夫婦にとっては大きな負担となります。電動自転車を希望される方もいますが、上のお子さんが6歳くらいになれば必要がなくなり、利用する期間は短期間です。リサイクルするということはエコにもつながります。この少子化時代に複数のお子さんを育てていることは大変に貴重な存在ですので、支援すべきではないでしょうか。

 

 次に、バギーのレンタルです。乳幼児を自転車に乗せて自宅から駅近くの駐輪場まで行き、駅から電車に乗りかえる際、バギーがあれば便利で安心です。しかし、バギーを自転車に積んで持ってくることはできません。そのためとても不便を感じるそうです。もし駅周辺でバギーのレンタルがあれば、住みやすい快適な中野と言われるようになると思います。その際、多少のレンタル料金や条件、保険をかけるなど工夫をすれば、予算をほとんどかけずに設置・導入が可能です。自転車社会の中野区です。多くの自転車愛用の区民に対して、ほんのちょっとした工夫で、住みよい中野、子育ての中野と思ってもらえるようなサービスの導入を積極的に進めるべきだと考えます。中野駅の駐輪場は、駅整備に伴って新しくなりますので、この機会にスペースを確保して、この二つを実施するとともに、さらに電動自転車用の充電器の設置も検討してはいかがでしょうか、あわせて伺います。

 

 (4)最後に、特別な配慮を必要としている子どもたちへの施策について伺います。

 

 現在中野区内における小・中学校において、特別な配慮を必要としている児童・生徒が増えています。先日私は同僚議員と特別支援教育を先進的に実施している日野市を視察してきました。ハード・ソフト面の充実に取り組んでいる状況をお聞きし、今後中野区においても重要な視点であると実感しました。平成24年4月から自立支援法と児童福祉法が改正され、障害のある児童に対して各種の事業が児童福祉法の事業になると聞いています。また、都が実施してきた事業も区に移管されるとも聞いていますが、区における事業体制はどのように変わるのかお聞かせください。

 

 特に重度の障害を持つ児童の保護者は、常時児童に付き添って介護しているケースが多いと思います。幼児期は療育センターアポロ園でのサービスがありますが、学校に入学した後の療育的なサービスはありません。法改正も踏まえ、重度の障害児への積極的な事業を検討すべきだと思いますがいかがでしょうか。

 

 幼児期の療育サービスは、平成22年に新築し開設されたアポロ園があります。しかし、サービス提供に限界を超える状況です。新たな施設を望む声が数年も前から上がっています。我が会派は、南部地域に新設するよう強く提案をしてきました。第2次10か年計画のステップ3で示されましたが、現段階での進捗状況及び先に述べた法改正を踏まえるとどのように事業展開を行うのでしょうか伺います。

 

 10か年計画にある特別支援学級の増設や巡回相談員の充実も大きな期待となっています。また、都立の支援学校との役割分担や連携についても重要です。区は、特別支援教育の推進のための検討を行っていると聞いていますが、どのように展開されるのでしょうか、あわせて伺って、私のすべての質問を終わります。

 

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

〔区長田中大輔登壇〕

 

○区長(田中大輔) 甲田議員の御質問にお答えいたします。

 

 歩きたくなる道構想という御提案がありました。現在中野区では、39カ所の区道につきまして愛称をつけて、該当道路に愛称掲示板を設置をして、区民に周知を図っております。使用している愛称の中では、緑を想定して植物名を冠したものが「さくら通り」「あかしあ通り」「とちのき通り」「けやき通り」「若草通り」などがあるところです。道路を木や花などを想定した愛称でネーミングを図り、その道路が地域のシンボルとして区民に親しまれ、ネーミングされた道が結びつくことで地域全体の活性化など、まちづくりの推進に資する効果を期待できると考えているところであります。

 

 そこで、「歩きたくなる道中野区10選」といったようなものを区民から公募するなどしてはいかがかといったような御提案であります。緑の普及啓発の一環として、こうした歩きたくなる道を区民提案に基づき選定するということは、まちの活性化やにぎわいに資するまちづくりの一手法というふうに考えております。今後さまざまなまちづくりを進める中で検討してまいりたいと思います。

 

 それから、西武新宿線の連続地下化に伴って、空間となります線路の上部空間、これを平和の森公園につながる、平和につながる花と緑の道としてはどうかというような御質問であります。西武新宿線の連続立体交差事業に伴う地上部の鉄道跡地につきましては、その線路敷用地を所有する鉄道事業者との協議を要するところです。都市計画事業の連続立体交差事業で生み出されます貴重な空間でありますので、区としても区民の公共空間として最大限有効活用できるように努力をしていきたいと考えているところであります。

 

 平和の森公園につながるグリーンロードという御提案につきましても、この鉄道跡地の利用の一つの考え方として、さまざまな地域要望なども踏まえながら、検討の中で取り上げてまいりたい、このように思っております。

 

 歩きたくなる道構想をつくるということについての御提案であります。

 

 親しみと潤いのある道をつくることが、区民生活に潤いやにぎわいをもたらし、また観光資源にもなり得るということがあります。都市計画マスタープランや緑の基本計画などの目指すまちの姿にも合致をするというふうに考えております。今後、まちづくりを進めていく中で、歩きたくなる道づくりという視点を生かしていくことも必要だというふうに思います。

 

 それから、公園における植樹の御質問がありました。

 

 区といたしましては、都市計画マスタープランや緑の基本計画などで、地域緑化の計画体系を持っております。その計画体系を通じて、街路樹や公園等の公共空間に木々の緑を増やす努力をしてまいりました。そうした中で御指摘の防災機能などを視野に入れながら、公園等による植樹等における植樹帯の整備を行っているところであります。

 

 平和の森公園につきましては、さまざまな緑化の検討を行った結果、相当数の密度で樹木が繁茂し、良好な緑の空間を形成していると考えております。また、仮称中央部防災公園、これにつきましては、既存の樹木を最大限に生かした、大変緑の多い土地でありますので、その既存の樹木を最大限に活用した公園として設計し、相当なボリュームの樹木がある緑豊かな公園としての整備が今、行われているというところであります。

 

 こうした公園の中で、さらに区民の植樹の場をというような今回の御提案につきまして、今後さまざまな公園づくりの中で、公園の置かれた環境や状況、機能等を踏まえ、適用できる事例を研究してまいりたい、このように思っております。

 

 それから、3人乗り自転車等のレンタルについての御質問がありました。駅周辺の駐輪場を拠点とする3人乗り自転車の貸し出しについてでありますけれども、期間を定めた有料レンタサイクル方式で行う、このことは研究に値すると思うわけでありますが、設置場所の選択や専用設備、運用方法や自己負担と採算性の関係など、事業モデルとして成立するような計画づくりが肝要だと思っております。バギーのレンタルといったようなことも含めて、今後検討してまいります。

 

 私からは以上です。

 

                 〔教育長田辺裕子登壇〕

 

○教育長(田辺裕子) 子育て支援についての中の特別支援教育の推進のための検討についてお答えをいたします。

 

 平成18年度に「中野区における特別支援教育の推進について」を策定し、特別支援教育の推進に取り組んでまいりましたが、発達障害など特別な支援を必要とする児童・生徒については、近年その数が増加していること、支援に当たっては学校だけでなく、家庭や関係機関との連携が必要なことから、改めて今後の特別支援教育の考え方を示したいと考えております。

 

 具体的には、特別支援教育をさらに充実するため、地域バランスを配慮した特別支援学級の設置のほか、区立全小・中学校に特別支援教室を整備し、指導員を配置して指導を行うことや、巡回相談の充実、すこやか福祉センターなどとの連携とともに、近隣の都立特別支援学校との連携強化などを検討しているところでございます。

 

              〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕

 

○地域支えあい推進室長(長田久雄) 私からは、地域の見守り、支えあいについての御質問についてお答えをさせていただきます。

 

 まず町会・自治会の加入促進の支援に関しての御質問がございました。区では9月17日に施行をいたしました住生活の基本に関する条例や、集合住宅の建築及び管理に関する条例に基づき、良好な地域コミュニティを形成するため、新規入居者等への町会情報を提供するなど、町会・自治会への加入促進の取り組みを開始しているところでございます。

 

 また、町会・自治会の役割や活動内容、単位町会の区域などを区のホームページで紹介するための準備を進めているところでございます。転入者用のチラシについても、あわせて検討しているところでございます。

 

 区民活動センターごとのホームページでございますが、地域内のコミュニケーションの有効なツールであるという認識はございます。地域広報のあり方自体は、それぞれの運営委員会が検討し決定すべきものであるというふうに考えてございます。区としては、ホームページの立ち上げも含め、運営委員会の取り組みを側面から支援してまいりたいと考えているところでございます。

 

 次に、地域の見守り、支えあいにおける企業との協働・連携についての御質問がございました。「元気でねっと」の協力機関、事業者の業種・業態は、警察・消防のほか、介護サービス事業者や新聞配達事業者、牛乳・乳酸飲料配達事業者、美容院、薬局などがあり、年数回の連絡会を開催しているところでございます。業務中に発見した高齢者の異変の通報などで、協力をいただいているところでございます。「元気でねっと」の協力機関、事業者につきましては、地域支えあいネットワークが展開していく中でも、引き続き協力をしていただきたいと考えております。あわせて、協力事業者の新たな業種・業態への拡大を図っていくこととし、アンケートの実施なども検討をしていきたいと考えてございます。また、協力事業者等の区のホームページでの紹介などについても、今後取り組んでまいります。

 

 それから、区民活動センター配置職員のアウトリーチ等についての御質問がございました。区の職員が高齢者等の住宅を訪問し、その実態を的確に把握した上で必要なサービスにつなげていくことは、区民が安心・安全に暮らすために重要なことと考えてございます。その役割を担う中心が、区民活動センターに配置している職員でありますが、今後も積極的に訪問活動を行いながら、区民からも気軽に相談ができるよう、体制を整えてまいります。

 

 また、地域の方々に担当職員の存在と活動の様子がわかるよう、今後工夫してまいる所存でございます。

 

 支えあいの担当職員は、地域の団体や区民に対して指示を行う立場にはございませんが、担当職員間での定期的な情報交換を行いながら、他の地域の取り組み状況を把握し、地域の支えあい活動を支援していきたいと考えてございます。

 

 また、すこやか福祉センターや区民活動センターの単位で、区民や関係機関等を交えたネットワーク推進のための会議体を設けているところでございます。こうした会議体を単なる情報伝達だけではなく、経験交流や先駆事例の発表の場としても活用し、地域支えあい活動を推進していきたいというふうに考えているところでございます。

 

 私からは以上でございます。

 

              〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕

 

○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、お買い物ポイントに関する御質問にお答えいたします。

 

 お買い物ポイント制度の構築につきましては、現在関係団体と調整を行いつつ検討を行っているところでございます。地域商業の核である商店街の発展は、区としての課題であると認識しております。お買い物ポイントの実践によって、商店街の活性化を図られるような制度構築すべく、関係団体との協議を進めてまいります。

 

 ポイント制度の継続性は重要であると認識してございます。他区等の先行事例を踏まえつつ、簡便でわかりやすい仕組みを採用するなど、利用者が気軽に楽しみながらポイントを貯めることが可能な制度としていきたいと考えてございます。

 

                〔子ども教育部長村木誠登壇〕

 

○子ども教育部長(村木誠) 私からは、3人乗り自転車及び特別支援教育推進以外の子育て支援策についてお答えを申し上げます。

 

 まず、家庭福祉員の拡大についてでございますが、区民の多様な保育ニーズにこたえ、保育園の待機を解消するために、家庭福祉員の充実を進めておりますが、御指摘の課題があることは認識をしており、自宅以外の場所で複数の家庭福祉員が事業実施することは、手段の一つとして有効である、このように考えております。

 

 実施場所といたしましては、国が所管する公務員住宅につきまして、家庭福祉員事業の実施場所としての活用策を打ち出しております。これを有効な手段として検討しているところでございます。

 

 家庭福祉員を支援する仕組みといたしましては、区立認可保育園と家庭福祉員とが対となりまして、家庭福祉員の休業時の保育支援等を開始し、負担軽減を図っているところでございます。家庭福祉員同士の連携につきましては、今後研究をしてまいりたい、このように考えております。

 

 次に、子どもの事故防止等のためのホームページの充実についてでございますが、幼児視界体験めがねにつきましては、子どもの事故防止にとって有効な方法であると考えております。東京都版の児童視界体験めがね、いわゆる東京都版チャイルドビジョンは、都のホームページからダウンロードできるようになっておりますので、事故防止チェックリストを掲載している区のホームページに、都のホームページへのリンクを掲載するとともに、子ども総合相談窓口に見本として展示し、子どもの事故防止の啓発に努めてまいりたい、このように考えております。

 

 また、子ども救急につきましては、乳児家庭全戸訪問に際しまして、赤ちゃん、子どもの気になる症状診断シート等の冊子を配布しておりますが、救急時に保護者が子どもの年齢や症状などから、夜間休日などの診療時間外に病院を受診するかどうか、判断する際の目安となる情報を提供しているサイトもあります。これは日本小児学会の「おかあさんのための救急&予防サイト」というものでございますが、区のホームページにこのようなサイトへのリンクを掲載し、あわせて子育て支援のための情報提供を充実させていきたい、このように考えているところでございます。

 

 次に、法改正に伴います障害児事業の変更点についてでございますが、現在国・都・区など実施主体がさまざまであります。各種の障害児通所事業につきましては、障害者自立支援法及び児童福祉法の改正によりまして、すべて児童福祉法に基づいて区市町村で実施することとなる予定でございます。また、就学中の児童の放課後等の通所事業、保育所等の訪問支援事業が新たに児童福祉法に基づく事業として創設されることになります。中野区におきましては、これら法改正を踏まえ、障害児施策のさらなる充実に向けて検討を進めているところでございます。

 

 続きまして、重度の障害児に対する事業展開についてでございますが、障害者自立支援法、児童福祉法の改正によりまして、就学中の児童のための放課後等の通所事業が児童福祉法内の事業として創設される予定のため、区といたしましても、重度の障害児を含めた就学中の障害のある児童の放課後等の通所事業の実施に向けて検討を進めているところでございます。

 

 最後に、南部新療育施設に関してでございますが、南部地域に新設する予定の療育施設につきましては、新しい中野をつくる10か年計画第2次に基づきまして、平成25年度に実施設計を、26年、27年の両年度にわたり、整備工事を予定をしているところでございます。現在、併設する区民活動センターとあわせて整備する基本方針の案をまとめているところでございます。

 

 事業展開につきましては、法改正の趣旨を踏まえ、障害のある就学前児童の通所事業及び障害のある就学中の高校生までの児童の放課後等の通所事業、保育所等訪問支援事業、緊急一時保護事業等の実施を検討しているところでございます。

 

 以上でございます。

 

                 〔甲田ゆり子議員登壇〕

 

○4番(甲田ゆり子) 2点再質問をさせていただきます。

 

 まず、支えあい推進担当の活動の様子がわかるように工夫をしますというお答えをいただきましたが、どういう形で様子がわかるよう、認知されるようにするのか。私の提案は、ユニフォームまたは腕章などをつけてということを質問させていただきましたので、その点についてお答えください。

 

 またもう一つは、お買い物ポイントについて、今後協議を進めていくということで御回答いただきましたが、継続できないと意味がないものですので、スタート時期も含めて検討をしてはどうかという質問をさせていただきましたので、その点についてももう一度御答弁をお願いいたします。

 

 以上です。

 

              〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕

 

○地域支えあい推進室長(長田久雄) 甲田議員の再質問にお答えをさせていただきます。

 

 区民活動センターの配置職員の御質問に関連しての再質問をいただきました。区民活動センターの配置職員が地域の中での支えあい、見守りの実効性を高めていくためには、やはり地域の方たちに認知をしていただくということが大変必要だというふうに考えているところでございます。御提案をいただきましたユニフォーム等の方法も含めまして、最も効果的な方法、認知を高めていくための方法がどんなものがあるかということを、今後鋭意検討してまいりたいと考えてございます。

 

 以上でございます。

 

              〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕

 

○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) お買い物ポイントのスタート時期に関する御質問でございます。

 

 現在関係団体との調整を行いつつ検討を行っているわけでございますけれども、スタートにつきましては来春より実施していきたいということで検討を進めているところでございます。

 

○議長(大内しんご) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。

 

 

カテゴリ

月別アーカイブ