中野区議会議員 甲 田 ゆり子

  1 中野から世界へ アール・ブリュット発信への支援について 

 2 地域の見守り・支えあい事業について 

 3 子育て支援施策について 

  (1)妊婦健診未受診者対策について 

  (2)保育園待機児対策について 

  (3)子育て総合応援サイトの創設について 

 4 防災対策について 

 5 その他

  (高齢者福祉センターの廃止について) 

 

○副議長(久保りか) 次に、甲田ゆり子議員。 

                 〔甲田ゆり子議員登壇〕 

 

○4番(甲田ゆり子) 平成24年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から質問をいたします。 

 

1.初めに、中野区から世界へ アール・ブリュットの発信への支援について伺います。 

 

 既に御承知のことと思いますが、アール・ブリュットとは、加工されていない美術とされ、既存の文化や流行に影響されることなく、作り手の創造力のままに制作された作品を指します。その作家の多くが障害を持つ方という特徴があります。

 

 私がアール・ブリュットと出会ったのは平成22年11月、都庁の都政ギャラリーでの展示でした。それを皮切りに、昨年5月に埼玉県近代美術館、さらに関係者の御尽力で中野区内の多くの場所で展示された作品を見てまいりました。その作品の魅力に、私は魂を揺さぶられるような感動を覚えています。また、障害を持つ方々から私たちが教えていただくことは大きく、まさにこの芸術は、ボーダーレスな社会を築く一助になるものと確信しています。

 

 区長は平成22年12月の区報のコラムに、アール・ブリュット作品を見て感動したことを記した上で、作品から「大きな力をもらったような気がする。人に障害はない。人にあるのは個別性だけであり、個別性のゆえに生きにくい現実があるとすれば、それは社会の障害である。そんな思いを改めて強くするとともに、その重さも感じさせられた」と述べられました。アール・ブリュットについての熱い思いに共感し、その記事を今も大事に持っております。

 

 そして、その後、一連の中野区内での作品展を通じて、アール・ブリュットが一歩一歩着実に周知され、関心が高まってきていることに対して、これまで展示会などに御尽力された関係者の方々に敬意を表したいと思います。

 

 一昨年は、パリの美術館で開催された日本人作家によるアール・ブリュットジャポネ展が大きな反響を呼びました。そしてこのたび、ヨーロッパ7カ国での巡回展が決定したと伺いました。日本の作家の魅力をヨーロッパ諸国に伝え、認識を広げることは、多くの分野の方にも希望をもたらすものと思います。今回、ヨーロッパに渡る作品はすべて一たん中野区内にある事務局に集結し、ヨーロッパへ運ばれたそうです。我が会派でも、かねてより中野区からアール・ブリュット文化を発信すべきだと主張してまいりましたが、まさにそれが実現へ向けて一歩前進しつつあることを大変うれしく思っています。

 

 そこで、区長に何点かお伺いします。

 

 本年4月から3年半にわたって行われるアール・ブリュットヨーロッパ巡回展について、区報、ホームページ、ケーブルテレビ等で区民に周知されてはいかがでしょうか。区民だけでなく、世界の人たちから、東京の中野とはどんなところかと関心を持たれると思いますので、区のホームページには大きく展示会支援の掲載をしていくべきと考えます。

 

 巡回展についてニューズレターも順次発行されますので、庁舎の掲示板などに掲示して来庁者などに周知し、関心を持たれるようにしてはどうでしょうか。伺います。

 

 また、事務局などからの要望があれば、各国での展示会場へ区長の開催祝いメッセージを写真入りでメッセージボードにして送られてはいかがでしょうか。その際、日本語と現地語の2カ国語で掲載してはいかがでしょうか。あわせて伺います。

 

 さらに、御招待があれば、区長もぜひオランダ・アムステルダムの「ドルハウス博物館」を御訪問されてはいかがでしょうか。新たな交流の可能性も開けるのではないでしょうか。さらに、中野区と国際交流をしている姉妹都市にも、こういった芸術を通じての交流を加えて行っていってはいかがでしょうか。伺います。

 

 この項の最後に、ヨーロッパ巡回展が終了して作品が中野に戻ってきた際、関係者から具体的な企画が提示された場合にも、区として積極的に支援すべきだと考えますが、区長のお考えを伺ってこの項の質問を終わります。

 

2.次に、地域の見守り・支えあい事業について伺います。

 

 今回、3ポイントのうち二つのポイント制度の事業が取りやめになったことは、財政的には英断であったと同時に、その趣旨から考えたときに残念な結果でもあったと思っております。しかし、そもそも支えあい事業の出発点は、多くの区民がお互いに「地域を見守り、支えあう」という意識ができるまちにとの思いであったと思います。支えあいに大切なことは、まず、仕組みや制度を支える前提となる意識の変革が大きな要素となると思います。さらに多くの意識ある区民の水かさをふやす手だてが不可欠だと考えます。

 

 子育てスーパーバイザーとして長年活躍され、明治大学教授でもある三沢直子先生は、「区民の参加と共同が大事である」「これからは行政頼みではなく、区民の力を引き出していこう」と強調されていました。まさしく区民の支えあいの意識・人の役に立ちたいという心を、区がどう引き出していくかが大切と考えます。

 

 そこで、その一つの方法として、区独自に(仮称)支えあいサポーター養成講座を創設し、支えあいのサポーターの輪を広げる提案をしたいと考えますが、いかがでしょうか。この養成講座は、何か支えあいについてのインセンティブを与えるようなものではなく、だれもが中野区の支えあい事業に理解をしてもらえるような機会となるものです。防災の知識や、自助・共助・公助で大切な心得なども講座の中にわかりやすく取り入れ、ためになったと思えるようなものを開催し、受講者にはその証しとして、認知症サポーターのオレンジリングのような受講証を授与してはいかがでしょうか。

 

 私は、いろいろな形のサポーターがあってしかるべきだと思っています。町会・地域防災会の活動や、防犯パトロール団体、地域のボランティア団体など、そういった既に支えあいを担ってくださっている方には、講座を改めて受けなくてもサポーターの証しを授与するとか、防災訓練の中で行った実践をもって支えあいサポーターと認定してもよいのではないかと思います。それにはサポーターに対する行き届いた情報提供と区民の自発の心をいつでも受け入れる区の体制が大切です。「持続可能」ということを最優先に、心の醸成を図れる講座にすべきだと考えています。

 

 また、サポーター養成のあり方については識者や区民の意見も取り入れながら、地域性を生かし、今後、区民活動センターなどで支えあい推進委員なども含めて検討してもらい、取りまとめをすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 

 次に、支えあいのキャラクターマスコットについて伺います。楽しいところには人が集まるのが人間の習性です。支えあいの意識の醸成の機会、いわゆる「支えあいサポーター養成講座」を、まずは明るく楽しい催しを開催して糾合し、にぎわいのまちづくりのさまざまなイベントとコラボするなどして宣伝しながら立ち上げていくこともよいのではないかと思います。そこで「中野支えあい・ゆるキャラマスコット」もつくり、既にさまざまな活動をしている人たちにも協力していただきながら、若者も高齢者も気軽に集ってこられる設定が大切だと思いますが、区のお考えをお伺いいたします。

 

3.次に、子育て支援施策について何点か伺います。

 

(1)初めに、妊婦健診未受診者について伺います。

 

 東京都は、2009年8月から1年5カ月間、妊婦健診未受診に関する調査を行いました。調査方法の詳細は省きますが、受診回数が極めて少ないのは10代、20代の妊婦が7割近くを占め、未受診や受診回数が少ない妊婦は、24%が低体重児を出産していることがわかりました。都は、出産のリスクが高い健診未受診の実態が明らかになったことで、未受診を減らすための取り組みをしたいと言っています。また、出産のリスクだけでなく、経済的に問題を抱えていたり、望まない妊娠・出産の場合に、乳幼児虐待の可能性を多くの専門家が指摘しています。

 

 そこで、お伺いします。中野区でも妊婦健診未受診者数を何らかの形で調査をすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、虐待の芽を摘む一助になるのであれば、母子健康手帳の中の妊婦健診記録の写しをもらって統計をとるなど、何らかの対策をとり、未受診者を減らすことが重要と考えます。区の御見解を伺います。

 

 次に、小児科との連携について伺います。平成20年より、我が会派でも力強く推進してきた14回の妊婦健診受診票によって産婦人科に受診がしやすくなりましたが、そこからさらに小児科に連携する仕組みがあると、生後の乳児のケア、予防接種スケジュールの丁寧な説明などを聞ける機会を得られることにもなります。また、虐待、ネグレクトといった事態に発展する前に、相談できる一歩が小児科の先生であり、小児科につなげていくことは非常に大切になってきます。

 

 区は、3年前から母子健康手帳を渡す際に、妊娠中から出産後3カ月未満までの間に1回利用ができる「はじめての小児科相談券」という無料券を渡していると知り、この取り組みを高く評価します。しかし、実際の利用者は1割にも満たない状況です。すべての妊婦が理解し利用ができるように、例えば妊婦健診受診票にプラス1枚の小児科相談クーポンとするなど、明確にわかるよう工夫してはいかがでしょうか。また、出生届を提出する際などにも、再度、小児科の無料相談券について説明してはいかがでしょうか。伺います。

 

 (2)次に、保育園待機児対策について伺います。

 

 まず家庭福祉員、いわゆる保育ママのグループ保育事業について伺います。区長は今回の施政方針説明の中において、「国家公務員宿舎を活用したグループ型家庭福祉員事業」も行い、保育園待機問題の解消を目指すことを明らかにされました。これは昨年の第3回定例会で私が質問したことでもあり、高く評価したいと思っております。3歳未満の待機児を減らすのに有効な保育ママの増員を図る上で、保育ママの負担を減らす「グループ保育」の仕組みは非常に重要と考え、早期に導入が必要と考えます。

 

 そこで伺います。グループ保育の開設状況は具体的にどの程度進んでいるのでしょうか。さらに、昨年の質問に対する御答弁でも、今後研究していくとのことでしたが、保育ママの負担軽減の具体策として、保育園との連携強化、保育ママ同士の相互の連携が図れる制度について、具体的にどこまで進んでいるのでしょうか。現在、既にお仕事をされている保育ママに対して聞き取り調査をするなどして、負担軽減のために努力をすべきと考えますが、お考えを伺います。

 

 次に、乳幼児の緊急一時保育について伺います。

 

 昨今、社会環境の変化に伴い、私の周りにも乳児を持つお母さんは、預かってくれる肉親が近くにいないという方が少なくありません。2人目のお子さんの出産時に、上のお子さんを預ける先がないということで深刻に悩んでいる方もいます。 

 

 現在、区は保護者が病気、出産、死亡などの緊急な場合、申請をすれば1カ月の範囲で区立・私立保育園にて1日1,200円で預かってくれることになっています。しかし、出産による要件の場合には、産前1週間、産後2週間の範囲、帝王切開の場合、産後20日以内となっています。

 

 世田谷区では産後ケアセンターがあり、育児スタートの支援として、産後、母子ともによい環境の中で低価格で預かってくれ、母親のストレスの解消を図ってから自宅に帰してくれる制度があります。区としてここまでの対応は現時点で難しいことと思いますが、緊急一時保育については、多くの区が1カ月間は預かってくれます。せめて、出産による利用条件の場合にも1カ月までとし、特別な理由があれば2カ月程度まで延長して保育を可能にする制度ができれば、支援を望んでいるお母さんの心のケアができるとともに、虐待の芽を摘むということにもつながるのではないでしょうか。伺います。

 

 (3)次に、子育て総合応援サイトについて伺います。

 

 多くの子育て中のお母さんから、中野区のホームページはわかりにくいという声をよく聞いています。私も同感です。例えば、先ほどの乳幼児一時預かり保育については、子ども教育分野から見つけにくく、「助成・手当・サービス」というメニューを選択できなければたどり着けません。他の自治体のホームページを見てみますと、行政用語ではなく使う人の平易な言葉で、しかも少ないクリック数で、探している情報を見つけ出すことができるものがたくさんあります。特に子育て世代は今やネット時代ですので、多くのお母さんがホームページを見ています。小さなお子さんがいると、じっくりと時間をとって見ることができない方々のために、見やすく、わかりやすいページの作成を追求していくべきと考えます。

 

 中野区は未来を担う子どもたちを区の希望の宝として大切にしているという心が伝わるような、夢のある明るい絵が入ったデザイン、また、ユニバーサルデザインでつくることも非常に大事であると思いますが、いかがでしょうか。区長のお考えを伺います。

 

 また、特に子育てに関しては、私は、別建ての子育て総合応援サイトをしっかりとつくり、保育園や幼稚園、小学校のサイトもわかりやすくつくるべきと思いますが、いかがでしょうか。中野区の子育て施策に誇りを感じられるようなサイトにすべきと思いますが、お考えを伺います。

 

 次に、子育てに関する相談支援サイトについて伺います。

 

 現在、子育ての相談について、子どもの不登校や発達障害、いじめなどで悩んでいるお母さんが、自分自身も元気がない場合などに、電話で一から知らない人には相談しにくいという声を聞きました。親御さんにとって、さまざまな悩みがはらんでいると思います。自分の子が発達障害だとはまだ認めたくない場合や、気づいていない場合もあります。また、親も精神的ケアを必要としている場合もあります。従来はメールでの相談は危険という見方をされてきました。しかし、メールで一度やりとりがあれば、窓口や電話で一から話すこともなく、安心して相談ができると思います。

 

 そこで伺います。子育てのサイトには、ぜひ24時間365日、緊急の相談、だれにも言えない悩みなどをメールで受け付けできるサイトもつくってはいかがでしょうか。エキスパートの方々が、子育てに関するどんな悩みもその状況に応じてウェブで回答していくノウハウを持っている民間の力も取り入れながら、子育てに悩む親御さんたちへのソフト面の支援をしていくことがこれからの時代には重要になると思いますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 

4.次に、防災対策について、2点質問いたします。

 

 初めに、保育園・小学校におけるツイッターについてお伺いいたします。

 

 東日本大震災において、電話や携帯電話がつながりにくい状況の中で、ツイッター等のインターネット回線を利用したツールが情報伝達に力を発揮しました。今回の例を教訓に、電車など交通網がストップしたときは、混乱を防ぐため、原則その場にとどまるよう言われておりますが、小さなお子さんを保育園などに預けて勤務している保護者は、安心な状態だとしても、情報がなければ無理にでも帰るしかありません。東北などでは大きな余震も繰り返しあり、そういったときに、「今、園児たちは無事に過ごしていて大丈夫です」といった、その保育園ごとの情報を積極的に流している保育園も最近は多く見られ、それだけで親は安心です。

 

 そこで、お伺いいたします。区内の各保育園、小学校において、公式のツイッターアカウントを取得し、保護者が極力登録をしておき、災害に備えるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

 文京区では昨年3・11以降すぐに立ち上げており、今後整備していく方向です。

 

 当然、災害伝言ダイヤルは確実な方法と言えますが、更新してしまうとその前の情報は聞くことができないなどの多少の不便さがあります。ネット回線も100%ではありませんが、かなりのメリットがあります。両方を組み合わせて使用できるようにしておくことで、より保護者に安心を与え、混乱を防ぐことになると思います。ツイッターの成り済まし、リツイートによるチェーンメール対策などは、きちんとルールをつくっておけば防げる問題です。ぜひ区として仕組みを整備しておくべきと思いますが、御見解を伺います。

 

 次に、帰宅困難者の対策について伺います。

 

 東日本大震災の際、中野区内でも駅周辺をはじめ帰宅困難者が発生し、対応に追われる事態もありました。首都直下型地震等の発生確率が高まっていると言われる中、今後、中野区の帰宅困難者対策も進めていかなくてはならないと考えます。東京都で出している被害想定では、中野区の帰宅困難者は4万1,000人程度と想定され、区の地域防災計画に掲載されています。千代田区では、中野区とは比べ物にならない企業の多い区ではありますが、自治体が区内の事業所等に呼びかけ、地域協力会を立ち上げて対策を協議した上で帰宅困難訓練を実施しています。神奈川県大和市では、自治体が中心となり駅に協力を仰ぎ、地域防災リーダーが帰宅困難者役を務めたシミュレーション訓練を行っています。

 

 中野区も、駅周辺での混乱を少しでも防ぐため、まずは鉄道事業者や周辺の企業などに呼びかけて、協議会を設けるなど体制づくりを進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。近い将来に中野区内の帰宅困難者対策訓練も行えるよう準備をしておくべきと考えますが、御見解を伺います。

 

 最後に、その他の項目として、高齢者福祉センターの廃止について伺います。

 

 当センターは現在、利用者にとっては日々の生活サイクルの中で生きがいともなっているかけがえのない地域活動の拠点となっており、その利用者の多くは、町会・老人会など地域や仲間に積極的なかかわりを持ち、見守り・支えあいを日常的に取り組んでくださっている方々です。区は、こうした支えあい活動の一層の充実のために支援していく必要があると思います。今回の廃止については突然のことであったため、利用者の皆さんは、廃止後の施設利用のあり方について、大変不安を抱いていらっしゃいます。

 

 昨日の市川議員の質問に対して、区長は今後の施設のあり方について、「本年7月までには区の考え方を示す」と述べられました。このセンターで既に活動している利用者の方々が居場所・生きがいを失ってしまうことのないよう、十分検討した上で考え方を示し、もし一定の理解が得られない場合には、施設廃止の延期も視野に入れ、協議を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、私のすべての質問を終わります。

 

 御清聴ありがとうございました。

 

                  〔区長田中大輔登壇〕

 

○区長(田中大輔) 甲田議員の御質問にお答えいたします。

 

 アール・ブリュットの発信への支援についてということであります。区民への周知方法についてですけれども、昨年、区内で実施されましたアール・ブリュット展につきましては、まちの話題として、区から各報道機関に情報提供して、新聞社や地元ケーブルテレビにより報道されたところでもあります。御質問の中にありました巡回展に関しましても、報道機関に情報提供するとともに、その内容をホームページにも掲載するなど、周知をしていきたいと、このように考えております。

 

 アール・ブリュットの発信支援についてということです。各国での展示会やオランダでの巡回展について、主としてアール・ブリュット展の巡回を担っております愛成会のほうから依頼があり、作品の一時保管の協力を行っているところであります。この団体から具体的な要望があれば、メッセージを発信するということについては協力を惜しまないという考え方でございます。

 

 それから、アムステルダムを訪問してはどうかと、こういうことなんですけれども、予算ですとか時期や日程などから考えて、これは難しいと、このように考えているところであります。

 

 それから、アール・ブリュットの作品展示につきましては、各都市との、国際交流している姉妹都市にもこういった芸術を通じての交流を加えてはどうかと、こういうことですけれども、このアール・ブリュットにつきまして、各都市との友好交流が進んでいく中で、適切な機会があれば紹介もしていきたいと、このように考えております。

 

 また、今後の支援ということで、巡回展終了後、企画があれば積極的に支援するべきだと、こういう御質問でありました。まちのにぎわいや活性化につながるような具体的な提案があれば、要望を踏まえて支援のあり方、これを検討していきたいと、こう考えております。

 

 それから、地域の見守り・支えあい事業に関連しての御質問であります。支えあいサポーターという、そういった方たちを養成してはどうかと、こういうことです。地域の支えあいについては、区民が安心して暮らせる地域社会の実現のために相互の支えあいが不可欠である、このことを理解することから始まるものと考えております。御提案のあったサポーター養成講座、これにつきましてですが、現在実施している地域支えあい推進講座といった講座を区としてもやっているところでありまして、今後ともこれを工夫して取り組んでいきたいと、こういうふうに考えております。

 

 また、サポーター、支えあいの活動をしていただくという皆さんをふやしていくためのさまざまな工夫、ゆるキャラマスコットの提案もあったわけですけれども、さまざまなグッズやマスコットといったようなものの活用なども含めて検討していきたいと、このように考えております。

 

 それから、妊婦健診未受診者の問題であります。妊婦健診未受診者の状況につきましては、現在のところ、正確な数値的な把握というのはなかなかできておりません。今後ですけれども、新生児訪問や乳児健診の際に聞き取るなどの方法で実態調査に努めていきたいと、このように考えております。

 

 また、妊婦健診の未受診者を減らすために、現在は母子健康手帳を交付する際に、その妊婦健診の必要性について、これは丁寧に御説明をしているということでもあります。

 

 それから、「妊娠がわかっていろいろ悩んでいるあなたへ」という、こういうチラシがございます。こうしたチラシを医療機関や区関係部署、区内ドラッグストアの妊娠検査薬のコーナーに設置するなど、相談や支援につなげる広報を行って、未受診者を減らすように取り組んでいるところであります。今後とも、実態把握とあわせて、より有効な手法を検討していきたいと、こう思っております。

 

 それから、小児科相談券の利用、実際に利用が少ない、実績が上がっていないではないかという、こういったこともありました。今後、母子手帳を交付する際には、利用者が小児科相談券に関する理解を深められるように、妊婦健診の受診票つづりと一緒にした形でお渡しをするなどの工夫をしていきたいと、このように考えております。また新生児訪問、これや母親学級などでもこの小児科相談をお勧めするほか、医師会において産科・小児科の連携を強めて、この制度の活用をより図っていただくように働きかけを行っていきたいと、このように考えております。

 

 それから、グループ型家庭福祉員事業についてであります。グループ型家庭福祉員事業の実施場所として考えております区内の国家公務員宿舎につきましては、国の関東財務局との間で協議を進めているところであります。平成24年度に具体的に場所を提示していただけることとなっております。

 

 当該事業の運営につきましては、家庭福祉員の一定のレベルや安定的な運営が必要ということから、企画提案公募型事業者選定方式によります事業者募集を予定しております。

 

 なお、参加意欲を持つNPO法人等ですが、情報としては既に複数の情報を得ているということであります。

 

 家庭福祉員の連携による負担軽減についての御質問もありました。区と家庭福祉員の連携につきましては、区の担当者の巡回による相談支援や、あるいは区立保育園が家庭福祉員の休業時の保育支援などを実施しているところです。家庭福祉員相互の連携につきましては、年2回程度の連絡会を開催して、情報共有の機会を提供しているところであります。区としては、今後も家庭福祉員事業を拡充していくことにしているところでありまして、事業が拡大することによって、家庭福祉員が互いに協力しながら保育を継続する。そうしたことがより可能になっていくことであり、また、それが結果として負担軽減にもつながるのではないかと、このようにも考えております。

 

 それから、緊急一時保育を出産で利用するときの期間延長についての御質問がありました。出産時の緊急一時保育を1カ月程度、実は周辺区、渋谷、新宿、杉並、世田谷、豊島、練馬と調べましたらば、1カ月程度実施をしているということであります。そうした状況を参考にしながら、中野区としても利用期間について伸ばせるよう検討していきたい、このように考えております。

 

 それから、ホームページの子育てサイトについてであります。子育てサイトをもっと夢のある明るいデザインにするべきではないか。また、その前提として、よりわかりやすくということもあったと思っております。御指摘のように、子育て中の親御さんも見やすくて情報を探しやすいホームページのデザインを心がけていくということは大変大事なことだと思っております。中野区のホームページもそのようなサイトになるよう、さらに改善をしていきたいと、このように考えております。

 

 それから、ユニバーサルデザインなんですが、現在の中野区ホームページはユニバーサルデザインの基準に基づいてつくられておりますけれども、来年度は新しい基準に対応するための準備を現在進めているところであります。

 

 また、子育て応援サイトを別建てにしてはどうかと、こういうことなんですが、子育て支援情報だけを集めた総合的な子育て応援サイトをつくるということになりますと、今のホームページのかなり大幅なシステム改修が必要になってまいります。したがいまして、当面は見出し項目の表記をわかりやすく具体的なものにするなど、閲覧者が求める情報をすぐに見つけられるような工夫をしていきたいと、こう考えております。

 

 それから、相談支援サイトに関連して、メールを活用してはどうなのかと、こういうことであります。子育ての相談は現在、主に子ども家庭支援センター、すこやか福祉センター、それから母子生活支援施設のさつき寮などで、窓口と電話で行っているところであります。相談の内容なんですが、問い合わせや施設の紹介など軽微なものから緊急性があるものまで含め、多種多様になっています。そうしたことから、メールという文面に制約があるそういう中で、相談内容を全体を把握して適切に対応するということについては、かなり難しいのではないかというふうに判断をしているところで、現在は行っていないということであります。

 

 民間で導入しているウェブを活用した相談につきまして、活用することの具体的なメリットなどを把握する必要があると、このようなことを考えているところであります。

 

 私からは以上です。

 

                 〔教育長田辺裕子登壇〕

 

○教育長(田辺裕子) 防災対策につきまして、小学校、保育園におけるツイッターによる情報発信についての御質問がございました。

 

 災害時、多様な方法で情報を発信することは大切だと思っておりますが、保育園や学校の幼児・児童・生徒の安全確保を第一に対応しながら情報発信を行っていくことには限りがございます。区としては、より確実と思われる災害用伝言ダイヤルの活用を図っていく考えでございます。

 

 ツイッターにつきましては、御質問にもございましたけれども、情報伝達の一つの方法ではございますが、災害時などには発信に対して不特定多数の書き込みが想定されるなど、情報混乱の可能性があり、現時点では課題もあるため、今後研究してまいりたいと考えております。

 

                〔都市基盤部長服部敏信登壇〕

 

○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、防災対策のうち帰宅困難者対策についての御質問にお答え申し上げます。

 

 帰宅困難者対策につきましては、今後進めるべき重要な震災対策の一つであると考えてございます。この対策も含めまして、発災時におけます連携や協力体制のあり方につきまして、中野駅周辺の企業や事業者等と協議してまいりたいと考えてございます。

 

 以上でございます。

 

              〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕

 

○地域支えあい推進室長(長田久雄) 高齢者福祉センター転換に関する利用者との調整について御質問をいただきました。

 

 高齢者福祉センターの転換に当たりましては、引き続き利用者や地域の方に対し意見交換会なども実施しながら、御理解をいただけるよう丁寧な説明を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 

 以上でございます。

 

                 〔甲田ゆり子議員登壇〕

 

○4番(甲田ゆり子) 1点だけ再質問をさせていただきます。

 

 先ほどの支えあいサポーター養成講座、これは仮称ということで御提案をさせていただきましたが、現在実施している地域支えあい推進講座というものがあるということですが、これは具体的にどのようなことをされているのか。また、今後とも工夫して実施するということなんですが、私の提案では、養成講座の開催の仕方は、多くの皆さんが、区民が知っていただいて自発的に受けていただくためには、きめ細かい開催の仕方が必要と思われます。それには認知症サポーター養成講座のような小さな単位での開催も必要かなと思っております。地域の現場の声とか、区民活動センターなどの中でもこの事業についていろいろお話をしていく、話し合いをしていく必要があると思っていますが、進め方としてどのように考えているのか、教えていただければと思います。

 

 以上です。

 

                  〔区長田中大輔登壇〕

 

○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。

 

 地域支えあい推進講座という名称をもちまして、現在は4カ所のすこやか福祉センターが実施するという形で運営をしておりますけれども、実際に今年度の実績で言いますと、中部地域の支えあい講演会ということで、町会・自治会、民生児童委員、友愛クラブ、区民活動センターの事務局の方などの関係者を対象にした講座を開催いたしました。そのほかでは、東部区民活動センターで3回、それから、上高田の区民活動センターを会場として認知症サポーター養成講座、これを上高田ふれあいの会が主催するのに対して、講師、中野包括支援センターを派遣するというような形で行うと。これはこれからやるんですけれども、そういったような形での推進講座という形になっております。

 

 現時点ではまだ始まってあまり実績もないし、どういう形態で行っていくかということについてはさまざまな模索をしているという、そういう状況だというふうに御理解いただきたいというふうに思っております。

 

 当然、これを回を重ねていく中では、御提案にあったように、きめ細かに地域の中で開催していくでありますとか、いろんなテーマやいろんなレベルで開催することによって、ハードルを下げていったり、多くの方に参加していただいたりといった工夫が可能になっていくのかな、このように思っております。これから24年度の事業の中で、より充実した形をさらに追求していきたい、このように思っております。

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