次に、5番、自転車対策について伺います。

 危ない自転車対策については、誰もが案じているところです。若い人がスピードを出して高齢者等にぶつかり、被害者が重傷になるケースがふえています。警視庁のホームページを見ますと、中野区内の自転車関連事故はとても多く、特に幹線道路沿いで事故が多発しております。危ない自転車ベストファイブは、私の主観ですが、スピードの出し過ぎ、無灯火、傘差し運転、携帯を見ながらの運転、そして車道の逆走だと思います。この五つが改善されるだけでも、相当に自転車事故が減るのではないかと思います。

 中野区では、この状況の打開のためでもあると思いますが、自転車安全講習会を今年度から始め、7月7日(日曜日)の午前、午後と、13日(土曜日)の午前、午後と、2日間で4回行ったと聞いております。自転車安全講習会ではどのような内容をやっているのでしょうか、伺います。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 本年7月に開催の自転車安全利用講習会におきましては、警察署による交通安全講話、啓発ビデオ鑑賞、それから、東京都青少年治安対策本部の協力によります自転車シミュレーター体験を実施したところでございます。

○甲田委員 この自転車安全講習会、聞きますと、参加者数はそれぞれ12名、6名、3名、15名の合計36名ということですので、ちょっと少ないと感じます。1回につき20名にも満たない講習会では、開催するのがもったいないと思います。まだ始まったばかりですので仕方がありませんが、広報の仕方にも問題があると思われます。この講習会参加者の年齢層はどうなっておりますでしょうか。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 年齢層につきましては、30代が1名、40代2名、50代が5名、60代9名、70歳以上は17名、未記入の方が2名でございまして、2日間で計36名の参加者でございました。

○甲田委員 若い人が加害者になるケースが多いのに、20代、30代がほとんど参加しておりません。若いときは怖いもの知らずで、スピードを出して車よりも速く走ろうとする場合があり、事故の怖さを知ることが大切と考えます。けれども、若い人たちはお知らせをしたとしても、あまり関心がなければ来ないと思います。今後、特に加害者となるケースが多いと思われる若者の参加者をふやすために、何かお考えはありますでしょうか、伺います。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 今後は、さらに受講しやすい環境のもと、幅広い年齢層の区民に参加してもらうために、町会、それから自治会への講習会参加の勧誘や、各区民活動センター運営委員会へ働きかけを行いまして、各種イベントが行われる場所へ出向きまして実施することを予定している次第でございます。

○甲田委員 町会・自治会や学校関係などの団体で捉えやすい人たちというのは、この若い年代ではないと思います。一方、毎日駅まで自転車に乗り、公共交通機関に乗りかえて通勤・通学をする人たちは10代から30代が非常に多いと思います。このような人たちにマナーやルールを徹底する努力が非常に大事であると考えます。私は、昨年の第4回定例会の一般質問でも申し上げましたが、区が運営する駐輪場利用者に魅力的なインセンティブを与えることによって、講習会に参加する人は格段に上がると考えます。

 先日、三鷹市の取り組みを視察して聞いてまいりました。三鷹市では、平成16年より自転車安全教室を行ってきました。一般向けに年8回、小学校3年生向けに16校、それぞれ1回ずつ、3人乗り自転車のレンタルを行っておりますので、その利用者に向けた講習会を年2回実施しています。そのほかに、中学生には市内に7校ある各中学校に3年に一度ずつめぐってくるようにして、スタントマンがリアルな事故現場をさまざまな場面構成で見せてくれるスケアードストレート式の自転車教室を実施しており、全中学生が一度は見ることになります。担当者いわく、この方式で見せると、まだ感受性豊かな年代である中学生は、わあとか、きゃあとか言いながら、真剣に食い入るように見ているということです。生身の人間の実演は臨場感にあふれています。スケアードストレート式講習会の取り組みにつきましては、これまで中野区内で実施された実績はどれくらいあるのでしょうか。また、これからこうした取り組みを行おうとしている予定を把握していればお聞かせいただけますでしょうか。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 中野区内で過去3年間でございますが、中野、野方両警察署主催で7回、中学校、高等学校を会場に、スケアードストレート式自転車安全教育を実施してございます。これからの予定でございますが、今年度6月に第四中学校で、それから9月に第七中学校で野方警察署主催により実施をしているところでございます。今後も中学校での実施や町会主催での実施も予定されているというふうに聞いてございます。

○甲田委員 警察署の主催による開催が結構あるということで、これから実績を検証していただければと思います。

 さて、本題ですが、三鷹市の安全教室のインセンティブは三つあります。一つは、自転車の安全運転証がもらえます。一見、自動車の免許証のようなカードです。二つ目は、TSマークつきの自転車保険と自転車点検・整備費用合わせて1,000円助成してもらえる割引券、そして三つ目が、定期利用駐輪場を申し込みの際の抽選時やあき待ち時における優先的な取り扱いです。この最後の駐輪場の優先は功を奏し、駅前駐輪場が全面有料化になった平成23年は、年間1,300人を超える方がこの教室に来たということです。自転車関連交通事故数については顕著な数字とはなっておりませんが、自転車関連の死亡事故については、約5年間ゼロを更新しているそうです。ただ、これらのことを平成16年当初は自転車の事故が年間457件だったのに対して、300件ほどとなり、30%以上の減です。ちなみに、三鷹市がこの事業につけている予算は150万円だそうです。

 私は、三つ目のこの駐輪場の優先的な取り扱いについて、もしこれが中野区でもできるのであれば、20代、30代の若者層の講習会参加者がふえ、ルール、マナーを学ぶよい機会になるのではないかと考えます。このような区営自転車駐輪場における講習会参加者への優先的なインセンティブをつけるということについては、運営上可能なことでしょうか。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 定期利用の優先受け付けにつきましては、区の利用受け付け方法などを工夫することによりまして、定期利用の多い自転車駐車場においては、インセンティブの可能性が生まれることが考えられると思ってございます。区としては、実効性のある定期利用の優先受け付けについて検討していきたいと思ってございます。

○甲田委員 自転車安全教室の参加者数の伸びだけで事故数が減るとは思いませんが、マナー、ルールの徹底が図られることが大事な取り組みだと思っております。そのためには何らかの思い切った手だてが必要と思います。条例をつくって取り締まりを強化するという方法については、たばこのポイ捨て同様、それこそもっとコストがかかり、実現が難しいのではないかと思います。

 今せっかく開催している講習会に多くの区民、特に若い人が集まるよう、中野区版お得な自転車教室として開催すべきではないでしょうか。再度、見解を伺います。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) ルール、マナーを守らない若年層がふえてございます。効果的な啓発を行う必要性について非常に感じてございます。受講を促すため、特に若い人たちへの呼びかけや参加しやすい方法について今後も検討してまいりたいと、このように考えてございます。

○甲田委員 ぜひ、目に見えて講習会参加者がふえ、危険な自転車が減ったと実感できるよう取り組んでいただきたいと要望しまして、この項の質問を終わります。ありがとうございました。

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