最後に、4番、その他。新井薬師前駅周辺まちづくりについて伺います。

 

 今年度は西武新宿線連続立体交差事業が事業化され、いよいよ26年度は駅前広場や交差道路等の都市基盤整備に向けて事業化の検討を進めるということです。昨年末は地域住民の皆様にアンケートをとっていただき、回収率もよく、関心の高さが示されました。また、アンケート回答の結果では、魅力と課題が浮き彫りになり、まちづくり検討会においてもまちづくり計画の案をさらに具体化していくのが26年度であると思います。そこで2点お伺いいたします。

 

 1点目は、新井薬師前駅の地下化に伴い、新駅舎の出入り口について伺います。現在、新井薬師前駅については北口と南口がありますが、線路がなくなった後は、同じ位置、いわゆる駅前広場側には当然1カ所の地上出入り口ができます。昨年12月の説明会においてもそのように説明がありました。質疑応答の際、「地上出入り口を東側にもつくってほしい。2カ所にする予定はないのか」という質問に対して、「西武鉄道としては今のところ出入り口は1カ所と考えている。災害用非常口としてもう1カ所の階段と出入り口をつくっておき、ふだんはあけないようにする方向だが、まだ具体的には決まっていない」という趣旨の回答があったと思います。

 

 その後、私もさまざまな区民の方から声をいただきました。今回、都市計画道路であり、鉄道交差道路、補助220号線の整備が決まり、将来的に220号線のほうにもバスが通る可能性があるということが言われているため、出入り口は当然、東側にもできると思っている住民が多いことを感じております。区にもそのような御意見は届いているかと思いますが、いかがでしょうか。西武鉄道に要望していただいているのかどうか伺います。

 

 

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) お答えいたします。昨年12月の連続立体交差事業の工事説明会や地元のまちづくり検討組織であります新井薬師前駅周辺のまちづくり検討会でも、出入り口に関するさまざまな御意見が出されていることは承知しております。今後、検討会等の提案をもとにいたしまして、まちづくり計画を策定し、その中で駅の出入り口のあり方を決めてから、西武鉄道側にも具体的に協議してまいりたいと考えております。

 

○甲田委員 他の路線で連続立体交差事業において出入り口を複数つくったという事例もあると聞いておりますが、そのようなことも可能性はあるということでよろしいでしょうか。

 

 

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 西武の池袋線の連続立体交差事業におきまして、石神井公園駅で、地元からの要請を受けまして練馬区が西武鉄道と協議し、費用を一部負担して改札口を増設した事例がございます。今後、区といたしましても、まちづくり検討会での提案を踏まえて、新井薬師前駅、沼袋周辺のまちづくり計画を策定いたしまして、この計画に合わせて出入り口のあり方を十分検証した上で、整備方法等も含め、可能性を探ってまいりたいと思っております。

 

○甲田委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 

 2点目に、立ち退き対象者に対する情報提供について伺います。今回、西武新宿線の連続立体交差事業と補助220号の両方の事業がほぼ同時に行われることになるため、新井薬師前駅周辺は立ち退きの対象者が相当多く、今まで長く住んでいた住民も減り、まちの活力や地域の支え合いにも少なからず影響が出るという懸念もあります。住民は、できればコミュニティを培ってきた地域、住みなれた地域で住みかえたいと願っているのも多いのが現状です。東京都からの補償は当然のことながら、あわせて区は丁寧な説明とともに、さまざまな情報提供をし、専門家の派遣なども行っていくものと承知しております。

 

 その上で、さらに立ち退き対象地権者にとってより有効な情報を活用できる支援を強化していただきたいと思います。区内の民間事業者では、建築設計関係の会社、不動産会社、経営コンサルタント、銀行などが合同で、古いアパートや住宅、空き地などの有効活用の仕方についての相談会を定期的に開催しているところがあります。銀行の会議室などを使って、賃貸経営、土地活用、税金対策など、さまざまな疑問、相談に答える無料相談会を実施しています。

 

 これはあくまで一例ですが、このような事例も参考にしていただきながら、この機会に地元の建築、不動産、法律家、銀行などの知識、情報と、情報を欲しい側の地権者とのマッチングをする、例えば情報交流の場などを提供できればと考えます。そうすれば、区内事業者にとっても活力が生まれ、地権者にとっても有効な方法について選択肢が広がります。そういった方法も視野に入れながら、より丁寧で手厚い情報提供をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

 

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 都市計画道路等の事業の実施に当たりましては、計画線にかかります関係権利者の御理解や御協力なしでは事業を推進することはできません。このため、区といたしましては、区が施工予定の区画街路第3号線や区画街路第4号線、補助第220号線の関係権利者様に対しまして、立ち退きに対する意向調査や個別相談会を実施するとともに、事業認可後は用地補償にかかわります説明会を開催し、関係者が不安なく事業や補償、移転につきまして御協力いただけますよう、委員の御提案の趣旨等も考慮に入れながら、きめ細かい対応や情報の提供を実施してまいりたいと考えております。

 

○甲田委員 ありがとうございます。とても区としては大変なことだと思いますけれども、民間の活用もさらに考えていただければと思います。新井薬師前駅周辺の地域の方々は、今、住んでいる人たちがどこか知らない土地へ転居しなくてもよいようにと切に願っております。補償や時期については、法律上、決まった分だけしかできないわけですが、さまざまな情報や知恵は民間の方々が持っているものを結集して、より手厚い情報提供の支援を考えていただきたいということを要望しまして、以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

 

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