今日は、「介護の少ない街、和光市」の取り組みを視察させていただきました。
平成15年の介護保険制度の立ち上げ直後より、介護保険サービスは「介護予防」のために使うものであると目的を明確にし、「要介護からの脱却もしくは悪化の防止ために介護サービスを受けるのだから、要介護から要支援など介護度が下がることは喜ばしいことである」ということを、市民の皆様や参入する事業者に徹底して理解をしていただく努力をしてきたそうです。
そのことが功を奏し、現在、地域包括支援センターもケアマネも医療機関も、そして、家族も、ケアコミュニケーション会議の中で課題を共有しながら目的に向かって一丸となって進んでいくことができています。
たとえば、「掃除ができない」のは状態であって原因ではない、ではなぜできないのか、「廃用症候群による」「認知症のため」「高齢による衰弱」「脳梗塞による半身まひのため」など、その原因は人によって違うのであり、その原因を取り除くための施策を個々に組み立てなければならない、嚥下機能が落ちている場合には嚥下訓練もしないといけないのに、床ずれや排せつ介助しかやらないというのでは良くなるわけがないということなのです。
何が何でも給付の限度まで使い切って無駄なサービスまで受けさせることはしない、特養に入れなくても、在宅で介護が可能となる具体的な支援を打ち出し、そのために少しだけ介護保険料を上げたとしても理解をいただけるように情報共有をしています。
8万人人口の市ですが、特別養護老人ホームは1軒60床しかないそうです。特養を否定しているわけではないが、特養に代わる支援、仕組みが、ちゃんと用意されてきているのです。
保健福祉部長である東内部長は、厚生労働省に出向していたこともある優秀で熱意あふれる方でした。
全国から視察が殺到しているそうで、毎回、1自治体だけでは視察を開催せず、今日も4市の地方議会の皆さんと合同の視察でした。
大変に実りある視察を受け感じたことをもとに、早速、中野区の課題を洗い出し、検討していかなければ、と議員団皆で決意して帰ってきました。