4月17日、長野県佐久市の岩村田本町商店街(阿部眞一理事長)を訪ね、同僚議員とともに視察してまいりました。

今回の視察は、阿部理事長が中野区が事業として企画した昨年度のライフサポートビジネスセミナーに来ていただき、ぜひ現地を視察させて頂きたいと思っており、やっと実現することができました。

やはり、百聞は一見に如かず。現地を見てさらに感動しました。

50年近く前高度成長期には黄金期だった商店街が長野オリンピックで新幹線などのインフラが整ったのをきっかけに、大型商業施設ができ、商店街は全くお客様が来なくなってしまいました。我慢をするも一向に良くなるどころか、どんどん疲弊してしまう商店街

しかし、商店街の運営を担う役員たちは、皆、年を取っており、なかなか改革ができない。新陳代謝がなされない状況。

そこで、息子世代の青年部が下剋上を起こし、若者にやらせてほしいと改革を買って出ました。

「イベントこそが活性化」と信じていた人たちは、ありとあらゆるアイデアを出して、イベントをやりつくしていきました。

しかし、何年か経ったとき、ハタと気づけば、その時ばかり人が多く集まっても、商店街の個店は42店舗中15店舗が閉まってしまい、イベントに疲れた人たちが多く出たものの、売り上げはちっとも上がってはいませんでした。

イベントの成功基準が人集めに終わっていたことを反省し、売り上げに連動するような体制を取れていなかったことに気が付きます。

そこで、イベントをやめ、中小企業診断士等の先生に指導を受けます。「社長の息子は馬鹿でも社長になれる。しかし、本当の経営者にはなれない場合がある」と厳しく指摘を受けます。「経営は勉強しなければダメだ」と言われ、後継者養成講座を受講するなど、皆でじっくりと勉強を重ねます。

勉強し、議論し、地域の方々にアンケート調査をしたうえで気づいたことは、「地域密着型顧客創造型商店街」にしよう!「何のために」商店街はあるのか。それは、「地域の皆様と、共に暮らし、共に働き、共に生きる」ためであるという結論に至ったそうです。

今、この商店街には、空き店舗対策として商店街まず地域の一人暮らしの方から要望の多かったお惣菜屋さんがあり、子どたちを見守る居場所、塾(寺子屋)があり、若手起業家たちを育てるための場所を提供したり、東北復興支援の店もしっかりと営業されていて、観光というよりも、住民が住みやすい、買い物しやすい商店街として、なくてはならない存在へと発展しています。

理事長いわく、
「よそ者、若者、バカ者と言うが、ここにさらに大事なのは、女性の意見です」と言っていらっしゃいました。

女性の意見、視点を取り入れたときに、街が住みやすくなると肌で感じていらっしゃるようです。

そして、新陳代謝ができるよう、若者の育成、後継者の育成をしながら、50年先の将来、子や孫に何を残せるか、と考えながら、さらなる夢に向けて、発展と成長を続けるまさに生きている商店街という感じでした。

まちを良くするのは、行政ではなく、我々だ!との気概が感じられ、本当に素晴らしい取組みを見させていただきました。

これから、地域包括ケアと言っても、地域のビジネスがそこに住んでいる人と共に働き、生きていくことが本当に大事なことと実感いたしました。

まさに、これぞライフサポートビジネス。

都会も地方も関係なく、大事な商店街そしてまちの改革のカギがここにありました。

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