本日、地元松ヶ丘助産院の宗祥子先生の主催で防災講座(支援者向け)に参加させていただきました。
岡本正さんという弁護士の先生が講師で、「災害復興法学」(都市地震型・リーガルニーズ)の一端を学ばせていただき、大変に勉強になりました!
岡本先生は、東日本大震災で、弁護士が駆け回って無料で被災者の相談を受けた際の4万件を超えた「被災者の生の声」を何とかデータベース化したいと考え、自ら1年ほどかけて、毎日100件以上をパソコンに打ち込み、データを集積しました。
震災時は、何もかも日常と違い、想定できない事が起きます。被災者の相談で一番多いのは、生き延びたが故に悩む生活再建の事。
たとえば、「夫が亡くなり、買ったばかりの家も流されて、まだ未成年の子どもと二人、どうすればいいのでしょうか。」「住宅も全壊、家の権利証も身分証明書もなくなってしまいどうすればいいのか」など、何からどう手をつけていいのか分からない。罹災証明書や支援金制度の事など、知らずに申請もしていない場合がある。
知識がなく、情報が届かないことで絶望し、自殺を考えてしまう人もいれば、相談ができて糸口が見えたときに希望を持って「もう少し待てば」と気持ちを切り替えられることもある。
しかし、被災者だからと言って法律上、救済できない悩みもあり、そういう声が多い場合には、このデータをまとめ、政府に提言を行なって法律を変えるきっかけにしてきたそうです。
まとめたデータを次の災害支援につなげるため、震災リゲインという、NPO震災リゲインというところが情報提供のニューズペーパーを発行もされています。この記事の監修も岡本先生がされています。
災害が起きた後、政府や各省庁からの通達、保険会社や支援団体の情報は膨大にありすぎて、結局現場に行くほどその情報はやせ細り、被災者に届かないメカニズムがあるそうです。
それをすべて自治体の職員に望むのは無理であるということは、まさにその通りであると思いました。
被災後の総合的な窓口として、弁護士会が都道府県と協定を結んで震災後などに気軽に相談できる窓口を開設していただけるようですが、そんなことをはじめとする、ちょっとした知識の備えは、一般の国民ができるよう、常日頃からの啓発が必要です。
「いざ」と言うとき、備えておくべきは、食糧、水、トイレなどのほかに、「情報」や「智恵」の備蓄が大事であるということを実感しました。