この数年、私・甲田ゆり子は、中野区議会で「子ども食堂」についてたびたび質問をし、推進をしてまいりました。

私が2016年頃から提案を始めてよりこの5年間で、子ども食堂の支援・助成金制度は年々拡充し、全国的な広がりや社会福祉協議会のネットワーク支援もあいまって大きく前進してきました。

 

食を支えることは生きることを支えることです。

また、子育ての先輩たちが後輩を支え、地域の子どもたちを見守るということも素晴らしいと思っています。

今後も、この活動を側面から応援しています。

 

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私が区議会で「子ども食堂」について質問をしてきた内容(議事録)を以下に記しておきます。

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平成28(2016)年2月22日中野区議会本会議(第1回定例会)

(1)親子の育ちを支える子育て支援資源の連携について

 地域のリソースの一つとして、最近全国各地に急速にふえてきた子ども食堂というものがあります。(中略)

私は、人間の体、心の健康にとって一番の根幹である食を通じた支え合いをしていくことが今後ますます重要であると考えています。地域には間違いなく支える活動をしたいと願っている人、支えられながらも、なおかつ地域や人々に貢献したいと望んでいる人がたくさんいます。

国は、お金、場所の確保を課題として、自由度をもって運営できる居場所を展開していくためにもコーディネーター養成や立ち上げの経費を補助していく方向を持っています。17日の都議会での舛添都知事の所信表明で、都は子ども食堂などの区市町村の取り組みを補助していくという考えを明確に示しています。

新しい時代の子育て支援の資源をつなげる仕組みについて本格的に取り組む時代が来ていると思います。地域で、場所、資源、労働などを少しずつ提供してくれる方を掘り起こしていく、地域を耕していく作業は自治体の中で行っていくしかありません。

子ども食堂を切り口に、子どもを支える地域社会の実現に向けて、地域の資源をつなぎ合わせる仕組みをつくるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 

田中大輔区長答弁

食を通じた親子の育ちを支える地域づくりについてであります。食を通じた子育て支援などのように、地域の活動や公益活動に参加する方々の関心や動機は多様であります。全員参加型社会をつくり出す上では、こうした関心や動機を的確に捉え、地域の課題やニーズに向けて機能発揮できるようコーディネートしていくことが重要だと考えます。すこやか福祉センターが十分にコーディネート機能を果たせるよう、人材教育を含め体制を整備してまいりたいと考えております。

 

平成30(2018)年2月28日中野区議会予算特別委員会

○甲田委員 

3点目に、子ども食堂 や学習支援をする事業への財政支援について伺います。東京都は30年度予算案に子ども食堂 や学習支援に補助をする新たな予算を盛り込んでおります。中野区内には無料で子ども食堂 や学習支援などをボランティアで実施されている方がいます。定着してきたものについては、親子たちのよりどころとなってきています。子ども第一の地域づくりの一つとして財政支援の仕組みも検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

 

○神谷子ども教育部副参事(子育て支援担当) 

現在区では、地域に展開される子育て支援活動に係る支援につきまして、区民公益活動への基金助成や政策助成などを通じて実施してきているところでございます。

 平成30年度より東京都が子ども食堂 を行う団体等へ支援事業を創設するといったことも聞いているところでございまして、事業の詳細を確認いたしますとともに、現行の取り組みとの役割分担等を整理した上で対応のほうを検討してまいりたいと考えてございます。

 

○甲田委員 

お願いいたします。私は、少子化対策といっても、子どもの貧困対策といっても、子どもたちを一人も置き去りにせず、健全に育つ地域社会をつくることが一番大切だと思っております。産後鬱や児童虐待、発達障害などによるいじめの問題などなどで、子どもたちがドロップアウトしてしまうことが一番の社会的損失につながるわけで、ここに着眼点を置いて、切れ目のない支援にしっかりと力を入れていくことが重要です。実は、余り目立たないんですけれども、その大事なところから優先的にきちんと予算をつけていただいている方向性であることを評価したいと思います。予算を執行する上でも、この点をしっかりと職員が共有をして推進をお願いしたいということを要望いたしまして、この項の質問を終わります。

 

令和2(2020)年02月27日中野区議会予算特別委員会

 ○甲田委員

子ども食堂について伺います。子ども食堂の補助経費が本年度も昨年度と同じく240万円で計上されています。年間24万円を10か所の子ども食堂に手挙げしてもらう見込みだったと聞いていますが、現状をお聞かせください。

 

○伊藤育成活動推進課長 

子ども食堂の運営助成については、東京都の助成制度を活用していることから、他の助成制度を受けている場合は申請できないなどの制約もあり、令和元年度の申請件数は1件でございました。制度の周知については、区報、ホームページのほか、昨年3月に区内の子ども食堂運営団体等の連絡会において説明を行ってございます。また、6月には再度、当該連絡会において助成制度の内容等について案内を行ってきたところでございます。今後も引き続き制度の周知に努めるとともに、新規に子ども食堂の実施を希望する団体に対し、申請手続の方法など適切な案内をしてまいりたいと存じます。

 

○甲田 委員 

現状は1件ということで、それでもまた同じ予算をつけるのであれば、何か方策を考えるべきではないかと考えます。

都の補助事業については、申請や報告など条件の縛りがあるため、結局申請せずに行っているところが多いのだと思います。社協のこどもほっとネットのパンフに掲載の区内の子ども食堂は、2019年7月現在で10か所となっていて、社協のネットワークに入っていない子ども食堂もあると思います。しかし、区のほうには1か所しか申請されていないということは、これはどれほど使いにくい補助金であるかが表れています。

 

 先日参加した研修で明石市長の講演を聞く機会がありました。児童相談所設置にも自ら全国13か所の児相を見て回った結果、納得のいく児相がないので、自分が明石市に納得のいく児相をつくろうと決意し、児童福祉司や弁護士、医師も普通の児相の倍の陣容で人材確保も思い切った施策を行っていると聞き驚きました。時間がないので詳細は省きますが、市長は、市から虐待を撲滅する、泣いている子どもを一人も出さない、一人も置き去りにしないという思いから、3年かけてこども食堂を小学校区に一つ以上造ったとのことでした。現在では市長の熱い思いに呼応して全28小学校区に計42か所のこども食堂が造られているそうです。あかしこども食堂の定義は、子どもの居場所であり、気づきの拠点として位置付け、運営は市民の活動として地域の会館や小学校の中で開催をしています。このことにより児相のケースワーカーがこども食堂とつながり、早期の気づきを生かし、まちのみんなで子どもを応援するという見守りの体制の強化を図っているとのことでした。こども食堂への支援は、明細書など面倒なことは一切言わずに、年間30万円ほどを渡し切りにしているというのでさらに驚きました。また、食事ができない子どもたちがいたら、夕御飯を届けるというこども宅食も同時に実施しています。小学校区に一つがよいかどうかは別にしまして、中野区内でもそのぐらい、いつも毎日、どこかの子ども食堂が開催をしているということになれば、セーフティネットの役割をしていただけるのではないでしょうか。まずは、社協に頼りきりのこどもほっとネットワーク参加団体との連携を、中野区が積極的な支援をする体制に変え、あかしこども食堂のように踏み込んだ対策で子ども食堂を増やす取組を検討してはいかがでしょうか、区の見解を伺います。

 

○伊藤育成活動推進課長 

現在、子ども食堂へは区が運営費の補助を行うほか、社会福祉協議会による活動費の助成や団体の立ち上げ支援、その後の運営方法の支援などを行ってございます。子ども食堂は食を通じた子どもの交流の場となってございますが、様々な事情で食堂に行くことをためらう子どもや保護者がいると聞いてございます。来年度実施を予定している地域子育て支援に関する調査研究の結果を踏まえながら、社会福祉協議会や関連部署と連携し、子ども食堂を必要とする子どもたちの利用につながるように取り組んでまいりたいと考えてございます。

○甲田 委員 

伊藤課長のところだけではなく、これはもう少し大きな政策としてぜひやっていただきたいと思います。そして今後、セーフティネットということですから、併せて子ども宅食も行うべきと要望いたしまして、この項を終わります。

 

 令和3(2020)年2月26日中野区議会予算特別委員会

〇甲田委員

子ども食堂 と食の支援について伺います。

以前より子ども食堂 については、区が補助金支援をするだけではなく、実施団体のバックアップが必要と訴えてきました。社会福祉協議会はもちろん後押しをしておりますが、区の担当は、補助金申請窓口としては子ども教育部の育成活動推進課であり、活動場所についてはその場所それぞれの所管となるようです。実施団体の支援、相談窓口を一本化してはと考えますが、どの部署が担うのか、お答えください。

 

○細野育成活動推進課長 

区有施設で子ども食堂 を実施する場合は各施設の所管部への利用申請等の手続をお願いしているところですが、子ども食堂 の実施団体への支援につきましては子ども教育部が主に担うものというふうに考えてございます。また、子ども食堂 運営助成金における支援のほか、活動場所や周知、広報に関する支援なども充実させて、さらに子どもの貧困対策の他の政策とも連携強化が図れるように体制を整備していきたいというふうに考えてございます。

 

○甲田委員 

実施団体の方たちは貧困家庭や困難を抱えるひとり親家庭などに届けたいという思いで実施をしています。しかし、区から貧困家庭の個人情報を頂くわけにはいきませんし、何より貧困に特化したのでは参加がしにくくなる方もいるであろうと配慮して、参加する方を限定せずに広く食事を提供するスタンスを取っています。そこで、子ども食堂 実施団体への理解とモチベーションを高めるため、区からの情報共有に力を入れてはどうかと思います。個人情報を出すということではなく、逆に子ども食堂 の実施情報をまとめて子育て家庭に届ける仕組みで支援することができないでしょうか。例えば就学援助を受けている御家庭やしいのき塾に通う子どもやその家庭に子ども食堂 開催等の情報を届けることを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

○細野育成活動推進課長 

子ども食堂 支援は食のセーフティネットの確保につながる取組であって、大変大切な施策であるというふうに認識してございます。就学援助やしいのき塾に関する通知などの機会を捉え、子ども食堂 の情報をお知らせすることなど、食に困っている家庭への情報発信を強化していく考えでございます。

 

○甲田委員 

ぜひよろしくお願いいたします。

  現在、環境部や社会福祉協議会では、お菓子などの物品寄附を受け付けると、随時開催中の子ども食堂 にネットワークでお渡しくださっています。子ども食堂 で配布をしなければ廃棄されるはずのものが区内で有効に回っているという実感がします。まだ食べられる食品が廃棄されずに欲しい人の手元に届くよう、区民の意識を喚起することは大切であると思います。

  そこで、子ども食堂 の意義とともに、食品ロス削減、フードバンクの意義、取組を広く区民に啓発する活動の支援も区と社会福祉協議会が連携をして行ってはいかがでしょうか。

 

○細野育成活動推進課長 

子ども食堂 の支援の意義とともに食品ロスやフードバンクの啓発活動を行うことは大変有意義であるというふうに認識してございます。子ども食堂の活動をしている団体の意向も踏まえ、区として効果的な活動支援となるように努めてまいります。

 

○甲田委員 

ぜひ効果的な、エコフェアみたいな、そういったイベントみたいなものも取組を進めてはいかがかなと思っております。また、社会福祉協議会では最近募った寄附を子育て家庭向けのフードパントリーということで開催をしています。よいものをたくさんもらうことができて皆さん安心して集われています。子どもの貧困等による支援を期待する寄附については、区では現在受け皿となり得るメニューがないため、特化した寄附を受けることができないとのことです。そうであるならば、社会福祉協議会が受け皿になっていくことに対して、区はこの取組を周知し、社会福祉協議会が寄附を募る応援をしてはどうかと思っています。結果として困っている家庭に食料が届くことになると思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 ○青木子ども政策担当課長 

中野区社会福祉協議会では、寄附金を原資としまして中野つながるフードパントリーを実施しており、区はこれに対し、開催場所の提供、周知、広報等の協力を行っているところでございます。こうした事業との連携をさらに深め、より多くの区民にこの取組を周知することを通じて地域における食の支援を拡充していくことも重要であると考えております。社会福祉協議会をはじめ関係団体との連携を強化しまして、地域全体で子どもの食を支えるための取組を推進してまいりたいと考えてございます。

 

○甲田委員 

さらに今後支援が必要であるにもかかわらず、それらのイベントには自ら行くことのできない家庭に対しては、子ども宅食の仕組みも、これはずっと公明党議員団として言ってまいりましたが、ぜひ検討して行うべきと考えますが、検討状況はいかがでしょうか。

 

○青木子ども政策担当課長 

区はこれまで子ども配食事業によりまして養育困難家庭に対して食の支援と配食時における家庭の状況把握を行ってきたところでございますが、支援を必要とするより多くの家庭をサービスにつなげていくことも重要であると考えておりまして、国の補助事業などの活用も含め検討を進めてまいりたいと考えております。また、地域団体が子育て家庭に直接食事を届ける宅食につきまして、現行の中野区子ども食堂運営助成金の対象事業としているところでございまして、こうした制度の周知、浸透を図ってまいりたいと考えてございます。

 

○甲田委員 

ありがとうございます。ぜひ一連の取組をしっかりと進めていただきたいと要望いたしましてこの項を終わります。

 

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