先日の一般質問の答弁概要メモをいただきましたので、質問の内容と併せて速報としてお伝えいたします。

今回は1項目ずつブログに記録として掲載させていただきますので、ご興味ある方は、委員会資料等と併せてお読みくだされば幸いです。

初めに1.子どもの地域包括ケアと児童館について 伺います

 

9月2日の子ども文教委員会において、「新たな機能を備えた児童館について」と題し、令和4年度以降の児童館の具体的な事業案について 報告がありました。2199135720.pdf (kugikai-nakano.jp)

この中では、児童館のこれまでの経緯を踏まえ、時代や社会の変遷とともに、いじめや不登校、ひきこもり、貧困、虐待等といった社会的喫緊の課題、乳幼児期、高学年の児童や中高生の学校、家庭以外の居場所の確保といった社会的課題に対応するため、新たな機能を備えた児童館は、子どもの居場所機能に加え、子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化し、すこやか福祉センターや子ども家庭支援センター、児童相談所と連携した継続的な見守りを行うことで子どもの地域包括ケアに資する役割を児童館が担っていく としています。

 

まずは、子どもの地域包括ケアについて伺います。

私は以前から、子どもの包括ケアを構築すべきと訴えてまいりました。区の答弁はいつも、「全世代型の」もしくは「すべての人への」地域包括ケアをつくると言い、子どもの包括ケア体制については、すこやか福祉センターや子ども家庭支援センターが連携して行うと答えています。

しかし、個別のケースワークの連携だけでなく、現在の社会的課題に対する予防策や、切れ目ない支援策の拡充について「子どもの地域包括ケア」として体系立てて構築する必要があると考えます。

 

国は自治体に対し、子育て世代包括支援センターの仕組みを作るよう促し、フィンランドのネウボラに習って、妊娠期から切れ目ない支援体制を構築する自治体は増えてきました。

中野区の妊娠・出産・子育てトータルケア事業も同様のものですが、まだ道半ばで、妊娠期から乳児期くらいまでしかカバーできていないのが実情であると考えます。

 

乳幼児期から就学期、中高生、そして成人までと、支援が必要な場合には一人も置き去りにすることなくキャッチアップできる体制づくりが必要であると考えますが、中野区では、子どもの地域包括ケアを体系化するつもりはあるのでしょうか。伺います。

◆答弁◆

体制を強化していきたい。実施体制の検討を進め、子どもや子育て世代の支援に、しっかり取り組んでいけるよう体系化を図っていく。

  

②一方、支援対象者に対し適切な支援をコーディネートできる人材の配置も重要です。

世田谷区では、世田谷版ネウボラ事業として体系化し、総合支所健康づくり課にネウボラ・チームを作り、チームの構成員としては、地区担当の保健師のほか、母子保健コーディネーター、子育て応援相談員が非常勤職員として配置されています。

 

中野区も、国の補助事業である利用者支援事業をさらに活用し、民間活力も取り入れるなどして、母子保健と子育て支援・教育、障がい分野、民間サービスをコーディネートする役割の人材を配置し、要支援の子どもだけでなく、広く一般の子どもにも、いざというときに切れ目ない支援が行えるシステムを構築し、見守りネットワークを強化をすべきではないでしょうか。見解を伺います。

 

◆答弁◆

利用者支援事業の国庫補助事業を活用しており、すこやか福祉センターでは利用者支援担当職員や母子保健コーディネーター職員を配置している。

コーディネーターの存在は、不安の解消や孤立防止につながることからも、子どもの包括ケア体制の構築に向けた検討の中で、強化を図りたい。

 

児童館が、子どもの地域包括ケアに資する拠点というのであれば、子育て世代包括支援センターの役割を持たせるということでしょうか。そうであれば、地域子育て支援コーディネーターを配置し、すこやか福祉センター、子ども家庭支援センターとの連携をしっかりと取れる体制にすべきで、子どもの包括ケアを構築・制度管理していく担当部署も明確にすべきではないでしょうか。伺います。

 

◆答弁◆

区における子育て世代包括支援センターの役割は、すこやか福祉センターが担っている。現時点では新たな機能を備えた児童館においては想定していない。

子どもの地域包括ケアの構築に向けて、子どもにかかわる部門がそれぞれの役割に基づき検討を進めているが、組織体制も含めた円滑な連携方法について、今後検討していく。

 

 

次に、児童館の機能と施設配置について伺います。

 同委員会の報告では、新たな機能を備えた児童館は、「持続可能な区政運営の観点や、子どもの日常生活圏域等を踏まえ、中学校区に1館とする」としたとの報告がありました。

また、「新たに強化する事業を展開するために、児童館の人的資源を確保したうえで、地域包括ケア体制の推進やセーフティネットの強化に取り組む」としています。

 

本来、地域包括ケアの拠点とするならば、区が区民の日常生活圏域としているすこやか福祉センターとの連携を最優先に考えた拠点配置や運営体制とすべきではないでしょうか。

学校単位で考えるということは、従来の児童館のような、子どもの放課後を中心とした居場所機能がメインと考えられているということなのではないでしょうか。伺います。

 

◆答弁◆

小学生の居場所機能はキッズプラザに移行していく計画である。

地区懇談会の開催など、これまでの地域での子どもと子育て家庭を取り巻く支援や見守り活動が中学校単位で行われてきたこと、また、保育園・幼稚園・小学校・中学校の連携教育の中で継続した子どもたちの育成を行っていることを踏まえ、新たな機能を備えた児童館は、中学校区に1館の配置とした。

中学校区に1館の配置とすることで、人的資源を集約し、機能の強化を図り、子どもの地域包括ケアに資する役割を担うものと考えている。

 

 ⑤児童館が地域包括ケアの拠点として連携支援する団体数は、1中学校区あたりで10数団体の町会・自治会、ほか地区単位にある青少年地区委員会など、かなりの広い範囲となります。

子ども教育部所管の児童館職員がそれだけの地域団体ほか、民間団体とも連携して支援するのは難しいのではないかと考えます。

今後の児童館の運営についても、当初は区による直営なのか委託なのかが曖昧で、子ども文教委員会では職員をどうするかで答弁が二転三転する場面がありました。今は現在の職員を新たな機能を備えた児童館へと集約し、当面の間区が行うとされましたが、持続可能な観点についてどう考えたのか、全く見えないままの児童館半減計画となります。

質疑の中では、今後3年間の構造改革の中で委託も含めて検討する、と答弁していますが、結局、3年後になったら委託する可能性もあるということなのでしょうか。近い将来の運営主体が不明確なままであることは極めて問題です。今回の児童館機能の考え方や施設配置と併せ、セットで考えるべきことではないかと考えますが、見解を伺います。

 

◆答弁◆

新たな機能を備えた児童館は、地域で活動する団体の活動支援や、課題のある子どもの見守り、各地域での子育て課題の発見、地域の子ども施設の運営支援や関係機関との連携を進めていくものであり、福祉職員を配置し、区による運営を行っていく考えである。

今後、構造改革の検討において、新たな機能を備えた児童館の役割と効果を検証し、委託の可能性も含め、効果的・効率的な運営方法を検討していく。3年後に直ちに委託する考えではない。

なお、令和4年度より学童クラブ・子育て広場施設へと転用する児童館は、民間委託による事業運営を予定している。

 

今回の計画案は必要なサービスの具体的な検討よりも先に、いくつ残すかとの数が先行したところから矛盾が生じています。子育て政策の大転換にもかかわらず、本当に現在の社会的課題に対応できるとは思い難く、わが会派は児童館施設の再配置については未だ検討が不十分であり、再検討を求め、この項の質問を終わります。

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ちなみに、、、この私の一般質問を受けて、9/17㈮の決算特別委員会総括質疑にて、公明党議員団平山幹事長が「児童館職員を3年以上そのままにするのであれば、全館残せるのではないか」との質疑をしました。

公明党議員団としては、もともと児童館は地域の子ども施設として残すべきと訴えていたのであり、今回の持続可能な運営の観点も抜け落ちた半減計画については賛成できません。

 

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