1.子どもの地域包括ケアと児童館について 

 2.障がい児の包括ケアについて 

 3.子ども・若者支援センターについて 

 4.すこやか福祉センターについて 

 5.産前産後の支援について 

 6.西武新宿線沿線まちづくりについて 

 7.その他

 学校における動物飼育の推進について 

  

○14番(甲田ゆり子) 令和3年第3回定例会に当たりまして、公明党議員団の立場で一般質問を行わせていただきます。質問は通告どおりですので、よろしくお願いいたします。

 

 初めに、1、子どもの地域包括ケアと児童館について伺います。

 

 9月2日の子ども文教委員会において、新たな機能を備えた児童館についてと題し、令和4年度以降の児童館の具体的な事業案について報告がありました。この中では、児童館のこれまでの経緯を踏まえ、時代や社会の変遷とともに、いじめや不登校、ひきこもり、貧困、虐待といった社会的喫緊の課題、乳幼児期、高学年の児童や中・高生の学校、家庭以外の居場所の確保といった社会的課題に対応するため、新たな機能を備えた児童館は、子どもの居場所機能に加え、子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化し、すこやか福祉センターや子ども家庭支援センター、児童相談所と連携した継続的な見守りを行うことで、子どもの地域包括ケアに資する役割を児童館が担っていくとしています。

 

 そこで、まずは、子どもの地域包括ケアについて伺います。私は、以前から子どもの地域包括ケアを構築すべきと訴えてまいりました。区の答弁は、いつも、全世代型の、もしくは全ての人への地域包括ケアをつくると言い、子どもの包括ケア体制については、すこやか福祉センターや子ども家庭支援センターが連携して行うと答えています。しかし、個別のケースワークの連携だけでなく、現在の社会的課題に対する予防策や、切れ目ない支援策の拡充について、子どもの地域包括ケアとして体系立てて構築する必要があると考えます。

 

 国は、自治体に対し、子育て世代包括支援センターの仕組みをつくるよう促し、フィンランドのネウボラに倣って、妊娠期から切れ目ない支援体制を構築する自治体は増えてきました。中野区の妊娠・出産・子育てトータルケア事業も同様のものですが、まだ道半ばで、妊娠期から乳幼児期ぐらいまでしかカバーできていないのが実情であると考えます。乳幼児期から就学期、中・高生、そして、成人までと、支援が必要な場合には一人も置き去りにすることなくキャッチアップできる体制づくりが必要であると考えますが、中野区では、子どもの地域包括ケアを体系化するつもりはあるのでしょうか、伺います。

 

 一方、支援対象者に対し適切な支援をコーディネートできる人材の配置も重要です。世田谷区では、世田谷版ネウボラ事業として体系化し、総合支所健康づくり課にネウボラチームをつくり、チームの構成員としては、地区担当の保健師のほか、母子保健コーディネーター、子育て応援相談員が非常勤職員として配置をされています。中野区も、国の補助事業である利用者支援事業をさらに活用し、民間活力も取り入れるなどして、母子保健と子育て支援、教育、障害分野、民間サービスをコーディネートする役割の人材を配置し、要支援の子どもだけでなく、広く一般の子どもにも、いざというときに切れ目ない支援が行えるシステムを構築し、見守りネットワークを強化すべきではないでしょうか、見解を伺います。

 

 児童館が子どもの地域包括ケアに資する拠点というのであれば、子育て世代包括支援センターの役割を持たせるということでしょうか。そうであれば、地域子育て支援コーディネーターを配置し、すこやか福祉センター、子ども家庭支援センターとの連携をしっかりと取れる体制にすべきで、子どもの包括ケアを構築、制度管理していく担当部署も明確にすべきではないでしょうか、伺います。

 

 次に、児童館の機能と施設配置について伺います。同委員会の報告では、新たな機能を備えた児童館は、持続可能な区政運営の観点や、子どもの日常生活圏域等を踏まえ、中学校区に1館とするとしたとの報告がありました。また、新たに強化する事業を展開するために、児童館の人的資源を確保した上で、地域包括ケア体制の推進やセーフティネットの強化に取り組むとしています。本来、地域包括ケアの拠点とするならば、区が区民の日常生活圏域としているすこやか福祉センターとの連携を最優先に考えた拠点配置や運営体制とすべきではないでしょうか。学校単位で考えるということは、従来の児童館のような子どもの放課後を中心とした居場所機能がメインと考えられているということなのではないでしょうか、伺います。

 

 児童館が地域包括ケアの拠点として連携支援する団体数は、もし1中学校区当たりとすると十数団体の町会・自治会、ほか地区単位にある青少年地区委員会など、かなりの広い範囲となります。子ども教育部所管の児童館職員がそれだけの地域団体ほか民間団体とも連携して支援するのは難しいのではないかと考えます。

 

 今後の児童館の運営についても、当初は区による直営なのか委託なのかが曖昧で、子ども文教委員会では、職員をどうするかで答弁が二転三転する場面がありました。今は、現在の職員を新たな機能を備えた児童館へと集約し、当面の間区が行うとされましたが、持続可能な観点についてどう考えたのか、全く見えないままの児童館半減計画となります。質疑の中では、今後3年間の構造改革の中で、委託も含めて検討すると答弁していますが、結局3年後になったら委託をする可能性もあるということなのでしょうか。近い将来の運営主体が不明確なままであることは極めて問題です。今回の児童館機能の考え方や施設配置と併せセットで考えるべきことではないかと考えますが、見解を伺います。

 

 今回の計画案は、必要なサービスの具体的な検討よりも先に、幾つ残すかとの数が先行したところから矛盾が生じています。子育て政策の大転換にもかかわらず、本当に現在の社会課題に対応できるとは思いがたく、我が会派は、児童館施設の再配置についてはいまだ検討が不十分であり、再検討を求め、この項の質問を終わります。

 

 次に、2番、障がい児の地域包括ケアについて伺います。

 

 本年6月、医療的ケア児支援法が成立し、今月より施行されます。医療的ケア児は全国的に増加傾向にあるとのことです。私は、生活全般に最も支援が必要な医療的ケア児、難病や小児がん、そして、障害のあるお子さんにとっての地域包括ケアの仕組みを順次構築すべきと考えています。中野区の医療的ケア児と難病や小児がんの子どもはそれぞれ何人ほどいて、どのように把握しているのでしょうか、伺います。

 

 それら当事者に対するワンストップの相談と支援の仕組みをつくるべきではないかと考えます。国は医療的ケア児のために、関係機関が協議の場を設けている松戸市のモデルを参考に協議の場を確保、及びコーディネーターの配置を求めています。中野区は、第2期障害児福祉計画において、対象児のための連携の場の確保、同じくコーディネーターの配置については、令和5年度までに完了するとしていますが、今後どのように進めていく検討をされているのか伺います。

 

 患者の基幹病院だけでなく、地域におけるかかりつけ医、訪問看護・介護などの在宅医療のネットワークがあれば、災害時や感染症など、いざというときに安心です。行く行くは保育所支援や通学支援、親の会のピアサポート支援などにおいても、地域で包括的なケアができることが理想的であると考えます。中野区医師会の中には、有志で小児在宅メーリングリストを作成して、こうした支援を開始されようとした小児科の医師がいらっしゃり、先日、会派の久保議員とともにお話を伺ってまいりました。このような医師等にも協力を仰ぎながら、医療的ケア児の在宅医療・介護のネットワークの構築を支援し、まずは可能なところからモデル地域をつくってみてはいかがでしょうか。

 

 障害児施策と一口に言っても、発達に課題のあるお子さんから、身体の障害、そして、重症心身障害児までと幅があります。その中で、特に重症心身障害児、医療的ケア児については、強力に支えていく施策を推進することが必要であり、そのために国の障害福祉政策にも精通した責任を持って推進する部署をつくるべきと考えます。その上で、障害児を支える地域医療、生活支援を含めたリソースを洗い出し、情報を常に更新しながら、障害児から障害者となっても一貫して切れ目なく支援できる体制づくりを急ぐべきと考えますが、区の見解を伺います。

 

 3番、子ども・若者支援センターについて伺います。

 

 いよいよ待望の子ども・若者支援センター等複合施設、みらいステップなかのが11月29日にオープンする運びとなりました。児童相談所の開設は来年4月からとされておりますが、子ども家庭支援センター、教育センターの機能は、この複合施設の中に入ります。開設を機に、これまで支援が十分でなかった義務教育終了後から40歳未満の若者の施策も行うとしていますが、実際にどのような施策を行う予定なのか伺います。

 

 不登校、ひきこもり生徒は近年増加傾向にあり、今後の支援策拡充が必要と考えます。現在は不登校生徒が中学校を卒業した後、どのような状態になっているのか区は把握していないと思います。進学先等での実態を把握し、相談できる窓口や、高校卒業に向けて支援をすべきではと考えますが、どのような相談体制、支援体制を考えているのでしょうか。

 

 また、高校、大学、就労先での悩みを相談できる場所、発達障害等の生きづらさを抱えた人の相談は、窓口だけでなく、居場所支援も大切です。義務教育終了後から高校、大学、就職という一番転機の多い多感な年代において、カフェやサロンといった居場所、また、同じような悩みを持つ人たちや先輩などの体験談が聞ける場をつくるなど、間口を広くした上で専門機関やカウンセリング相談に結びつくような、気軽に立ち寄れる工夫をしてはいかがでしょうか、併せて見解を伺います。

 

 また、来年の児童相談所設置に当たり、中野区の里親家庭が区の所管となります。現状、中野区の里親は十数家庭と聞いていますが、里親の普及啓発、認定前研修、養成とともに、里親の活動を側面から支える里親支援機関による包括的支援が重要です。里親支援機関について、どのような形で進めていくのか伺います。

 

 社会的養護のお子さんを家庭的な場所で育てていくことが子どもの権利擁護の最重要視点だと考えます。その鍵を握る里親さんに勇気と希望を与え、力を発揮していただくためにも、温かく適切な支援がされていくことを願い、この項の質問を終わります。

 

 5番、すこやか福祉センターについて伺います。

 

 すこやか福祉センター内での縦割りと基幹部署のバックアップ体制が取れていないことが大きな課題になっています。その証拠に、福祉のワンストップであるはずのすこやか福祉センターに行っても解決できないことが多く、連携もしてもらえなかったというケースが散見されているように思います。高齢者関連については、地域包括支援センターのバックに基幹型の包括支援センターがあるため機能していますが、問題は子どもと障害者の分野です。例えば育児疲れの親からの相談の際、支援メニューはないですと断られたという声を複数聞いています。たまたまそれを聞いた私が関係機関につなぎ、支援したこともあります。

 

 また、すこやか福祉センターが委託をしている障害者相談支援事業においては、一般相談から、事務手続、計画相談、勘案調査まで、多岐にわたる業務を行うに当たり、障害福祉課が基幹支援センターとして十分に機能できているのか疑問です。国からも重層的支援の体制強化が示される中、早急に組織としてバックアップを強化する体制に改革すべきと考えます。区は、すこやか福祉センターのバックアップについてどのような認識で、どのように改善するつもりなのか伺います。

 

 また、窓口の職員は、たとえ支援策がないと思ったとしても、相談を断らずに適切なサービスにつないでいくことが求められます。入り口で総合相談を受ける人のさらなる人材育成のため、研修の充実が必要と考えますが、見解を伺います。

 

 さらには、行政で解決できない問題を民間サービスにより解決させていくことも、孤立を防ぐ地域包括ケアの取組の一つであると考えます。私も区民相談を受けると、行政サービスだけでは解決できないものがたくさんあると感じています。そこで、相談事例を共有し、現在区役所で行っている無料専門相談の活用も促進していくべきではないでしょうか。

 

 現在区役所で民間各種団体の協力を得て行われているいわゆる専門相談は、最近利用が増えていると聞いています。弁護士による法律相談、社会保険労務相談、不動産相談、登記相談、行政書士による暮らしの手続と書類の相談、そして、LGBTにじいろ相談等について、実態把握と区民ニーズの把握を行い、マッチングと質、量の確保、拡充、そして、周知にも努めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 

 また、すこやか福祉センターの窓口等においては、このような民間資源も地域包括ケアの大切な担い手であると認識していくことが重要と考えます。役所内の連携だけではなく、社会福祉協議会や民間支援団体、民間サービスも含めた支えあいの資源を見える化し共有すべきと考えますが、見解を伺います。

 

 次に、4番、産前産後の支援について伺います。

 

 初めに、産前産後ケアの周知について伺います。産前産後の支援のメニューと流れについては、いま一度一般区民にも分かるよう周知、広報をすべきではないかと考えますが、区の見解を伺います。

 

 次に、産後ケアを必要な人が受けることのできる体制づくりについて伺います。産後ケア事業の利用者について、厚生労働省のガイドラインでは、支援が必要と認められる者とされていますが、まだまだ必要な人に届いていない実態があります。産後ケアが必要かどうかの認定や承認は、主に産前のかんがるー面接時に申請を受けて行われています。すなわち、面接時のヒアリングにより必要があると確認された場合に申請ができ、ケアカードが発行される仕組みです。しかし、そのときは産後ケア事業が必要ないと感じていても、その後の変化で必要になるケースも多いことから、産前産後の体調や環境の変化にも的確に対応できるよう、面接や説明方法などを改善すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 

 改善方法の一つに、産後ケア事業を利用するために必要となる産後ケアカードについては、面接が行われた際には全員に一旦渡し、体調等の変化に応じて必要となった場合、本人がすぐ利用できるようにするべきではないでしょうか、伺います。

 

 全員に渡すことで利用者が増え、予算が膨らんでしまうから難しいと考えるのか。それとも、中野区が先進的に進めてきた大事な事業として、全ての必要な人、必要なときに利用していただき、中野区で子育てしてよかったと思っていただくのか。このどちらかの選択であると考えます。面接時に産後支援を必要と認めず、ケアカードは渡さずに、困ったらそのときはすこやか福祉センターに来てくださいと言われた例が少なからずあると聞いています。妊娠中期の面接時にはよく分からずに、そんなものかと思ってしまうことが多いようですが、産後、本当に困ったときというのは、体調も悪く、再度自分から面接に行くことは困難な状況であります。また、産後鬱や虐待のリスクを生んでしまいます。このことから、困ったらすぐに産後ケアの利用につながるという仕組みをつくるべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 

 次に、6番、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。

 

 ここでは、工事が目に見えて進んできている新井薬師前、沼袋の駅周辺まちづくりについて伺います。地下化の完成時期は令和2年度末の完成予定でしたが、昨年の3月に、令和8年度末までと延伸されました。この計画どおりなら、あと5年で完成の運びとなります。区民の皆様からの声を代弁し、改めて伺いますが、地下化に伴う鉄道上部空間活用に関する西武鉄道との話合いは現状どのようになっているのでしょうか。

 

 あわせて、区は最新の区民ニーズを収集し、反映していくことが必要ではないでしょうか。見解を伺います。

 

 まちづくりを進めるに当たっては、地域住民と共に考え意見を交わすことが大切と考えています。その中で、西武新宿線沿線の新井薬師前駅、沼袋駅周辺地区では、地域住民によるまちづくり検討会やまちづくり協議会など様々な主体が中心となってまちづくりの検討を進めてきています。一方で、新型コロナウイルスの影響もあり、会議時間や参加者が限定的となっているケースもあると聞いており、このような制約のある状況下では、広く意見を募ることとなりにくく、発展的な議論となっていないと推察されます。今後、西武新宿線の地下化や駅前拠点や街路の整備が進んでいく中、ますます地域住民との協働のまちづくりが必要となってくるため、コロナ禍であっても、まちづくりの議論は加速させることが大切だと考えています。例えばオンラインを活用するなど、現在よりもさらに対策を強化して、地域との検討を定期的に行うようにしていくべきと考えますが、見解を伺います。

 

 現在、連続立体交差化の計画に沿って土地の買収などが進められていますが、沿線駅周辺のまちづくりは、商店街をはじめとした地域の活性化に向けた抜本的な再構築をするチャンスであり、まちづくりと連動して効果的な施策を打つべきと考えます。例えば高松市の丸亀商店街では、外部の専門家を活用して、商店街の課題の洗い出しから始め、課題解決のコンセプトとして、「人が住み、人が集うまち」を掲げて、斬新な商店街全体のレイアウトや改革に取り組んだことで有名です。中野区としても、このタイミングを逃さずに、専門家を活用し、効果的な商業振興及び地域の活性化に資する施策を行うべきと考えますが、伺って、この項の質問を終わります。

 

 最後に、その他で、学校における動物飼育の推進について伺います。

 

 昨年度から、白桜小学校において、学校動物飼育推進校として2か年で行われている取組がありますが、現状について、教育委員会としてどのように把握しているのか伺います。

 

 白桜小学校で行った研修を基にして、今後区内で獣医師等との連携について検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 

 コロナ禍にあって、命の大切さを学ぶ大事な機会となった動物飼育推進教育を今後もさらに区内に広げていくべきと考えますが、教育委員会としての見解を伺いまして、以上で、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

 

〔区長酒井直人登壇〕

 

○区長(酒井直人) 甲田議員の御質問にお答えいたします。

 

 まず最初に、子どもの地域包括ケアと児童館について、最初に、子どもの地域包括ケアの体系化についての御質問です。

 

 支援が必要な子どもや子育て家庭の抱える課題に関しましては、個別支援会議等において、主にすこやか福祉センター、子ども教育部の子育て関連部署、関係機関、関係者との連携によって支援を行っているところでございます。今後は、この個別支援会議を3層目の地域ケア個別会議に位置付け、支援プランの作成や共有、支援内容の評価を行う中で、解決のための仕組みや切れ目ない支援体制を強化していきたいと考えております。

 

 子どもや子育て世代の相談支援に係る区や関係機関の役割を明確にしつつ実施体制の検討を進めて、子どもや子育て世代の支援にしっかり取り組んでいけるよう、これは体系化を図っていこうと考えております。

 

 次に、民間活力も含めた切れ目ない見守りネットワークの強化についての御質問です。中野区においても、個別の子育て家庭のニーズを把握して、適切な施設、事業等を円滑に利用できるよう支援する利用者支援事業の国庫補助を活用しておりまして、すこやか福祉センターでは、利用者支援担当職員や母子保健支援コーディネーター職員を配置しているところであります。妊娠、出産、子育てにおいては、身近で寄り添ってくれる相談支援者や民間サービスも含む多様な支援につないでくれるコーディネーターの存在は、不安の解消や孤立の防止につながることからも、子どもの地域包括ケア体制の構築に向けた検討の中で強化を図ってまいりたいと考えております。

 

 次に、子どもの包括ケアの組織体制についてでございます。区における子育て世代包括支援センターの役割はすこやか福祉センターが担っているところでございまして、現時点では新たな機能を備えた児童館においては想定しておりません。子どもの地域包括ケアの構築に向けて、子どもに関わる部門がそれぞれの役割に基づき検討を進めておりますが、組織体制も含めた円滑な連携方法について、今後検討してまいります。

 

 地域包括ケアにおける児童館の役割についてでございます。小学生の放課後の居場所機能につきましては、キッズ・プラザに移行していく計画でございます。地区懇談会の開催など、これまでの地域での子どもと子育て家庭を取り巻く支援や見守り活動が中学校単位で行われてきたこと、また保育園、幼稚園、小学校、中学校の連携教育の中で、継続した子どもたちの育成を行っていることを踏まえて、新たな機能を備えた児童館は中学校区に1館の配置といたしました。児童館を中学校区に1館の配置とすることで、人的資源を集約し、機能の強化を図って、子どもの地域包括ケアに資する役割を担うものと考えております。

 

 次に、児童館の委託の検討についての御質問です。新たな機能を備えた児童館は、地域で活動する団体の活動支援や課題のある子どもの見守り、各地域での子育て課題の発見、地域の子ども施設の運営支援や関係機関との連携を進めていくものでございまして、福祉職員を配置して、区による運営を行っていく考えでございます。今後、構造改革の検討において、新たな機能を備えた児童館の担う役割と効果を検証し、委託の可能性も含めて効果的効率的な運営方法を検討してまいります。

 

 なお、3年後にすぐに委託をすることはないと考えております。

 

 なお、令和4年度より、学童クラブ事業及び子育てひろば事業を行う施設へ転用する児童館は、民間委託による事業運営を予定しております。

 

 続きまして、障害児の地域包括ケアについてで、医療的ケア児の数とその把握でございます。

 

 医療的ケアが必要な子どもは50名おりまして、障害児通所支援や訪問看護ステーション、障害福祉サービスの利用等により状況を把握しているところでございます。小児慢性特定疾病は厚生労働大臣が指定する疾病であり、必ずしも難病に指定された疾病ではございませんが、小児慢性特定疾病医療費助成の令和2年度の申請者数は、区で97名でございます。小児慢性特定疾患医療費助成の対象者のうち、がんに該当する方を抽出しますと、令和2年度の申請者数は14名でございます。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、受給者証の更新が自動更新となったことから、例年より少ない申請数となっております。

 

 次に、対象児の連携の場とコーディネーターの配置の進め方でございます。医療的ケア児や、難病や小児がんの子どもには、地域において必要な支援を円滑に受けることができるよう医療機関、訪問看護、障害福祉サービス事業者、保育、教育等、多くの支援機関が有機的に連携をし、対象児についての情報や支援内容を共有するための体制整備が必要でありまして、そのための連携の場については、関係部署内で協議を進めてまいります。保護者支援も含めた総合的な支援を行うためのコーディネーターの配置につきましては、すこやか福祉センター等の保健師による東京都の医療的ケア児コーディネーター研修の受講を計画しているところでございます。

 

 次に、医療的ケア児の在宅医療、介護ネットワークモデル地域の構築についてでございます。中野区医師会の小児在宅医療に取り組むネットワーク活動については承知をしているところでございます。今後、中野区としてのモデルケースを構築していく際には、中野区医師会をはじめ、中野区で先駆的活動をしている方たちの御意見を参考にしてまいりたいと考えております。

 

 次に、障害児支援の体制づくりを統括する部署についてでございます。区は、利用者の声を反映した重症心身障害児者在宅レスパイト事業の拡充等によって、医療的ケアが必要な方への環境整備や支援の拡充を図ってきたところでございます。障害児支援につきましては、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が成立し、施行されることもありまして、区としての喫緊の課題であります。すこやか福祉センター、障害福祉課、子ども特別支援課が中心となって支援体制づくりを進めてまいります。

 

 次に、子ども・若者支援センターについてで、まず若者支援の事業内容についてでございます。

 

 子ども・若者支援センターで実施する若者支援事業につきましては、就学や就労に課題を抱えている若者や、その家族の悩みや心配事などを聞き取り、他人や社会との関係性が再構築できるように助言、支援を行う考えでございます。また、すこやか福祉センターや学校、医療機関などと連携し、多面的な支援を行うとともに、中野くらしサポートなどとも連携し、自立に向けた就労支援を行います。さらに、若者の悩みや心配事などを把握するために、社会福祉協議会やNPOなどと情報交換を行い相談支援に生かしてまいります。

 

 次に、不登校児童等の中学校卒業後の支援についてでございます。中学校在学中、不登校傾向があった生徒に関する情報については、区立中学校とすこやか福祉センターで共有し、卒業生に対する支援を行っております。子ども・若者支援センター開設後は、子ども・若者支援センターでも情報を共有しまして、進学先の高校とも連携をしながら、継続的な支援を行っていく考えでございます。

 

 次に、若者に対する居場所支援についてでございます。若者及びその家族に対する継続的な支援を行っていくためには、気軽に来所することができて、どんな小さな相談でもためらうことのないような雰囲気のスペースを設けることが必要だと考えております。子ども・若者支援センター内に若者が気軽に立ち寄ることのできるスペースを設けることについて、現在検討を進めているところでございます。

 

 次に、里親支援機関についてです。子どもの最善の利益を達成するために必要な質の高い里親養育を実現するためには、里親制度の普及啓発、里親に対する研修やトレーニング、相談支援などを一貫して継続的に提供できる体制を構築することが必要であります。里親支援の実績がある民間団体に里親支援業務を包括的に委託することによって、里親支援機関を設置し、里親に対して質の高い支援ができる体制を構築してまいります。

 

 次に、産前産後の支援についての項で、最初に、産前産後の支援メニューの周知についてでございます。

 

 現在、妊産婦に対しては、母子手帳の交付や妊娠中期のかんがるー面接のほか、妊娠後期の経過確認の際も含め、産前産後ケアサービスに関する情報提供を行っておりまして、妊産婦以外の方に対しても、区報やホームページへの掲載を通じて広報を行っております。今後も産前産後ケアサービスの内容や利用の流れなどについて、多くの方に御理解をいただけるよう、区報などを通じて広報に努めてまいります。

 

 続きまして、産後ケア事業の説明方法の改善でございます。産後ケア事業の利用承認につきましては、かんがるー面接時以外にも、妊娠32週に行う保健師からの状況確認のほか、妊産婦からの申出に応じて、訪問やオンラインによる面接により状況を確認し、逐次行っているところでございます。助産師会にも御協力をいただき、かんがるー面接時に支援が必要な方への利用承認が的確に行えるよう、面接の進め方や説明方法の改善を進めているところでございます。

 

 私からの最後に、産後ケアカードの交付方法についてでございます。厚生労働省のガイドライン等によれば、産後における心身の不調や育児不安、その他支援の必要性を市区町村が認定し、産後ケア事業の対象者として決定するものとされております。かんがるー面接時に全ての方に産後ケアカードをお渡しすることによって、必要時早期にサービスが利用でき、利便性の向上につながると考えられますが、支援を必要とする方が適切にサービスを受けられるよう、担い手側の体制も踏まえて、子育て先進区実現の観点から検討してまいりたいと考えております。

 

〔教育長入野貴美子登壇〕

 

○教育長(入野貴美子) 私からは、その他の学校における動物飼育の推進についてお答えいたします。

 

 まず、学校動物飼育推進校の現状でございます。東京都教育委員会の学校動物飼育推進校に、令和2年から2年間、中野区では白桜小学校が指定されております。教育委員会でも指導主事が学校を訪問したり、東京都の連絡会に同席するなど、白桜小学校の取組を支援しております。白桜小学校では、モルモットやチャボを飼育しており、獣医師から、1年生、2年生はモルモットの育て方について、5年生、6年生は生態や飼育環境、衛生についての講義を受けました。白桜小学校では、日々の飼育を通して、児童が命の大切さを学んでおります。白桜小学校は、東京都指定校10校の代表として、令和3年9月12日に、全国学校動物飼育研究会にてこれまでの研究の成果を発表いたしました。

 

 次に、獣医師会との連携でございます。推進校におきましては、担当獣医師に係る費用は東京都で予算化されており、白桜小学校では、飼育動物が病気になった際には、担当獣医師の治療を受けることができております。獣医師会が作成した飼育方法や病気の予防などの資料につきましては、教育委員会を通して区内全校へ配付しております。今後、白桜小学校の2年間の研究成果を踏まえ、獣医師会との連携の可能性について研究してまいります。

 

 最後に、今後の動物飼育推進教育についてです。現在白桜小学校以外の学校では、ウサギやモルモット、小鳥、亀などを含めた小動物が飼育されております。動物を飼育することは生命を大切にする心や他人を思いやる心を育む上で教育的効果は大きい一方、長期休業中の世話、子どもたちのアレルギーや衛生面での問題などもありまして、全ての保護者の同意を得ていくには難しい面もございます。動物飼育につきましては、学校の環境や児童・生徒の状況、保護者の理解などを踏まえながら、各校が判断していくものでございます。今回の白桜小学校の研究成果を区内全校で共有し、動物飼育を実施する学校に対しましては、必要な支援を行ってまいります。

 

〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕

 

○地域支えあい推進部長(角秀行) 私からは、すこやか福祉センターについてお答えいたします。

 

 初めに、すこやか福祉センターのバックアップ体制の強化についてでございます。子どもの分野に関しましては、子ども家庭支援センターと、虐待が疑われるケース等について、日々の情報共有や年4回のケースに関する進行管理会議において連携を図ってございます。障害者につきましても、障害福祉課と障害福祉サービスに関し日々情報を共有し、また、定期的な情報連絡会を通じ連携を図ってございます。今後、子どもの分野においては、これから開始いたします子ども・若者支援センターや児童相談所との役割分担を明確にして、寄り添い、支援の強化を図ってまいります。

 

 また、障害者の分野につきましては、障害福祉課と事業の進め方を再確認しながら、役割分担を明確にし、すこやか福祉センターのバックアップ体制や連携を強化してまいります。

 

 次に、人材育成の充実についてでございます。相談者のニーズに的確に対応するため、相談を受ける者には、支援のための専門的な知識やスキルのみならず、コミュニケーション力も必要でございます。こうした努力を兼ね備えた人材を育成するため、研修を充実させる必要があると考えています。また、保健師等の専門職については、その担うべき役割を明確化した上で体系的な研修を実施するほか、関係部署間、または、すこやか福祉センター間で、ジョブローテーションを実施することなどにより、計画的に人材育成を行ってまいります。

 

 続きまして、区役所で行っている専門相談等の拡充等についてでございます。現在、すこやか福祉センターでは、相談窓口に訪れた方の相談内容に応じまして、区の専門相談や行政、民間団体が実施している相談窓口を案内し、解決に結びつけているところでございます。また、地域包括支援センターの相談業務におきましては、従事者に対して、法律相談や不動産会との情報共有の機会を持つなど、多様な視点で課題解決が図れるよう努めているところでございます。区民が抱える課題は生活全般にわたり、支援が必要なケースも少なくないことから、地域包括ケア体制においても、これまで支援してきた事例を通して、社会保険、労務管理、登記相談、ほか専門相談が必要な方へは確実にマッチング等ができるよう連携の仕組みを考えてまいります。

 

 最後に、支えあい、資源の見える化についてでございます。支援を必要とする方がどこの窓口に最初に訪れたとしても、その人にとって適切な支援につながることが重要です。そのために、区や関係機関、民間の社会資源が地域のどこにあり、どんな支援やサービスが実施されているかが一目で分かるよう、地図情報なども用いて分かりやすく集約し、関係者間で共有するとともに、区民に対しても周知していくことが必要であると考えてございます。

 

〔まちづくり推進部長豊川士朗登壇〕

 

○まちづくり推進部長(豊川士朗) 私からは、西武新宿線沿線まちづくりのうち2点お答えいたします。

 

 まず、鉄道上部空間活用の検討についてでございます。鉄道上部空間の活用に関する西武鉄道株式会社との調整につきましては、本年度中協議体制を構築していく予定でございます。一部公共利用が可能な鉄道上部空間は、西武鉄道株式会社の事業用資産であることから、資産活用に関する企業方針との調整を図りながら、並行して区民意見を集約し、調整に反映していきたいと考えてございます。

 

 それから、新型コロナウイルス感染拡大の状況下におけるまちづくりについてでございます。新井薬師前駅、沼袋駅周辺地区では、まちづくり協議会や検討会や協議会をはじめとする様々な団体がまちづくりの検討を重ねてございます。昨年度より、新型コロナウイルスの感染拡大により、会の運営も影響を受けておりますが、感染対策をしながら、短時間の会議開催や書面による開催など、様々な工夫をしながら検討を進めるようにしてございます。区は、引き続きオンラインも含む様々な手法を活用し、広く区民の意見を聞く機会を設け、まちづくりの検討が深まるように努めてまいります。

 

〔区民部長鳥井文哉登壇〕

 

○区民部長(鳥井文哉) 私からは、西武新宿線沿線まちづくりにつきまして、専門家の活用による商業振興等についてお答えいたします。

 

 まちづくりは地域の活性化に向けてよいきっかけとなると考えておりまして、商店街を中心としたまちのにぎわいや地域コミュニティの活性化など、ソフトな面でも様々な可能性があると考えているところでございます。商店街に対する支援制度では、国、東京都、区においても、専門家の派遣や現況の調査、分析業務への補助など、現在でも様々な制度がございますが、まちづくり事業では、商店街を中心とした地域活性化に加えて、さらに広く地域に波及させていくことが必要だと考えているところです。

 

 支援に当たりましては、道路拡幅事業完了後の商店街の再生や地域の活性化、さらに新たな課題への対応など、幅広い課題があることから、専門家の活用など、今後の商店街を含めた地域活性化の在り方について検討してまいります。

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