2021年12月10日
中野区議会では、以下の国対する意見書が全会一致で採択されました。
ヤングケアラーへの支援強化を求める意見書
近年、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートを行っている18歳未満の子ども、いわゆるヤングケアラーの存在が問題視されており、本人の育ちや教育に影響があるといった指摘がなされています。
国が2020年度に全国調査を実施した結果、こうしたヤングケアラーが中学2年生の5.7%、高校2年生の4.1%いることが明らかになりました。
大人や専門職が担うようなケア労働に追われ、勉強やスポーツ、友人との交際の時間が削られ、年相応の育ちや教育の機会を失っているなど深刻な事例も発生しています。
ヤングケアラーは各家庭に関わる繊細な問題であることや、未成年であることから適切な支援機関を知らない、本人や家族の自覚がないといった理由により、実態の把握が遅れています。
現状ではヤングケアラーに対する支援制度が十分に確立されていません。ヤングケアラーを早期に発見し、関係機関が連携して適切な支援につなげていくこととともに、ヤングケアラーとその家族に対する将来のための切れ目のない支援を進めることが重要です。
よって中野区議会は、政府に対し、ヤングケアラーへの支援強化を図るため、下記事項を求めます。
記
1 、関係機関や専門職、ボランティア等へのヤングケアラーに関する研修等の学ぶ機会を推進すること
2、 地方自治体における現状把握を行い、支援が必要なヤングケアラーの発見・把握に努めること
3、 ヤングケアラーに関する社会全体の認知度調査を実施し、ヤングケアラーの気持ちに寄り添った広報・啓発により社会的認知度の向上を図ること
4 、ヤングケアラー支援に対する国や地方自治体、事業者や関係機関の役割を明らかにするとともに、これらの相互連携を図り、社会全体で支援する仕組みを構築すること
5、 地方自治体が行う相談窓口の設置やヤングケアラー支援の取り組みに対し、必要な支援を適切に行うことができるよう財政的な支援を行うこと
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
年 月 日
内閣総理大臣
厚生労働大臣 あて
内閣府特命担当大臣(地方創生、少子化対策、男女共同参画)
中野区議会議長名