中野区にはベビーシッター制度があります。
私はその必要性を粘り強く訴え、ベビーシッター利用者を増やす取り組みをしてきました。
本日は制度の内容と、中野区に導入されるまでのストーリーをご紹介します。
ベビーシッター利用支援(一時預かり)とは
対象
・0歳~5歳で認可保育所等に在籍していない子どものうち一時保育を必要とする方
・子育ての不安解消のためベビーシッターとの共同保育を希望する方
※2024年10月利用分からは「未就学児全員」が対象になります!
利用の助成金額
1時間あたり 2,500円(夜間は 3,500円)
利用限度
児童ひとりにつき年間144時間
多胎児の場合は児童ひとりにつき年間288時間
問合せ
中野区子育て支援課 子育てサービス係 TEL 03-3228-5612
ベビーシッターを在宅子育て家庭も対象に
産後うつのお母さんとの出逢い
2022年に中野区でベビーシッター利用支援事業(一時預かり支援)が始まったのは、「産後うつのあるお母さん」との出逢いがきっかけでした。その時のエピソードをご紹介します。
2020年夏のある日、とある女性から電話がかかってきました。
「娘が産後うつから立ち直れず、育児ができない状態。すぐに助けてほしい。」
電話は大阪から娘の育児を手伝いに来ていたお母さん。その娘Kさんは自宅で1 歳の男の子を育てているママでした。はじめての子育てに行き詰まり、専業主婦のため保育園に子どもを預けることもできず、精神的にも限界をむかえていました。
「子どもに愛情はあるのに、なぜか子育てが苦しい。そんな自分が嫌。」
中野区の福祉センターへ支援を求めるも、うつ状態が見た目には分からず、「あなたはまだ大丈夫なほうだから」と言われ、放置されていました。
お母さんを救うため奔走した2ヶ月
私はすぐに家庭訪問し、そこから2ヶ月かけて対応に奔走しました。
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Kさんの家族全員と面談
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区の関連部署や産後ドゥーラに相談
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精神科医を紹介してもらい、病院に同行
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区の子ども家庭支援センター(当時)に連携
その結果、ようやく子どもの保育所入所が可能になりました。入所までの1か月間は待機児童用のベビーシッターも活用することができました。
保育所入所後、Kさんは自分のペースを取り戻し、電話をくださったお母さんも安心して大阪に帰ることができました。
中野区でも助成が受けられるように
2021年当時、東京都ではベビーシッター利用支援(一時預かり事業)に対する補助制度を用意していました。しかし、これを使って事業化していたのは3自治体ほど。私は「中野区もいち早くこの補助を活用すべき」と、議会で2回連続質問に取り上げました。
そしてついに2022年度の予算に盛り込まれることに!当時の関係所管の部長から「色々考えましたが、やはり甲田議員の言うこの事業を予算化したい。」と言われた時、訴えてきて良かった!と思いました。
支援に救われたお母さんの声
後日、Kさんからこんなメッセージが届きました。
「シッター事業が始まったのですね!!本当にすごいです。甲田さんの諦めない行動力がたくさんのお母さんをこれからも救っていくんだと思うと、とてもわくわくします!!今は仕事を少ししてみたり、新たに友人ができたり。自分の生き方と子育てとの両立がどうやったら出来るかを少しずつですが、考えられるようになりました。あの時甲田さんに救っていただいたから、今があるなといつも思います。」
▼Kさんと 3 歳になった息子くん(2022年11月時点)
さらに保育園に預けていても使えるように!
(未就学児全員が対象に)
当初、ベビーシッター利用支援は「保育園等に在園していない子ども」、いわゆる「在宅子育て家庭のみ」に限定されていました。しかし、「保育園等に在園していても預けたい」という家庭のニーズが多かったため、今度は「未就学児全員」を対象とするよう働きかけました。
区はマンパワー不足を理由に拡大はしない意向でしたが、公明党からの強い要望を受け、新たなやり方を検討。2024年度予算に滑り込ませることができました!
▶2024年10月利用分から未就学児全員に対象が拡大されました!!
ひとりの声が力となり、後につづく方々に制度となって届く。
これが本当の政治であると私は実感しています。