中野区議会・令和7年第2回定例会。

公明党議員団の2番手で一般質問にたちました。


通告項目

1、女性の活躍支援と母子健康支援について                                              

(1)女性の健康課題について                                                       

(2)職場における女性活躍の推進について                                                             

(3)生理用品の支援について                                                                              

(4)母子保健DXについて                                                                             

(5)乳幼児版子ども宅食について                                                 

(6)その他                                                                      

2、円形脱毛症のアピアランスケアについて    

3、介護保険制度について                                                                        

4、まちづくりについて                                                                                

(1)西武新宿線(中井~野方間)の地下化工事について                                               

(2)上高田一、二丁目 及び三丁目周辺地区防災まちづくりについて 

(3)野方一、二丁目の防災まちづくりについて                                                         

(4)その他                                                                         

5、その他    

質問の原稿は以下の通りです。(答弁は会議録掲載後に転載いたします)

1.女性の活躍支援と母子健康支援について

(1) 女性の健康課題について

「女性が活躍する社会は元気な社会である」という理念が広がりつつありますが、その実現には、女性が心身の健康を保ち、自らの人生を歩めるよう社会全体で制度や環境を整える支援が不可欠です。

しかし日本では、女性が自身の体について十分な知識や情報を持たず、生理や妊娠・出産、更年期といった変化に適切に対応できないまま、忙しさに追われる現状があります。その背景には性や心身に関する教育不足があります。また、婦人科や内科など、医療の選択肢が分かりにくく、栄養不足や貧血に気づかず放置されることが多いといいます。これが不妊や婦人科疾患の増加、生活習慣への理解不足につながっています。

こうした状況では、女性が健康で活躍することは困難です。女性の健康と母子支援は、少子化対策の鍵と考えます。

そこで伺います。 区として、女性の健康支援についてどのような現状認識を持ち、今後どのような取組を進めるお考えでしょうか。

4月に中野駅南口徒歩2分の場所に「こどもでぱーと中野」がオープンしました。株式会社ヒューリックが開業し、小児科や学習塾、親子カフェに加え、産後ケアサロンの「FUWARI」という施設も入居しました。

先日、この「FUWARI」のお話を伺ったうえで、同施設を視察させていただきました。
理学療法士や看護師ら10数種類の専門家が連携し、母子に寄り添った健康支援を行っており、必要に応じ医療介入や家庭訪問も可能とのこと。とても良い雰囲気で癒される場所となっています。

運営する細川モモさんは予防医療・栄養指導の専門家で、「痩せ」や「貧血」など日本人女性の課題に対し、母子保健室や健康チェックを全国展開しています。細川さんは、女性と子どもの健康の土台は、胎児期からの最初の1,000日であり、プレコンセプションケアの視点で、妊娠前からの支援が重要、と訴えています。

一方、生理不順などの不調を抱えたまま働く女性が多く、妊娠期や産後の相談の場も限られており、こうした場が区内にできた意義は大きいと考えます。FUWARI」のような取組は、区が目指す地域包括ケアやスマートウエルネスシティの方向性と親和性が高く、学びと連携を深めるべきと考えます。

そこで、 区としてこうした団体と地域包括ケアパートナーシップ協定等を結び、職員・保健師・支援団体への研修・周知を行い、母子支援の知見を区政に活かしてはいかがでしょうか。

また 区民にも広く情報発信し、必要な支援にアクセスできる環境整備が必要と考えます。特に2030代女性が多い中野区において、妊娠前の健康施策を積極的に進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 
(2) 職場における女性活躍の推進について 

職場においても、妊娠・出産・育児・更年期といった女性特有のライフステージごとの課題に対してきめ細やかな配慮と支援を行うことは、働く女性を支える基盤となります。

中野区は、令和2年に女性管理職の割合に関する目標を掲げていますが、現時点では目標達成には至っていません。もちろん、女性活躍を「管理職登用」のみに限定するべきではありませんが、区の施策全般に、多様な視点を反映させるには、意思決定、政策決定の場に女性の意見が反映される環境が不可欠です。

そう考えると、女性管理職が現状のままで良いとは言えず、まずは区で働く女性職員一人ひとりが心身ともに健康で、いきいきと働ける職場環境の整備が重要と考えます。

たとえば、健康相談体制の充実や、ライフステージに応じた勤務制度の整備、休暇取得の促進、周囲の理解促進のための研修など、具体的な支援策を講じることが求められます。

区自らがこうした取組みを率先して実施し、女性活躍の先進的なモデル自治体としての姿勢を示すことは、区内事業者への波及効果の面でも非常に意義深いと考えます。

中野区として、誰もが働きやすく活躍できる社会の実現に向け、女性職員の健康と活躍を支える職場環境づくりについて、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

(3)       生理用品の支援について  

コロナ禍において「生理の貧困」という言葉が広く知られるようになった頃、令和33月、我が会派の提案により、防災備蓄品の棚卸し分を活用した生理用品の配付が、すこやか福祉センターなどで実現しました。

さらに、同じく我が会派の提案で、庁舎内のトイレにおいて、民間事業者の広告宣伝費を活用し、スマートフォンのアプリを通じて生理用品を取り出せる機器の導入も行われました。この取り組みは区民の皆様から大変好評をいただき、新庁舎への移転後も、1階から4階および7階のフロアに設置されました。しかし残念ながら、新庁舎の1階においては、同機器のキャリア回線の電波状況が悪く、アプリによる操作ができず、長らく利用できない状態が続いていました。

この状況を受け、区民からも改善を求める声が上がり、区は応急的に、トイレの一角に生理用品を1個ずつ取り出せる箱を設置し、代替の対応を行いました。さらに、先日現地を確認したところ、その箱にはQRコードが添付されており、「生理用品に関する困りごと」などを尋ねるアンケートの実施も始まっていました。これは、まさに令和3年に当時の久保りか区議が提案していた内容であり、結果的に新たな形で女性の多様な悩みに耳を傾けるきっかけになり得るものと感じています。

これらの一連の対応を通じて、区としても改めて現状を再確認されたことと思いますが、この点についてのご見解を伺います。 

併せて、我が会派としては、貧困対策という視点にとどまらず、ジェンダー平等の観点から生理用品の配付を拡充すべきであると、これまでも訴えてきました。現在、トイレットペーパーがどこのトイレにも当たり前に設置されているのと同様に、女性トイレには生理用品が常備されていて当然であると考えます。将来的には、区の施設だけでなく、民間施設や商業施設にもこの取り組みが広がり、ユニバーサルデザインや合理的配慮の一環として浸透していくべきだと考えます。そのためにも、まずは区有施設や学校教育施設のすべての女子トイレに生理用品を常備できるよう、区が率先して取り組むべきだと考えますが、この点についても区の見解を伺います。

(4)       母子保健DXについて

令和7年度、区は、母子保健DXの推進にあたり、準備業務を進めると聞いています。
国は令和8年度に、電子版母子健康手帳の標準化と全国共通の情報連携基盤(PMH)の活用を進め、乳幼児健診のスマホ予約や確認、プッシュ型の支援の実現を目指しています。

さらに令和9年度以降には、産後ケア事業や各種講座のオンライン予約の運用開始が想定されていると報告されています。こうした取り組みが実現すれば、自治体の業務負担が軽減されるとともに、利用者が迷うことなく必要な支援を受けられる環境が整うと考えます。

そこで2点伺います。母子保健DXの導入により、母子の情報を的確に把握し、迅速に支援につなぐ仕組みが整備されることが重要であり、検討にあたっては、AI技術を活用したチャット相談や専門家とのマッチングサービスの導入なども視野に入れた検討を進めるべきと考えますが、現在の準備状況を伺います。

また、母子保健DXが単なる業務のデジタル化にとどまるのではなく、子育て支援の大変革として位置づけられ、親が育児に余裕を持ち、楽しめる環境が整うことを期待します。

利用者が迷わずサービスを受けられる環境の整備のために、妊婦検診や乳幼児健診、産後ケア、一時保育などのオンライン予約システムを拡充し、利用者が直感的に必要な支援にアクセスできるデジタルプラットフォームを構築すべきと考えます。区として、これらの取り組みをどのように進めていくのか、お伺いいたします。
                                                                      
(5)       乳幼児版子ども宅食について

先に申し上げたとおり、女性の健康支援と母子健康支援は密接に関連しており、切り離せない重要な課題であります。特に、プレコンセプションケアの観点からは、妊娠前からの母体の健康状態がその後の妊娠・出産、さらには母乳育児に大きな影響を及ぼすことが指摘されています。具体的には、ヘモグロビン値が低い、いわゆる鉄欠乏性貧血の女性が妊娠した場合、母乳育児への影響も懸念されております。

こうした中で、本来、乳幼児健診等の機会を活用し、母子ともに健康状態や栄養状態に課題のある家庭に対して、適切な栄養管理支援を行っていくことが重要であります。しかし、現状として、特に若年層の女性においては、鉄欠乏性貧血が多い傾向があり、さらに、昨今の物価高騰の影響も相まって、栄養価の高い食品を十分に手に入れられない方々も少なくありません。

こうした状況を踏まえ、一定の条件を満たした方々に対しては、積極的に栄養支援を行う必要があると考えます。また、関連する支援の一環として、例えば、シリアルや粉ミルク、離乳食などを販売する民間事業者の中には、賞味期限が迫ることで廃棄予定となる食品について、必要とする家庭に提供したいという意向を持っている企業もあると伺っています。

区として、こうした民間事業者との連携を図り、いわゆる食品ロスとなる商品を活用しながら、必要とする家庭に対して乳幼児版の「こども宅食」の仕組みを構築し、配付する体制を整備していくべきではないでしょうか。区の見解を伺います。 

2、         円形脱毛症のアピアランスケアについて

円形脱毛症は、突然頭部に円形の脱毛班が生じ、重症化すると髪全体が失われることもある、誰にでも起こり得る病気です。しかしながら、一般には十分に理解されていません。生命には直接関わらないとはいえ、見た目への影響は大きく、悩み苦しんでいる患者さんは意外にも多くいらっしゃいます。

私も先日、「円形脱毛症の患者会」の方からお話を伺う機会がありました。突然の脱毛については、「ストレスを抱えた人がなるもの」という一般的な理解しかないことが多いのが現状です。しかし実際には、幼少期に発症し、80歳を超えて亡くなるまでずっと脱毛が続く方もおり、その間、周囲に知られないように生活されている方も多いと伺いました。また、子どもの場合、学校でいじめの対象になることも珍しくなく、医療用ウィッグは生活の上で欠かせないものとなっているのが現状です。

東京医科大学名誉教授で、西新宿サテライトクリニック院長の坪井良治先生によると、令和68月現在、円形脱毛症の患者数は日本の総人口の約1.9%に上るとされています。

そのような中、東京都がこのたび、がん患者向けに包括補助を行っているウィッグ等のアピアランスケア用品の補助要綱を改訂したと伺いました。どのような変更があったのか、またそれに伴い、中野区でも補助要綱の見直しを検討されるのか、お尋ねします。

また、今回の東京都の改訂を踏まえ、円形脱毛症患者の方々に対しても、ウィッグ購入への補助を行うことで、長く病と向き合い、苦しんでおられる患者さんのQOL向上に少しでも役立つのであれば、昨年始まった「がん患者のためのアピアランスケア支援」に加え、区としても取り組みを進め、さらには、アピアランスケアに関する理解や意識啓発も進めるべきと考えますが、併せてお伺いいたします。

3、介護保険制度について

ここでは2点について伺います。まず、介護認定結果の遅れについてです。

中野区の介護認定手続きが大幅に遅れており、利用者や事業者からは「必要なサービスが開始できない」「事業運営に支障が出ている」との声が多数寄せられています。

介護認定の結果通知は「申請から30日以内」が原則とされていますが、全国平均では39日、最長で79日かかっており、中野区でも2か月近くかかるケースがあると伺っています。これにより、現場には大きな負担がかかっているのが実態です。


暫定ケアプランを利用できるとはいえ、最終的な要介護度が下がった場合には、サービス点数が不足し、事業者側が負担を抱えるケースも少なくありません。

一方で、「認定だけを受け、実際にはサービスを利用しない」というケースも13%程度あるとされ、こうした矛盾の解消は大きな課題です。

そこで伺います。
介護認定結果の現状について、平均的な認定期間や遅れの主な原因について、申請件数の増加や調査体制など具体的な要因を含めてご説明ください。

また、区としてこの課題をどう認識し、どのような改善策を講じていくのか、現時点での対応方針をお示しください。

次に、ケアマネジャーの業務負担について伺います。

ケアマネジャーの報酬は、要介護度に応じて1件あたり1万円台とされており、その業務量や責任の重さに対して、極めて低い水準だと言わざるを得ません。さらに、ケアプラン作成は机上の作業だけではなく、利用者宅への訪問や本人・家族との面談が必須であり、膨大な書類作成に加えて、いわゆる「シャドーワーク」、つまり報酬が発生しない付随業務が多く含まれているのが実情です。

例えば、障害福祉サービスと介護サービスを併用している方の場合、障害分のプラン作成については報酬に反映されません。また、高齢者の一人暮らし世帯では、スマートフォンの契約変更といった生活に直結するサポートを余儀なくされることもありますが、これも全く報酬に反映されないといった声が、現場から多数寄せられています。そこでお伺いします。

区としてケアマネジャーのこうした『シャドーワーク』の実態について、どのように把握しているのか、現時点での認識をお聞かせください。

次に、こうした実態を踏まえ、ケアマネの業務負担軽減のための支援策について真剣に考えるべきではないでしょうか。これからの高齢者支援にとって大切なケアマネジャーの離職を食い止めるためにも、ケアマネを支援する区独自の方策を検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。

4、         まちづくりについて 

3点伺います。 

(1) 西武新宿線(中井駅~野方駅間)の地下化工事について

早期の開かずの踏切解消を切に願う区民の思いと裏腹に、一度延期をした事業認可期間の令和8年度末には完了しない見込みであることは現在の状況から誰の目にも明らかに窺えます。 

しかしながら、東京都は何も公表せず、このまま事業認可期間が近づいてから再度延伸の手続きをするようなことがあれば、かなりの問題であると考えます。

速やかに事業期間、スケジュールにかかわる情報を公表することが求められていますが、現時点での事業完了の見通しについて伺います。併せて、これ以上事業が遅延するならば、駅周辺のまちづくりにも大きな影響が出ていることから、地元住民の活力の低下についての対策を東京都にもしっかりと講じてもらうよう区は強く要請すべきと考えますが、見解を伺います。

(2) 上高田1.2.3丁目防災まちづくりの意義について

現在、上高田地域では、補助220号線の道路整備に加え、3本の避難道路の整備が予定されていると伺っています。

私も先日、説明会に参加しましたが、区の防災まちづくりの方針や、それに基づく道路整備の考え方については、地元住民や周辺住民の理解が十分に深まっていないと感じました。

これまでの他地区での防災まちづくりの経過を見ても、最初の段階で、まちづくりの意義や目的について十分な説明・周知がされないまま進んでしまうと、その後の交渉が難航し、結果的に時間がかかり、住民に不利益をもたらすケースが少なくないことを痛感しています。

こうした経験を踏まえ、区としても、なぜこのまちづくりが必要なのかということを住民にしっかりと伝え、理解を深めるための手法も工夫し、まち全体に防災まちづくりの必要性を広めていく努力が必要だと考えますが、区の見解をお聞かせください。

(3) 野方12丁目の防災まちづくりについて

東京都が定期的に行っている「地震に関する地域危険度測定調査」や、東京都の「防災都市づくり推進計画」においても、野方12丁目地区は、以前から、区内でも特に危険度が高い地域とされており、防災まちづくりによる早期の改善が強く求められている地区です。

同じ整備地域内の近隣では、平和の森公園地区や、不燃化特区に指定された大和町地区において、避難道路の整備や建物の不燃化促進など、木造住宅密集地域の改善に向けた防災まちづくりが進められています。しかし、野方12丁目地区については、総合危険度ランクが区内で最も高い「5」とされているにもかかわらず、具体的な防災まちづくりの取り組みがこれまで進められていません。

この地域の事は以前私も質問に取り上げ、本年第1回定例会では久保りか議員が質問しましたが、改めてお伺いします。 

区として、野方12丁目の防災まちづくりの着手について、検討は進んでいるのでしょうか。

また、現在、妙正寺川の河川改修や中野工科高校の建て替えが進められていますが、同校の実習棟部分の解体については、予定通り令和10年度中に行われると伺っています。将来的に防災まちづくりに着手する場合、この土地は重要な空地となり得る場所であり、防災公園としての活用も視野に入れるべきだと考えます。都の用地を先行取得することを検討し、あわせて防災まちづくりの指定を行い、地域の機運を高めていくべきではないでしょうか。区の見解を伺って、私のすべての質問を終わります。

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