中野区議会・令和7年第4回定例会。
公明党議員団の1番手で一般質問にたちました。![]()
質問項目は以下のとおりです
1、地域包括ケアについて
(1)地域包括ケアに対する区長の姿勢について
(2)終活支援相談体制の構築について
(3)生活困窮者へのエアコン設置助成について
(4)介護保険外サービスについて
(5)その他
2、女性の健康支援について
(1)女性の健康支援をリードする自治体について
(2)区内事業者と連携した保健室モデル事業について
(3)区内事業者の健康経営サポートについて
(4)乳がん検診について
(5)その他
3、狭あい道路整備と電柱移設の課題について
4、その他
質問全文は以下のとおりです
1、地域包括ケアについて
(1) 地域包括ケアに対する区長の姿勢について
来年度からの新たな中野区基本計画の策定が進む中、改めて伺いたいのが、地域包括ケアに対する区長の姿勢です。
地域包括ケアの理念が示されてから11年。
国は、住まい・医療・介護・生活支援が一体的に提供される体制づくりについて、進捗の「見える化」を強く求めています。中野区においても、認知症施策や介護予防など、包括ケアに関する取り組みを一定進めてきた点は評価しています。
しかし、複雑で多様な課題を抱える高齢者は、依然として多く、私のもとにも、住まいの不安、在宅介護の限界、身寄りがなく、将来に悩む声など、連日のように切実な相談が寄せられています。
いま、こうした現状を踏まえ、さらなる支援策の深化を図るべき重要な局面にあると感じています。区が掲げる「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に照らすならば、困難を抱える方への支援体制やセーフティネットの強化こそ、最優先に取り組むべき課題です。
区長は初当選以来、「全世代型地域包括ケアシステムの構築」を掲げてこられました。
本年8月の「第10回日本薬学教育学会・大会」で、区長は、「中野区における地域包括ケアシステムの取組と健幸(ウェルネス)のまちづくりについて」と題して講演を行い、
「この間、医療・介護連携や複雑化・複合化したケースの対応など、ハイリスク・アプローチを重視して地域包括ケア体制を構築してきたが、今後は健康無関心層や生活習慣病予備群などに対するポピュレーション・アプローチや環境づくりなど、健康・介護の予防に力点を置いた施策展開が求められている。」と述べられました。
そこで伺います。これまで区が進めきたハイリスク・アプローチを重視した地域包括ケア体制は現状で十分とのお考えなのか、ご認識を伺います。併せて、中野区の地域包括ケアの現状をどのように評価し、今後どの方向へ、どのように発展させていくと考えているのか、見解を伺います。
地域包括ケアの基盤づくりは道半ばです。今回策定中の基本計画でも重点プロジェクトに「地域包括ケア体制の整備」が入っていますが、よく見てみると、理念の部分は「SWCの理念を踏まえ、つながりをつくり、健康度と幸福度を高めるための取組を進める」 となっており、タイトルと中身が相違していると感じます。
取組自体にもまちづくり事業が入るなど、大半がSWCの取組となっていて、完全に理念や施策の柱が、「地域包括ケアからSWCに置き換えられている」ような印象を受けます。
もちろん、SWCは官民連携による予防施策として重要であり、私自身も10年前から議会でその必要性を訴えてきた経緯もあり、推進を否定するものではありません。
しかしSWCはあくまで“予防”の領域であり、地域包括ケアを補完する政策の一つとして位置づけるべきものと考えます。
そもそも、地域包括ケアとは、「誰もが住み慣れた地域で尊厳を持って最後まで暮らす」ということが基本原則です。
その観点からみれば、本来重視すべきは、区が定める「地域包括ケア推進プラン」の8つの柱のうち1番と2番に掲げている「権利擁護支援」や「住まい方支援」といった領域について、いまだ具体策が乏しい現状から前進させるのが次の5年間の計画であるべきです。
今回の素案では、地域包括ケアの重要な要素が現行の基本計画よりも記述が抽象的で、重点化されていない点に大きな違和感があります。
よって今回の基本計画(素案)における重点プロジェクトは、地域包括ケアの理念に沿って再整理し、とりわけ、“権利擁護支援”と“住まい方支援”について、しっかりと盛り込むべきと考えますが、区長の見解を伺います。
(2) 終活支援相談体制の構築について
最期までその人らしく尊厳をもって暮らし続けるためには、本人の意思を守り、必要な支援につなげる「権利擁護支援」の体制整備が不可欠です。
近年、身寄りがない、または親族がいても高齢・疎遠などの理由で支援を得られない高齢者が増えています。持ち家があっても生活に行き詰まり、十分な支援がないまま入院・転院を繰り返したり、孤立した末に孤独死に至るケースも後を絶ちません。これは、地域における権利擁護の仕組みが十分に機能していない現状の表れとも言えます。
こうした事態を防ぐには、早い段階からの「終活支援」が極めて重要です。
しかし行政の相談窓口は縦割りで、元気なうちに相談しても支援につながるまでに時間がかかり、その間に認知機能が低下して意思決定ができなくなる例もあります。
さらに、入院などを機に、飼育していたペットの行き場がなくなるなど、新たな困難を生み出しているケースもあります。
行政として、権利擁護の視点に立った支援体制を強化する必要があります。
加えて、身元保証がない高齢者を狙った悪質な詐欺も横行しており、財産があっても安心して暮らせない方が増えています。
国も令和6年度から「身寄りのない高齢者等を支援するモデル事業」を開始し、今年度から本格実施する自治体や、すでに、「終活登録制度」を設け、倒れた際でも本人の意思を尊重できる仕組みを整えている自治体も出てきています。
以上を踏まえ伺います。
中野区は、高齢者の終活・権利擁護支援について、自治体としての役割をどのように認識しているのか伺います。
また、厚労省モデル事業や東京都の支援、先進自治体の取組をどのように把握しているのか。さらに国や都の制度を活用し、専門職と連携した相談窓口を区として整備する考えはあるのか、見解を伺います。
(3) 生活困窮者へのエアコン助成について
近年の猛暑は命に直結する深刻な問題であり、特にエアコン未設置の高齢者等では、熱中症の危険が極めて高まっています。こうした状況を受け、困窮世帯を対象とした自治体独自のエアコン設置支援が広がっています。
中野区でも、令和8年度からエアコン助成制度の創設を検討するにあたり、今年度、生活援護課が生活保護受給者のエアコン未設置状況を調査していると伺っています。その調査により、どのような実態が把握されたのか伺います。
東京都のゼロエミポイント事業では、家電買い替えに加え、エアコン未設置世帯への支援が今年度限定で拡充されました。北区では、この事業と連動して補正予算を編成し、高齢者向けに独自助成を実施しましたが、急ぎの制度設計となったため、助成額を一時立て替える必要があるなど、運用面の課題も生じています。
また、江戸川区では生活困窮世帯に対し、エアコン購入費6万7千円を独自助成。中央区では非課税世帯を対象に、本体と設置費を含めて上限10万円、同じく葛飾区は10万6千円、同じく練馬区は11万1千円の補助を行っているそうです。いずれも生活保護だけでは支えきれない世帯への支援を行っています。
調査を行い検討に時間をかけてきた中野区は、困窮世帯を確実に救う柔軟な支援を行うことが重要と考えます。生活保護受給者だけではない困窮世帯を対象に、エアコン設置費用を含め、立て替えを不要にするなど、使い勝手の良い支援制度を構築し、来夏に間に合う形で実施すべきと考えますが、見解を伺います。
(4) 介護保険外サービスの充実について
ここでは、入浴事業と理美容サービスの拡充についてお尋ねいたします。
年金で切り詰めた生活をする高齢者にとって、「生きがい」や「楽しみ」となるリフレッシュの機会が欠かせません。しかし、中野区の高齢者向けサービスは、他区と比較して改善の余地が大きいと感じています。
まず入浴事業についてですが、中野区では65歳以上を対象に「いきいき入浴事業」を実施し、指定された月2回の実施日に、登録した銭湯を100円で利用できる仕組みとなっています。しかし区民からは、実施日が限られ登録できる銭湯が1か所だけで不便、もっと楽しみとして利用できる制度にしてほしい、といった声が多数寄せられています。
一方、他区の状況を見ると、練馬区では「高齢者いきいき健康事業」として銭湯の補助にとどまらず、『としまえん庭の湯』を平日月2回無料で利用できたり、理美容、はり・灸・マッサージなどの多様なメニューで利用補助券を交付しており、さらに新宿区の「ふれあいクーポン事業」では、60歳以上なら月4回まで銭湯が無料、そのうち1回はスポーツ施設利用に振り替えができるなど、高齢者の健康やリフレッシュ、社会参加を支えています。
中野区でも、いきいき入浴事業については、区内どの銭湯でも登録できるようにし、実施日を増やすなど、より柔軟に使える制度へ改善してはいかがでしょうか。伺います。
次に理美容のサービスについて伺います。
中野区の訪問理美容サービスは、これまでに何度か拡充してきた経緯はありますが、現状、対象が要介護3〜5の在宅重度の方に限られ、自己負担も1,500円かかります。要介護1・2であっても外出が難しい方や、近所の理美容店へ行くことが困難な方からは、「対象外で利用できない」といった声が寄せられています。
他区の状況を見ると、考え方は様々で、例えば杉並区では出張料のみの補助のようですが、所得に応じた柔軟な仕組みが整えられており、対象を要介護1〜5まで拡大しています。
中野区の訪問理美容サービスについても、要介護1・2まで対象を広げることを検討してはいかがでしょうか。さらに、車いす等でも外出が可能な方には、理美容店に行って利用できる仕組みも導入することで、より公平で使いやすい制度になると考えます。
また、高齢者のQOLの向上のため、要介護以外の方でも、一定の年齢以上であれば誰でも気軽に理美容サービスを利用しやすい環境整備等について、さらに取り組むべきと考えますが見解を伺います。
(5) その他
在宅医療と介護の連携、特に看取りまで見据えた支援体制について伺います。
中野区では、人口規模に比べて訪問看護ステーションが十分とはいえません。
住み慣れた地域で最期まで暮らせるためには、介護と看護を一体的に提供し、中・重度であっても在宅で暮らし続けられる「看護小規模多機能型居宅介護(看多機)」のようなサービスが重要ですが、中野区では体制整備が追いついておらず、地域包括ケアの目標達成に課題が残っています。
今年の第1回定例会で、我が会派の小林議員が看多機について質問いたしました。その際、区は、第9期介護保険事業計画で、区内2か所の整備を予定し誘導に努めたものの、応募事業者がなかったこと、ニーズはあるが参入には課題があり、事業者ヒアリングを通じて課題分析と誘導策の検討を進める、との答弁をしていますが、その後の検討はどうなっていますでしょうか。
公有地の活用や、区独自の支援策を提示し、補助単価や対象経費を公表するなど、戦略的な取り組みで整備を着実に進めることが必要であると考えますが、区として、こうした踏み込んだ手法を検討しているのか伺います。
土地や人材の確保が難しい現状にあって、こういった事業者の誘致には、「応募がなかった」で終わるのではなく、例えば高齢者住宅施策と併せて誘致し、介護事業者の利益率が上がるような政策的な取り組みを検討するなど、積極的に整備を進めていく姿勢が求められます。
今後の計画では、地域包括ケアの進捗を丁寧に確認し、目標に合った取組を確実に位置づけていく必要があると考えます。
地域で安心して暮らせる体制をつくる地域包括ケア体制の強化を強く求め、この項の質問を終わります。
2、女性の健康支援について
(1)女性の健康支援をリードする自治体について
女性が健康になることは、社会全体の活力にも直結します。しかし現代の女性は、仕事、子育て、介護など、多くの負担の中で暮らしており、自身の健康が後回しになりがちです。女性特有の健康課題による経済損失は年間3.4兆円とも言われ、自治体として取り組みが急務です。
国でも女性の健康支援の必要性が示され、支援策が動き始めています。しかし、働く女性の健康支援には、介護予防や特定保健指導のような仕組みがなく、自治体レベルで先進的な取り組みをしているところもほとんどありません。
一方、内閣府SIP(国家戦略的イノベーション創造プログラム)がリードして、企業や金融機関が共催し、自治体が後援する女性健康支援のモデル事業が、京都府・京都市で始まっています。
そこで、中野区としても、更年期支援、若年女性のやせ・貧血対策、産前産後や働く女性の健康支援など、区内事業者とも連携したモデル事業を構築し、23区の中でも先進的に女性の健康支援をリードする自治体を目指すべきと考えますが、区の見解を伺います。
まずは区として、「女性の健康を支える」明確なメッセージを発信するため、「女性健康都市宣言」を行ってはいかがでしょうか。区民・企業・医療機関と共に総合的に支援する方向性を示すべきと考えますが、区長の見解を伺います。
(2)区内企業と連携した保健室モデル事業について
忙しい女性ほど健康に無関心になりがちな実態を踏まえ、「女性のためのまちの保健室」イベントを、区内企業と連携して実施することで大きな啓発効果があると考えます。
まちなかで、骨密度やヘモグロビン値などを気軽に測定できたり、参加者には、例えばナカペイのポイント付与や協力企業によるヘルスケア用品の提供など、インセンティブを設けることで、参加の動機づけや継続性にもつながると考えますがいかがでしょうか。
企業側にとっても、社員の健康管理・福利厚生として活用できる「健康経営」として評価され、将来的に、地域の商店街とも連携すれば、回遊性の向上にも寄与し、スマートウエルネスシティの理念にも合致すると考えますが、見解を伺います。
(3)企業の健康経営のサポートについて
厚生労働省は、「働く女性の心と体の応援サイト」を開設し、企業に向けて女性特有の健康課題への対応を紹介しています。大手企業では取組が進みますが、中小企業では体制整備が難しい面もあります。そこで、区として産業振興の一環として、女性の健康経営に取り組む企業に対し、例えば、産業経済融資の利子補給、また、経営力強化支援・人材確保支援等の事業のメニュー化を検討してはいかがでしょうか。見解を伺います。
(4)乳がん検診について
中野区では、平成28年の国の指針改正後も、視触診のみで受診できる体制が続いてきました。この点については、我が会派から再三見直しを求めてきましたが、区は「選択制とし、視触診のみは推奨しない」としながらも、実質的には制度の転換が行われず、その結果、視触診のみを受け、マンモグラフィを受けなかった方が令和4年度〜6年度でも年間600人以上の多数に上っています。
視触診の委託料の予算には年間約2,200万円を投じています。自己負担もマンモグラフィ400円に対し、視触診は600円と高いにもかかわらず、視触診のみで安心してしまう方も少なくないと考えられます。
こうした状況を踏まえれば、視触診の継続は区民の利益にならず、早急に見直しを行い、効果の高いマンモグラフィ検診へ予算を転換すべきです。そして、マンモ検診車の回数増加も含め、区の見解を伺います。
さらに、無関心になりがちな若年層や、忙しい子育て世代の受診率向上には、単なる無料化よりも、受診しやすい環境整備と啓発が重要と考えます。
受診の後押しとなるインセンティブを導入してはいかがでしょうか。例えば、ナカペイポイントの付与、また、子連れでも安心して受診できるよう、一時預かり付きの「乳がん検診イベント」など、参加しやすい検診機会を設けることで、受診率を大きく引き上げることが期待できると考えます。こうした取り組みについて区の見解を伺い、この項の質問を終わります。
3、狭あい道路整備と電柱移設の課題について
はじめに、狭あい道路整備の区の取り組み内容の現状について伺います。
高齢化が進む中、自宅前まで介護車両やタクシーを呼んで病院・施設に行かなければならない方も増えており、狭あい道路の拡幅はますます切実な課題です。
中野区では、令和4年に「狭隘道路拡幅整備に関する陳情」が建設委員会に付託され、趣旨採択となり、さらなる積極的な取り組みを求められています。
他区では、後退用地を提供した方への補助金制度などを設け、住民が協力しやすい仕組みを整えているように見えますが、中野区では、「30年以上にわたり拡幅整備事業を実施してきており、住民の理解も進んでいる」、また、「拡幅セットバックの整備は区が行っているため、助成金や奨励金は不要」としています。それでは、中野区の取組みは、どのようになっているのか、施策の現状をお伺いします。
2点目に整備率の目標設定について伺います。
有事のためにも、狭あい道路整備率を高めるべく、さらに体制を強化する必要があると考えますが、この10年間の推移を見ると、総延長に対して毎年約1%の進捗にとどまり、整備率はいまだ約35%です。このままでは、あと10年たっても50%にも届きません。
少なくとも、5年後に整備率50%を目指すというような目標設定も必要ではないでしょうか。伺います。
3点目に、狭あい道路整備後も電柱が残る課題について伺います。
中野区では、建て替え時に道路を広げる「セットバック」や「隅切り」の取組が進められていますが、実際の現場では、せっかく建物が後退しても、電柱や支障物がそのまま残っているケースが見られます。特にT字路や曲がり角などで、電柱が残存している場合、緊急車両などが通行できず、安全面・生活面で支障が生じています。
最近も、「隅切りをしたのに、電柱が残っていて道路が狭いまま」という相談がありました。
区に確認したところ、隅切りセットバックの際に東京電力へ移設依頼の文書を送付しているものの、それ以降の調整や現地対応は行っていないとのことでした。
結果として、地域の方々や、相談を受けた議員が汗をかき、建物所有者や東京電力などと直接やり取りをして、ようやく解決に至るという場合もあります。
条例に基づいて建物を後退させても、電柱が残ってしまっては狭あい道路の解消にはなりません。
「セットバックして終わり」ではなく、「実際に車が通れるようにする」までを区の責任で完結させる姿勢を示すことも大切だと考えます。
「狭あい道路拡幅整備事業」の一環として、東京電力やNTTなどに積極的に働きかけ、電柱移設を進めている自治体もあると聞きます。セットバック・隅切り後の電柱の移設について、事業者任せではなく、区が主体的にフォローすることを検討すべきと考えますが見解を伺います。
最後に、事業のさらなる周知について伺います。
これらの事業の取組み内容や整備状況をもっとわかりやすくホームページに掲載し、また「耐震建替え助成事業」など関連施策と併せて、区民への周知や協力をさらに促進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
安全で通りやすい道路の実現のため、これらの取組を区が責任を持って推進することを求め、私のすべての質問を終わります。









