「まだ自分でできるから」——95歳、ひとり暮らしの方が教えてくれたこと
活動報告
ブログの文章に合わせてAIでイラストを作ってもらいました
ここのところ、地域でのご相談対応に、あちこち走り回る日々が続いています。
今日は、地元でひとり暮らしをされている高齢の男性のお宅へ伺いました。
近所に住む女性の方が様子を気にかけており、最近耳が遠くなり、買い物も大変そうなのに、何の支援も受けていないようなので、一度一緒に訪ねて支援につながるようにしてほしいとのご相談でした。
約束を取って訪問しましたが、ピンポンを押しても電話をしても反応がありません。
「出かけてしまったのかな」と思っていると、しばらくして「カチャ」とドアが開き、
「ああどうも。今日はどうしたの?」と。
「●●さん、今日来るって言っていましたよね」
「ああ、そうでしたか。上がりますか」
そう言っていただき、中で30分ほどお話をしてきました。
大きな庭のある一軒家におひとりでお住まい。
長男で独身のため、兄弟はそれぞれ他区や他県に住んでおり、時々は来てくれるものの、皆さん高齢で頻繁には難しいとのこと。
「実家なんだから、たまには来て草むしりでもしてくれるといいんだけどね」
と、少し寂しそうに笑っておられました。
年齢を伺うと、なんと95歳。
思わず「えー!」と声が出てしまいました。
それでも、特別な支援は受けず、生活のすべてを自分でこなしているとのこと。
買い物は近くのスーパーまで自転車で。
「それくらい自分でやらないと。長生きの秘訣だと思っているからね」と。
ただ、大きな自転車は乗りにくくなってきており、もう少し小さく安定したものに替えたいとのこと。
荷物を持って歩くのが難しいため、自転車が頼りなのだそうです。
一方で、ゴミ出しはかなり負担になっている様子でした。
庭の草むしりは頼めても、その草を捨てに行くのが大変だと。
「人に頼るのはあまり好きじゃないから、買い物支援などはまだ必要ないよ」とのこと。
それでも、急な体調変化の際の不安は感じておられ、
「何かあったとき、誰に相談すればいいのか分からないんだよね」とお話しくださいました。
そこで、今日は二つの制度をご紹介しました。
一つは「緊急通報システム」(※1)
もう一つは「社会福祉協議会のあんしんサポート事業」です。(※2)
チラシをお見せしながら説明すると、
「それはいいね」と関心を示してくださいましたが、
「まあ何かあったら弟や妹が来てくれると思うから」
と、結局は元の考えに戻ってしまいます。
「急な時は、ごきょうだいもすぐには来られないかもしれませんよ」とお伝えすると、
「私は何でも自分でやってきたからね。人に頼ったことがない。それが長生きの秘訣だよ」
と、笑って話は終わりました。
ふと窓の外を見ながら、
「戦時中、この窓のすぐ向こうに焼夷弾が落ちたんだ。こっちに落ちていたら、家は焼けていただろうね。この辺じゃ私が一番古い住人だよ。今は近所付き合いもなくなったけどね」
と、静かに語られました。
どのようなお仕事をされてきたのかは伺いませんでしたが、
人生を自分の力で歩んでこられた、芯の強い方だと感じました。
最後に、清掃事務所へ連絡すれば「ゴミの戸別収集」(※3) が利用できる可能性があることと電話連絡先をお伝えし、帰路につきました。
地域には、まだ支援につながっていない高齢者の方が少なくありません。
“住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らし続ける”ために、こうした緩やかな見守りや、いざという時の保険のような行政サポートに、必要な方がきちんとつながっていてほしいと心から願っています。
これからも、一人ひとりに寄り添いながら、安心して暮らし続けられる地域づくりに取り組んでまいります。