2026年6月25日㈭

公明新聞7面のトップに掲載していただきました。

記事のデジタル版、および全文を転載させていただきます。

行政職員心も体も健やかに

「健康経営」手法を導入/東京・中野区
2026/06/25 7面

東京都中野区は今年度から、職員の心身の健康を経営的視点で守る「健康経営」の手法を本格的にスタートさせた。若手職員を中心にメンタル不調による休職が増加する中、公明党の甲田百合子区議が対策を推進。一般社団法人「ラブテリ」の細川モモ代表理事と区を橋渡しし、データに基づく健康経営によって根本的な課題解決に乗り出した。


■データ分析し、睡眠と休養の改善提案

 健康経営は、働く人の健康を守ることを「コスト(経費)」ではなく、生産性を高めるための「投資」と捉え、職員が元気で働ける環境を整える経営手法。中野区は職員の半数以上を20~30代の若手世代が占める一方で、2024年度のメンタル不調による休職者のうち、約7割を同世代が占めるという深刻な課題に直面していた。

 持続可能な区政運営に向け、区は「人材育成総合プラン」に健康経営を位置づけ、①身体的健康②精神的健康③女性の活躍④食事――の四つの視点から対策を設定。メンタル不調に対する相談体制の充実を図るほか、階段の利用を促すイラストの設置、健康セミナーの開催など、安心して働ける職場づくりを進めている。

 先日開催された健康セミナーには、オンラインを含め123人が参加した。女性と子どもの健康支援に取り組む一般社団法人ラブテリの細川代表理事が、職員約2500人の健診データを分析した結果を報告した。

 このデータと、厚生労働省が公開している国民健康・栄養調査と同法人が全国12都道府県の学校・企業から蓄積してきた3万人以上のビッグデータを比較した結果、「睡眠と休養不足」が最大の課題として浮き彫りに。休養が取れていないと回答した職員は全体の約半数に達し、全国統計と比較しても大きく上回っていた。

 細川代表理事は、睡眠不足の原因が男女や年代で異なると指摘。男性職員の場合、休養が取れていない最多世代は30代である一方、全体の約8人に1人が睡眠時無呼吸症候群のリスクを抱え、自覚のないまま睡眠の質が低下していると推測した。また、女性職員の場合は、休養が取れていない最多世代が50代で、更年期による女性ホルモンの減少や自律神経の乱れが影響し、休養が取れていない層が取れている層を逆転して上回っているとした。

 改善策に関し、細川代表理事は、就寝前は消化に優しい食事にし、カフェインの過剰摂取を防ぐためコーヒーは午後3時までにすることなどを推奨。最初は高すぎる目標を立てず、まずは1カ月間継続できる“小さな習慣”を取り入れるよう職員らに呼び掛けた。

 受講した女性職員(25)は「仕事と健康は切り離せないと再認識した。できることから始めたい」と語った。

 区の健康経営については、公明党の甲田百合子区議が一貫して導入を推進してきた。昨年6月の定例会でいち早く対策を提唱したほか、細川代表理事と区をつなぎ、議会と職員合同の講演会を開くなど、取り組みを強力にリードしている。

■優れた政策、豊かな街へ波及
■一般社団法人ラブテリ 細川モモ代表理事

 区の職員は区民の「制度設計」を担う立場にあります。職員の健康リテラシー向上がエビデンス(根拠)に基づく優れた政策を生み出し、それが区民へ還元されることで、結果として街全体の豊かで健康的な暮らしの実現へと波及していきます。

 膨らむ医療費や介護負担といった日本の社会課題解決に向け、中野区のように高い健康リテラシーを持って制度設計を展開する自治体が増え、社会全体がより良く変わっていくことを強く期待しています。

カテゴリ

月別アーカイブ